透明な夜の香り

透明な夜の香り
透明な夜の香り
千早茜
集英社
2020年4月3日
53件の記録
  • 🍻
    🍻
    @far_away_
    2025年11月17日
    千早さんは別の作品を読んだ時はあんまり刺さらなかったのだけどこれはすごく好きな作風だった。朔の屋敷で日常を丁寧に過ごすことで一香が少しずつちゃんと人生を生きている描写、ハーブや料理の風景が「西の魔女が死んだ」のようで特に好き。朔が一香のトラウマを呼び起こす香りを作ってまで一香を試したり、多分その過程で相手を破滅させてしまうかもしれない香りを作ることにためらいを覚えたり、二人とも一緒にいる時間を通して「人間」になっていく感じがすごく良かった。安直に恋人になるわけではなくて最後まで「大切な関係」と言う感じだったのも好きだったな〜。新城も源さんもさつきちゃんも好きだった。
  • 変わることが怖い、恐れるという感情は分かる。一香と朔の距離感、いいなぁ。
  • 台北の一間書店 the1bookstore で台湾中文版《透明夜晚的香氣》を見つけて教室用に購入していたので、日本語の原著も手に入れて読んでみました。(新井見枝香氏との共著エッセイ『胃が合うふたり』もよかったので。) 最初、表紙を見たときは、「香水とか、お香についてのウンチク話?」と思ったのですが、「人間のにおい」、「生きる=におう」ことについての話でした。 人は、肉体としてはそれぞれ離れているけれど、生活する上では匂いを介してお互いに接しているのだと気づかされます。匂いから相手を知り、気遣い、思い遣ることもできる。考えてみれば、自分も人を見たり、人の言葉を聞いたりしながら、人と接していますが、どの感覚をとっても、この小説の登場人物ほど誠実に他人を感じてはいなかった。人の事を考えてはいなかった、と。 「香り/においを書く」という試みはおもしろかったです。  * * それから、小説の内容とは関係ないのですが、また振り仮名の話を。 この小説の重要な登場人物の名前は「小川朔」というのですが、みなさん読めるでしょうか。 「おがわ さく」さん。 「朔」は常用漢字に入っていないので、日本人でも小中学生だと読めないかもしれません。 また、「小川」ですが、実はこれ、日本語学習者にとっては非常に難しいのです。「小さい(ちいさい)」は最初に習う。「小学校(しょうがっこう)」も読める。でも、「小鳥」は「ちいとり?」。「小川」は?  「小鳥」が「ことり」、「小川」が「おがわ」と読めるのは、事前に耳からのインプットが十分にある人だけです。つまり、日本語環境でで長期生活していたり、日本で基礎教育を受けた人のみ。実は、日本語の文章というのは、すでに日本語が十分にわかる人しか読めないのです。「本を読んで勉強しよう」ということが、実はできない、或いは非常に難しいのです。本を読もうにも、漢字が音読できないので、読み進めることができないのです。いちいち辞書で調べますか。そこまでできずに、放り投げる人が多いでしょう。 この20年台湾の日本語学習者と接してきて、また台湾人と日本人の間に生まれた子どもたちの日本語を見てきて、このことを痛感しています。 解決策は簡単です。振り仮名をつけること。できるなら総ルビにすること。本書中の「小川朔」も初出時には振り仮名がついています。しかし、一回だけ。以降は振り仮名なしです。一回では覚えられません。総ルビが理想。何度も目にすることで、意図せずに覚えることができます。特に本書のような、若い読者が手にとるような本は総ルビにすることはできないでしょうか。読むだけで、教育効果が見込まれます。 たとえば、100前に生きた婦人解放運動家・伊藤野枝などの伝記を読むと、当時は総ルビであった古新聞を何度も読み込むことで知識を得ることができたというエピソードが書かれています。 #全ての出版物にふりがなを  海外ルーツを持ち、日本での生活を始めたばかりの人や海外にいる読者に日本語の書籍を読ませたい、買ってもらいたいと思うなら、総ルビが一番。もちろん日本の子どもたち、なんなら日本の大人だって、振り仮名があるとすごく読みやすいのです(漢字が多い歴史小説を読んでいて、途中で挫折した人は多いと思います)。 #全ての出版物にふりがなを 集英社をはじめ、出版関係者の方、一考を▼
  • 台北の本屋で台湾中文版を見つけ、購入したので、日本語原著も手に入れ、教室用に。
    透明な夜の香り
  • バイトとして働いていた、とある職場を退職するときに、日頃親しく話しかけてくれていた社員さんから譲り受けた本。本を贈られるのは人生で2度目だけれど、1度目がとてもよい出会いになったので今回もたのしみにしていた。そのわりに4年くらい寝かせた。 秋の夜長にゆっくり読むのにぴったりの1冊だな、とおもった。 キャラクターひとりひとりがすごくキャラ立ちしていて、なんか映画にもアニメにもなりそうな、佳き物語だった。 もっとシリーズ化というか、続きも読んでみたい〜と思ったら続き、出てるのね! 積読の山を少しずつ減らして、いつか読みたいな。
