馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow

馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow
馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow
森博嗣
講談社
2023年7月14日
39件の記録
  • @92
    2026年6月25日
    p14 「眠れそうな気がした。眠れるという状況は、彼にとっては世界で一番の幸せだった。特に一人で静かに眠れることが、なによりも尊いものに感じられた。」 p24 「「私は、加部谷といいます。探偵事務所のものです。」」 p48 「非常に希釈された微かな面白さだが、毎日が全然面白くない、ということはなかった。本を読めば、知識が得られて、それなりの満足感を抱いたし、初めて見る虫や植物にも興味があった。落ちている新聞を読めば、日本の社会のことを部分的にだが垣間見ることができた。自分の知らないことがまだ沢山ある、という状況は、たしかに幸せなことなのかもしれない。」 p55 「「大事なのは、書かれてある文章です。それは、もう読みましたから、メディアは必要なくなりました。」」 p59 「そうだ。友達の部屋で、ラーメンを食べたことはあった。自炊をしていた友達がいたのだ。否、友達というよりも、先輩だった。」 p61 「あの頃は、まだ人の愛情のようなものに幻想を抱いていた。人に甘えたいとか、優しく接してもらいたいとか、そんなふうに考えていたはず。それは、自分の弱さに過ぎなかった、と気づいた。人間は、基本的に一人で生きているのだ。」 p61 「自由に生きていこう。たとえ、肉体は拘束されても、思考は自由だ。」 p63 「「お酒というのは、結局は、庶民を拘束するためのシステムの一環なんですよ。あれで、小さな幸せを一時だけ感じさせて、不満が集まらないように制御しているわけです。」」 p63 「「柚原さんみたいに、社会を俯瞰して語る友人が、昔いました。ちょっと思い出してしまいました。」「そうですか……。それは、良い思い出なのですか?」彼は尋ねた。「はい、良い思い出です。」」 p89 「「そんな感じですね。私ら若いときに、厭世的な友人が身近にいたんですけれど、簡単にふられました。だから、印象としては悪くないんですよ。ニヒルな人は好きです。」」 p114 「「下手な先入観を持たない方が、客観的な観察につながるのではありませんか?」」 p150 「そんな理性の力強さに、彼女は憧れた。彼のことが好きだった。」 p166 「「あまり言いたくないことだけれど、世間というのは、だいたい予想どおりになるものだから。」」 p171 「「勝手な想像ではないでしょうか?あるいは幻想かもしれない。」」 p181 「自分がどうして泣いているのか、わからなかった。ただ、人間って悲しいものだな、くらいの茫洋としたイメージだけがあった。その悲しみが、一部の人間を包んで、一生そこから抜け出すことはできないのだ。それが、悲しい。悲しいから、悲しい。理由なんてないのかもしれない。そもそも、悲しい存在なのだ。悲しくないように、錯覚し、誤解し、誤魔化して生きているだけなのだ。」 p195 「すると、柚原がリュックのジッパを開けて、中からパンを取り出した。食パンである。袋にも入れず、そのままリュックのポケットに収まっていたようだ。彼は、それをちぎって、鳩に向けて投げた。」 p197 「「野生の動物は、自由に生きているというよりも、生きるために活動しています。人間の害になるのは、たまたま利害が一致しないというか、偶然にすぎない。野生動物が人間を襲うのは、ほとんどが正当防衛でしょう。」」 p199 「「そうなったら、働けば良い。働くことは、スポーツになります。レジャになります。未来は、きっとそうなる。」」 p211 「「それはね、人間というのは、そうやって個人個人でノルマを分担するんだ、と納得しているからでしょう?それが社会の一員になるということじゃない。社会を信頼するのと同じことのような気がする。」」 p214 「「小さな幸せ?ああ、そうね。」小川は頷く。「そういうのって、やっぱり、幼いとき、子供のときに、家族とか、お母さん、それから兄弟、近所の人たち、そういうところから来るものだよね。それを覚えているから、大人になっても、周囲で見つけようとするし、自分でも、少し辛抱して、誰かに小さな幸せをあげようって考えるんだなぁ。」」 