高雄港の娘

高雄港の娘
高雄港の娘
田中美帆
陳柔縉
春秋社
2024年10月31日
8件の記録
  • 最近は「国語」の授業や試験での「気持ちを答えなさい」という設問が揶揄されたり、批判的に取り上げられたりすることが多いのですが、「気持ち」を考えることはやはり大切だと思うのです。歴史的な記述だけでは理解の及ばない隙間を埋めてくれるのは、やはり「気持ち」です。そして小説は「気持ち」を考えるのに最適なジャンルだと自分は思います。 例えば、「台湾は親日だ」などとおっしゃるみなさんは、日本の植民地だった時代の台湾で台湾籍の子どもたちがどんな「気持ち」で生活していたのか考えたことあるでしょうか。高雄第一小学校ニ年生、児童数36人のうちわずか四名が台湾籍であり、その台湾籍児童の一人の女の子が成績では一位をとり続けているにもかかわらず、教師はその子を級長には指名せず、ニ位の「小川さん」が級長になる。「他のクラスはみんな一番が級長なのに、どうして私はなれないの?」と問わずにはいられない少女の「気持ち」、そしてこう聞かれてしまう大人の「気持ち」を考えてみてはいかがでしょうか。  * 本書『高雄港の娘』は、日本で「台湾独立運動に奔走する夫を支えつつ、自らも実業家として活躍した孫愛雪」の生涯を描いたもので、読みどころとしては後半の「活躍」の部分なのかもしれませんが、自分にとっては前半の植民地下の生活、時代(政治)に翻弄される人々の生活が心に残りました。 「十年前は台湾の女性は長衫(チャイナドレス)さえ着てればモダンだったけど、五年前には愛国婦人会の人に批判されたのよね。日本の警察官には『非国民』とまで言われた服装が今また流行するんですもの」と。ホントに当時の人々はどんな「気持ち」だったのか▼
  • これから読むのだけど5日で読めるか不安…
  • 振り仮名つけてほしい。せめて人名、地名だけでも。台湾の人名や地名は読めません。読めないと、そのうち読み飛ばすようになる。これはよくないなあ。
  • 砂子
    @yru-suna
    2025年3月6日
  • 葉
    @one_leaf1205
    2025年3月6日
  • hina
    hina
    @hina13f
    2025年2月6日
    第二次世界大戦後、韓国は分断されイデオロギー戦争に巻き込まれた。 台湾は植民者が日本から中国に塗り変わり、選択肢さえ与えられなかった。 日本も中国も、母国とは成り得ず、アイデンティティは揺らぎに揺らいだ。 台湾の自由のために生きた娘の鮮烈な生涯。 「法令はなくとも、統治する側の優越感が自ずと壁になる。台湾の子どもを前に立たせて、日本の子どもに命令させるなんてことには、なりっこありませんよ」
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