  • bijou
    @reads_0623_
    2025年10月9日
  • 今月は単行本積読消化月間とします。
  • さんご
    さんご
    @pochi35nico
    2025年10月7日
    友達のおすすめ
  • しおり
    しおり
    @Kaffee5888
    2025年9月19日
  • にゃんこ
    にゃんこ
    @kotarou-06
    2025年9月19日
    前から気になっていたから
  • kiki
    @kiki_
    2025年9月6日
  • かおり
    かおり
    @6kaorin5
    2025年8月15日
    静かな、研ぎ澄まされた世界だ。 香り、色、記憶、孤独。 朔さんの声のような紺色の宵闇の中、ぼんやり灯された白い物語を読んでいるようだった。 「香り」 は去ることながら、かなり「色」も感じた。 そして、思っていたより大人な物語。 官能とまではいかないが耽美で優美な雰囲気が漂うのは、やはり、香りや色、食事など五感がテーマだからか。 朔レシピのハーブやスパイスを使った料理が美味しそうだし興味深い。 トマトケチャップを手作りしたくなった。 後半、一香と朔の孤独と記憶、息遣いが痛くて、なぜか読むのが苦しかった。 でも、二人共に変化を受け入れて、新しい薔薇が咲くこれからに少しの希望。 『人形たちの白昼夢』を読んで、私は こちら側の千早茜が好きだ、と思い本作を読んでみたが、『人形〜』より遥かにこちらの方が好みだった。洋館に曰くありげな調香師、という設定も好み。 途中、少しマンガちっくだなぁとは思ったけれど、新城や源さん、さつきちゃんに大家さんという愛すべきキャラもいいスパイスだ。 続編となる『赤い月の香り』も読みたい。いや、読む。 第6回渡辺淳一文学賞受賞作。
    透明な夜の香り
  • かおり
    かおり
    @6kaorin5
    2025年8月14日
    アスパラの尿の匂い、私はわかるタイプ。 疑問に思っていたことが腑に落ちた。
  • woo
    woo
    @wakawoozi1317
    2025年8月13日
  • あざらし
    あざらし
    @azrs_book
    2025年8月13日
    くぅぅ面白かった!!! 各キャラクターの輪郭がはっきりしていて、みんな魅力的でしたねぇ。 「香り」という綺麗なテーマと、お屋敷に流れる穏やかな時間と、人間の仄暗い精神世界。 ドラマCDなどの媒体でも聴きたくなるような、そんな作品でしたね。
  • kisakisa
    kisakisa
    @kisa-kisa
    2025年8月6日
  • monami
    monami
    @kiroku_library
    2025年8月1日
  • たす
    たす
    @lotus_tasutasu
    2025年7月24日
  • ごま
    ごま
    @koalakko
    2025年7月19日
    香りがテーマの本。 物語のあちこちにハーブの描写があり、その描写がどれも気持ちよくて生活にハーブを取り入れたくなった。(実際にハーブを使用したボディソープと洗顔石鹸を購入した🌿) トラウマや生きていく中での息苦しさも描かれているのだけど、登場人物の苦しさがリアルに感じられて、ついつい感情移入してしまう。 そして、少女漫画のような描写もところどころ散りばめられている。朔さんにキュンとしてしまう場面が多々あり!ラストはキュンキュンしてしまった。 わたしもあの人がああやって迎えにきてくれたらなあ、、、
  • oyu
    oyu
    @oyuchka
    2025年7月16日
  • @osg826
    2025年7月7日
  • 桜
    @sakura_451
    2025年7月6日
    静謐な物語。依頼される香りはどちらかというとマニアックというか『匂い』であって、本人以外は理解できないものなのだけれど、読み手はどこか俯瞰して物語を眺めていて、心地良い距離感。 千早さんの作品はまださほど読んでないものの、私の中ではわりと好み、思ってたのとちょっと違った…など振り幅があって、好みな作品もラストで軽い失望があるので(批判や悪い意味ではなく、私個人の読みながらこうだといいな…というぼんやりとした希望がことごとく外れる)そもそもがこういう作風の方なんだなぁ、というのが今更のようにわかってきた印象。
  • わかな
    @waka-7
    2025年7月6日