p230 「「いえ、上手く言えませんけれど、うーん、自分を見つめてしまうというか、今ではなくて、過去とか未来とか、少し遠くのことを思い出したり、考えたりして、心に波が立っているみたいな感じになりません?」」 p236 「彼はソフトクリームを食べた。「何年ぶりかな。」と呟く。「甘いですね。」」 p239 「「弓矢の話をしました。」」 p240 「「ホームレスだって、そうなんじゃない。その名称でラベリングして、全員が同じ人種だと、みんなが思っているんじゃない?いろいろなタイプの人がいて、それぞれの人生があるというふうには捉えないよね。日本人って、こうだよねって言うのも同じだし。」」 p248 「「息子を探していたんだな。」」 p253 「価値観が違う。常識で考えてはいけないのかもしれない。」 p257 「「小さな幸せを届けてあげたいなぁ……。」」 p257 「「わからないじゃない。私たちの知らないところで、楽しいことしているかもよ。そんなふうに、うーん、限定的に見ちゃあ、それこそ、面倒くさいってことになるんじゃない?」」 p263 「社長が帰ったあと、工場の前に捨ててあった竹と、工場の敷地内で拾ったワイヤで、弓を作った。矢も適当な笹があったから、試しに何度か放ってみた。」 p267 「この場合、馬鹿は自分だった。馬鹿ではない者が、馬鹿から奪う。それが世の道理というものだろう。」 p268 「まあ、そんなに悪くない。生きていることは、それだけで基本的な価値がある、と確認できた。この世は、最悪ではないのだ。」 p290 「哀れんでもらいたくないのだ。そういうのが、一番嫌いだった。そう、人間で一番嫌いなのは、人に情けを寄せることなのだ。」 p290 「優しくしてくれる者は、例外なく、哀れんでいるだけだった。同情というのは、人を蔑むことと同じではないだろうか?」 p300 「唸る轟音の振動によって僅かに残った良心をふるい落とされた銀箔の精神と、そこから巻き上がった粉々の結晶が、彼らの頭の上に降り積もっていた。だから、髪は乾燥し、ピアノ線のように奏でる。本人にしか、そのメロディは聞こえない。」 p301 「彼は、既に最後の金を武器と交換していた。数日考えて決めたことだった。」 p302 「幸にして、今の彼は、身軽だった。彼をこの世に留まらせるほどの枷は、まだなかった。それを避けて生きてこられたのは、神の導きなどではなく、観察と思考から導き出した判断、もちろんそれはまだ予感程度の確かさしか有していなかったが、方向性は明確といえた。間違ってはいなかった。したがってもう、これしかないだろう。自分に対して、そう説得できたのだ。その思考に行き着いたときには、感動して涙が流れた。」 p303 「夕方から、彼は歩き始めた。それは、最後の助走だった。人々の流れに乗って。この宇宙の時間に乗って。」 p306 「愚かで、偽りの弓たち。馬鹿と嘘の弓で、矢を射る。」
  • 郷愁旅情
    郷愁旅情
    @saori
    2026年5月7日
  • ここ子
    @itit09
    2026年4月29日
    読むのはXシリーズのあとの予定なのでまだ先ですが、買える時に買っておく
  • 水源
    水源
    @fountainhead
    2026年4月17日
  • ぼくちゃん
    @se_0219
    2026年4月12日
  • たなか
    たなか
    @reads1014
    2026年3月22日
  • (・×・)
    (・×・)
    @ichigo_oblaat
    2026年3月12日
  • @pcntm
    2026年2月13日
  • noirlog
    noirlog
    @noirlog
    2026年2月2日
    面白かったー。 これがXXシリーズって事を知らずに手に取ったから、登場人物を見て嬉しかった…! まだ続きが読めるのね。海月くんのχの悲劇までの間のお話は埋めてくれるのかな。。 森博嗣作品読んでて、「現代の問題」を描いてるな〜って思うことって無かったんだけど、この作品からは感じた。 無敵の人について。 刑務所は老人ホーム状態だと聞くし、生活保護の方が年金より手厚いし、働くことに‪"メリット"‬ないじゃんって思う。 「それメリットありますか?」っていうセリフも最近よく聞くような気がする。そういう人とは本当に会話が難しい。 森博嗣作品のどの作品か忘れたけど、コスパ良く生きたいなら今すぐ死ねばいいってやつ。 それくらい極端な思想だよなと思う、メリットとか効率とか。 何かが違えば通り魔事件を起こさなかったのか?と思ったけど、解説曰くは同じ事だろうと。 そうか、そうかも…そうなのか?これは色んな人の意見を読みたい。 不自由なく暮らしていけるお金があれば、それこそそんな事件起こすメリットないのにって私は思った。
