決壊(下)
15件の記録
にけ@nilce2026年3月3日読み終わった@ カフェ読了直後のメモ 崇は打ち解けているようでいていつもどこでも心からの人間的な信頼を勝ちえない(そしてそれはほとんど本人の責任ではないと私は感じる)ところがあったようだけど、事件を経て圧倒的に孤独な場所に追いやられてしまった。 弟良介が家族への愛を叫んで死に、それを見た崇も同時にもう可塑性を全く失った半分彼方の存在になってしまったかのようだ。 海で見た母の幻想のシーンはとても痛ましい。 関係のない電話で再び事件に絡められ、その間に母は父のように損なわれようとし、弟の位牌は流される。母に疑われ、責められ、いくら思い遣っても思い遣ってはもらえず、決して理解されないことを痛感する絶望感。 被害者遺族として新たな活動を始め、繋がり、生なる存在(良太)を胸に進んでいける佳枝との対比が凄まじく、崇の言葉の端に滲む、それでも感情の矛先を持つことのできない絶望感に圧倒される。 この後どうやって生きていけるというのか?! 無言の叫びを身体にみんな閉じ込めて崇は……。 とても悔しい。
- セルジオ@sergio2026年1月7日読み終わった無実なのに殺人の疑いを着せられ取り調べを受けた主人公が、無実の罪を認めそうになるまでの警察の取り調べや、本人の心境がとてもリアルで恐ろしく、印象に残った。その警察の見立てに乗って報じてしまう報道機関の危うさ、それを信じてしまう自分の危うさも。 普段見ているつもり、知っているつもりの人の姿は、その一面を見ているに過ぎないのかもしれない。いいなと思う姿も、いやだなと思う姿も。それのことをに気づくだけでも、意味のあることのように思う。 「悪魔」になった男は、世の中の「幸せ至上主義」のようなものに毒づいた。そのことが彼を苦しめたのだろうと思う。そしていまも、いろんな人を苦しめているのだろうと思う。 誰もが存在価値と幸せを感じながら生きられる世にしたいと思う。