    香りは、永遠に記憶される。きみの命が終わるまで。 新・直木賞作家が紡ぎだす、秘密の香り。 「言葉の意味を越えて、嗅覚が際立つという稀有な体験をさせてくれる小説である。」小川洋子(解説より) 元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。どんな香りでも作り出せる朔のもとには、風変わりな依頼が次々と届けられる。一香は、人並み外れた嗅覚を持つ朔が、それゆえに深い孤独を抱えていることに気が付き──。香りにまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。 https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents_amp.html?isbn=978-4-08-744509-1
  • なこ
    なこ
    @nonbibiri75
    2025年5月12日
    現実の社会からちょっとだけ離れた洋館が舞台の、一人で楽しむ大人向けのお伽話でした。 ——————————————- スーパーで見つけた求人広告により、古い洋館での家政婦的な仕事を始めた一香(いちか)。あり得ないほど嗅覚に優れた調香師の主のもとには、さまざまな事情でさまざまな香りを欲しがる人々が訪れます。 最初の1ページを読んだ時には滲み出る気だるい感じに「苦手な本かな…」と思いましたが、面接のシーンで「あ、これ絶対好きなやつ」と確信しました。そのあとはあっという間! 現実離れしていると頭の片隅では思うのに、実際にあり得るようにしか思えないのがすごいです。 小説の「きらきらひかる」、映画の岩井俊二作品あたりがお好きな人、仲間です🤝 この雰囲気は同じ系列だと思います。きっとあなたに響くと思います。 家族への推薦度★★☆☆☆ (すっごい良かったけど、これは人に薦めたり感想を話し合ったりする本じゃないわ。ひっそりと楽しむものだ)
  • @hagineko
    2025年4月19日
  • 調香師、元書店員、探偵…ワクワクするワードばかりだし、何しろ千早さんなので手に取った。 嘘は、におう。 私がこれまでついた嘘はどんな香りがしたかしら…
  • 澄花
    澄花
    @hanaikada315
    2025年4月6日
  • 森本羊
    森本羊
    @morimoto_sheep
    2025年3月24日
  • 🌕
    @pud
    2025年3月15日
  • 更紗
    更紗
    @ca-lico
    2025年3月9日
    心がしんっと落ち着く本でした。登場する料理がお洒落で美味しそうで、想像しながら読み進めるのがとてもたのしかったです。物語の世界観に気づいたらすーっと溶け込んでいる、そんな小説でした。
  • Omi
    Omi
    @hanachirusato
    2025年3月9日
  • ちみ
    ちみ
    @book_09
    2025年3月8日
  • りんご
    りんご
    @ppprsi99
    2025年3月8日
  • 宵菓
    宵菓
    @yoruno_okashi
    2025年3月7日
    千早さんの本で最初に読んだのがこれ。この本の中の空気感がずっと好きで、心の本棚の特等席にいる。
  • すこ
    すこ
    @scoooo_ne
    2025年3月7日
  • 紙村
    紙村
    @kamimura_
    2025年3月7日
    暗い過去を持つ女性と、特別な嗅覚をもつ灰色の目の青年が出会う話。ちょっと小川洋子「薬指の標本」の空気がある、静謐で読みやすい
  • LE LIEN
    LE LIEN
    @mahh-00
    2025年3月7日
  • touno
    touno
    @to_u__no___
    2025年3月6日
  • あい
    @ai_aA
    2025年3月6日
  • 新戸
    新戸
    @undeva_
    2025年3月6日
  • みづ
    みづ
    @mentaipoteto
    2025年3月5日
    本屋でこの表紙とタイトルに一目惚れしてから何度も読み返し、ずっと手元に置いておくほど大好きな小説。 文庫本の小川洋子さんの解説までもが美しすぎて、目には見えない香りを言葉や文章でここまで表現できてしまうのか…と圧倒した。
  • ash
    ash
    @ash1204221b
    2025年3月5日
  • 紺
    @navyblue_books
    2025年1月29日
  • ぱめ
    ぱめ
    @pame_book
    2025年1月26日
  • Bunka
    Bunka
    @cosmos_n
    2024年9月2日
  • mugi
    mugi
    @__miel0
    2024年9月1日
  • s
    s
    @me27
    1900年1月1日
  • 炭酸水
    @tansansui1
    1900年1月1日
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