きみを愛ちゃん (集英社文芸単行本)

18件の記録
harami@msk4062025年10月22日読みたいところだけつまみぐい。そんなところまで深読みする?と思う反面、キャラクターへの思い入れが強いのが伝わる。一方的な感情を向けられる架空の人物だからこそ思い切りのいい文章という印象。ぬいぐるみを持ち主の皮膚のように馴染んでいく存在、としている視点がおもしろかった。
よしい@Yoshe2072025年9月10日読み終わった村山良樹回だけ発表当時「すばる」で読んでいて、単行本化されたということで改めてそれ以外の回も読みたくなり購入。最果さんの文章は、いつも人間の愛というものを誰よりも懐疑的な視線のような、けど誰よりも丁寧に慎重に見つめているような、だからこそ愛という概念について時間をかけて考え詰めて言葉を尽くして語られているように感じられる。ここで語られているキャラクターたちの話はあくまで最果さんが思う解釈なので、もちろん自分の解釈とは少し違う部分もあったりするんだけど、それも含めて最果さんの視点と言葉で紡がれるキャラクターたちへの熱量溢るる文章がどれも美しくてあったかいお手紙のようで心地良く読んだ。エンタメを見たり聞いたりすることが趣味だと、膨大な作品数を日々どれだけチェックできるかということが趣味の主体になってしまって、一つ一つの作品やそこに登場する一人一人の登場人物と自分なりにじっくり向き合うということができていないように思って自己反省することが多々あるんだけど、好きな作品やキャラクター、時には納得いかなかった作品や好きになれなかった登場人物についてもっと時間を使ってじっくり思い巡らせてみようと考えさせられた一冊。
ちゃのき@chanoki2025年9月8日読んでる好きな一節のメモ→ 人と人の間にあるわかりあえなさは、その人自身の誇りや、今まで生きてきた日々の積み重ねの表れであると思う。わかりあえないことこそが、尊重すべき「他者」の姿だ。だからそれらの境界が溶けて消えるような関わりを愛と言ってしまう虚構が不気味で、恋の成就のカタルシスのために、人が人であることを踏みる必要が本当にあるだろうかと私はいつも思っている。