  • noirlog
    noirlog
    @noirlog
    2026年2月1日
  • 久留里
    @kururi99
    2026年1月7日
  • 羽瀬川
    羽瀬川
    @mzzzh06
    2025年12月16日
  • Ami
    @Ami593
    2025年11月21日
  • ニコ
    ニコ
    @notitle_25
    2025年10月14日
    すべてが理の中にあって、彩度も温度も低い。
  • @who_you
    2025年10月3日
  • み
    @arimi
    2025年7月30日
  • haaaaaaaana
    haaaaaaaana
    @haaaaaaaana
    2025年6月21日
  • 緋色
    緋色
    @hiiro_kyoju
    2025年6月10日
    うーん正直あまり刺さらなかった、けど 最後の柚原の行動は正直気持ちが良かった。 まあそれはたぶん、私がああいう人間が心から嫌いだからなんだけれども 自由な生活をする柚原を、少し羨ましいと感じた 現代で労働する人間は多分みんなそう思うだろう 一方で、労働して生活するという安心感を多分我々は手放せないと思う 柚原の行動はどこまでも理屈が通っており、納得出来てしまう だからこそちょっと怖いというか、異質というか
  • tomika
    @to_mi_ka
    2025年5月24日
  • もみの木
    もみの木
    @mominoki
    2025年4月26日
    wシリーズ、wwシリーズを読んでからのxxシリーズ一作目。やっぱり私が読みたい森博嗣は これだよこれ!影のある知的な登場人物が私の好みドンピシャリ。ベーシックインカムに関しては、実現して最低限の生活が保障されたら、一時的に仕事を辞めて、リフレッシュしたり、勉強したり出来ていいよねって思う。けど、それは一時的なものであって、永続的に働かないっていう選択肢は私にはない。でも、それって何でそう思うんだろう。働くって何だろう。働かざる者食うべからずっていうのは、幼少期から植え付けられた思い込みの価値観でしかないのか。考えさせられる作品。
  • ふゆいち
    ふゆいち
    @huyuichi
    2025年3月30日
  • すみ
    すみ
    @ylxfg
    2025年3月17日
  • そーだ
    そーだ
    @so_da
    2025年3月16日
    自身の境遇を許容できる知性によって恨み、やるせなさすらも傍観できてしまった結果のように見えた。 感情ではなく、まずことに意識を向けて絶えず考えると自分の気持ちですら、 あー、この状況ならこんな感情を取りうるだろうなであればこう解釈するのが良いかって感じでどんどん起源の感情から遠ざかってしまう。  論理的な知性を持っている人ほど感情を素直に表現する、表現しなくとも自覚し、目を背けないことも大事なのかなぁと思いました。
  • mio
    mio
    @miobooklog
    2025年3月14日
  • mio
    mio
    @miobooklog
    2025年3月8日
    きっと英題がヒントなんだろうと思って読み始めている 装丁買い
  • 真緒
    真緒
    @m_k__518
    2025年3月5日
  • moray
    @indigo-giraffe
    2025年2月1日
  • 𓇌𓅱𓇌
    𓇌𓅱𓇌
    @dccxxiv___
    2024年2月12日
  • na
    na
    @p_o07
    2024年1月19日
  • こうや
    こうや
    @s2bump
    1900年1月1日
  • ヒビ
    @ampm_1221
    1900年1月1日
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved