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@knk008
  • 2026年7月4日
    いつか王子駅で
    東京の下町を舞台に繰り広げられる物語。 ある人の不在を軸に、そこに暮らす人達とのやりとりや町歩きを通して、過去を回想し懐かしんだり思索にふけったり思いを巡らし、内へ外へと世界が広がっていく。 好きな作品世界だったけれど、咀嚼に力のいる物語だった。昭和、都電の走る東京の下町、競馬、70年代の日本文学。馴染みのない要素が多くてなかなか没頭できず、行きつ戻りつしながら読んだ。
  • 2026年6月29日
    そして誰もゆとらなくなった
    どうしてこうも面白いことばかり筆者の身に起こるんだろうと不思議だったけど、「無謀なイベントでフッ軽を発揮する」性(サガ)のせいなのでは?面白そうなことに気軽に飛び込めないと面白い出来事は降ってこないよねーなどと思いながら読んだ。ウンコに関しては面白がって読んでゴメンの気持ち。
  • 2026年6月11日
    風と共にゆとりぬ
    読者の共感羞恥を呼び覚ます第一部、日経のコラムという形で真面目な思索を綴った第二部、不謹慎ながら込み上げる笑いを我慢できない痔瘻闘病記の第三部という、一作目を超える緩急の激しいエッセイだった。経験した本人にしてみたら笑い事じゃないだろうに…… コーヒーを飲んで便通を制する戦法の使い手で、謎に仲間意識が湧いた。コーヒーとウォーキングは便通に効く。
  • 2026年6月4日
    旅の短篇集 春夏
    世界のあらゆる都市を舞台に、そこで見聞きした不思議な体験を綴ったショートストーリー集。 旅と読書、異国の地とフィクションの世界はそれぞれ似ているなと思う。現実世界と空想世界が入り雑じり、白昼夢を見ているかのよう。寝る前に一篇ずつ読みたい。
  • 2026年5月19日
    時をかけるゆとり
    「ゆとり世代のさくらももこ」じゃない!? ポッドキャスト『信頼できない語り手』が面白すぎたので、エッセイも読んでみた。書くのも話すのも上手い。才能に嫉妬。 「猜疑心と便意が服着て歩いている」と自己紹介してる回を聞いた直後に読み始めたので、のっけから「便意に司られる」話で大ウケした。馬鹿馬鹿しくて元気が出る。
  • 2026年4月26日
    銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に
    引き続き人気シリーズを読もう月間。 マカン・マランシリーズの「食べる」に対してこちらのシリーズは「書く」がテーマ。手紙を書くという行為を通して自分を見つめ直す物語。今流行りのジャーナリングに通じるものがある。 軽井沢、洋風建築のホテル、1000色のインクを有する手紙室。日常から遠く離れた旅先で自分と向き合う時間が誰しも必要なのかもしれない。作中登場するインクを検索して眺めるのも楽しい。どのお話もよかった。
  • 2026年4月11日
    マカン・マラン
    ここ数年で一大ジャンルとなったグルメ?カフェ?小説を読んでみようと手に取った大人気シリーズの一作目。 ドラァグクイーンのシャールさんが常連さんをもてなすために夜だけ営業する、まかない夜食カフェ「マカン・マラン」。人生に停滞感・閉塞感を覚え足取りが落ちてしまった人たちを休息に誘う、宿り木のようなお店。 まず出てくるマクロビ料理が美味しそう。それからシャールさんの掛ける言葉も優しい。マカン・マランは「手当て」に似ている。物語の随所に、立場の弱いもの、こぼれ落ちてしまったものへの眼差しが感じられるところもよかった。 大人気シリーズと評価されるのも納得です。続刊の文庫化が待ち遠しい(一作目の文庫化までに10年かかってるらしいのでいつになることやら……)
  • 2026年3月23日
    詩と散策
    詩と散策
    えらく時間がかかってしまったけど、ちびちび読み進めるのが正解だと思う。 ネットに溢れる強い言葉を浴びてささくれ血がのぼった頭を冷やし静めてくれる清涼剤のような、世界のささやかで美しいものを捉え美しいと思える感性を取り戻してくれるような文章の数々。 辛い現実に心を亡くしそうな時、折に触れて読み返したいと思う。
  • 2026年3月17日
    茨木のり子詩集
    茨木のり子詩集
    今一番共感できる詩人かもしれない。 青い炎のような怒りを湛えた詩の数々が刺さる。正しく善き人でありたい、誰もが平和に自由に生きられたらいいと思うのに、そうさせてくれないものへの苛立ちみたいなものが伝わってくる、人や社会や国への眼差し。 好きな詩がたくさんある。魂の在り方が少し似ていると思う。おこがましいけれど。
  • 2026年2月16日
    空と風と星と詩
    空と風と星と詩
    奇しくも作者の命日だったようで。 「自画像」「星をかぞえる夜」(空と風と星と詩)「いとしき追憶」「流れる街」「風景」「街にて」(『空と風と星と詩』以外の作品から)がよかった。 胸の内を綴った、静かで細やかな詩の数々が、作者の命諸とも喪われた背景を考えては、苦い気持ちになる。
  • 2026年2月11日
    日本の憲法 最初の話
    衆院選の結果が辛すぎて、縋るような気持ちで読んだ。 日本国憲法、その他人権にまつわる条約、宣言、演説、判決等を「詩」に訳した一冊。合間のコラムにも励まされる。 「日本と世界の約束の話ー戦争をなくす約束」の章の、日本国憲法9条、国際連合憲章、ポツダム宣言、核兵器禁止条約を読む。戦争の歴史に想いを馳せる。今自分に何ができるか考える。
  • 2026年1月19日
    ある愛の寓話
    ある愛の寓話
  • 2025年12月31日
    飛ぶ教室
    飛ぶ教室
    P.24 「うまくいかないことがあっても、たじろがず、運が悪くても、しょげないことだ。元気を出せ!打たれ強くあることを覚えてほしい。」 P.25 「知恵のない勇気は暴れ者にすぎないし、勇気のない知恵はたわごとにとどまる!」 「勇気ある人々が知恵深く、知恵深い人たちが勇気を出したときようやく、これまでしばしば、まちがって使われてきたあの言い廻わし、『人類の進歩』というものを感じとれるのではなかろうか。」 5人の友情、それぞれが抱く葛藤、見守る大人たち。子供たちへの愛と鼓舞に溢れたお話だった。自分自身はもういい大人なので、道理さんと禁煙さんをお手本にしたい(道理さんと禁煙さん何なんですかこのハピエンの『泣いた赤鬼』みたいな二人は……)。
  • 2025年12月9日
    長い話
    長い話
    柴沼千晴さんの新しい日記本。 舞台や音楽といった芸術を通して世界をまなざす。個人と世界の繋がりを考える。その語りが好きだなと思う。
  • 2025年12月4日
    たのしいムーミン一家 [新版]
    たのしいムーミン一家 [新版]
    引き続きムーミンを読もう月間。 既読の2冊とはうって変わり、驚きと楽しさ、世界の美しさに満ちた1冊。飛行おにの変身帽子をキーアイテムに展開するエピソードとその顛末。スピード感ある連作短編を読んでいるようだった。全体的に明るく賑やかで、ムーミン谷の住人たちにはやっぱりちょっと苛々しつつも楽しく読めた。初春から晩夏にかけての季節の描写が美しい。
  • 2025年11月6日
    小さなトロールと大きな洪水 [新版]
    小さなトロールと大きな洪水 [新版]
    引き続きムーミンを読もう月間。 『ムーミン谷の彗星』の前日譚。彗星より不穏さは控えめ。洪水の被害に遭った一家が先々で出会った人達の力を借りて困難を乗り越えて行く様子が王道の冒険物らしい。ムーミンたち特にムーミンママの逞しさが印象的だった。彗星はかなり異質な作風かも?
  • 2025年11月4日
    ムーミン谷の彗星 [新版]
    ムーミン谷の彗星 [新版]
    ムーミンを読もう月間。 まずムーミンシリーズに抱いていたのんびりほっこりしたイメージが覆された。彗星衝突という自然災害を前に右往左往するムーミンと仲間たち。リアルにいたらどちらかといえば「困った人」の集まりだと思う。終末を思わせる不穏さ、自然の脅威、それを前にしたムーミンたちがめいめい好き勝手やってるギャップに戸惑ってしまった(と言うか苛々した)。行動原理が一番近いスノーク兄さん、こういう心持ちで生きていきたい憧れとしてのスナフキンが好き。
  • 2025年10月15日
    群青のハイウェイをゆけ
    はてなブログ『今夜はいやほい』の書籍化。 旅の記録がスケッチのように綴られている。散歩のようなフィールドワークのようなものから、街や自然や景観から遠く想いを馳せるものまで。旅先で食べた食事から出会った人たちまで。たくさんのスケッチを眺めているような気持ちになった。筆者のフットワークの軽さは勿論のこと、同じ熱量で出掛けてくれる友人の存在も羨ましく思う。訪れたい旅先が増えた。
  • 2025年10月2日
    金米糖の降るところ
    江國作品を読むと、恋愛関係が至上で、恋愛の先に性愛があり、パートナーシップは一対一であるべきで、人のパートナーに手を出してはならない、という世間一般に「正しい」とされる規範が本当に「正しい」のか分からなくなる。「愛する」ことに真面目であるが故に、世間の「正しい」から逸脱することもあるのかもしれない。
  • 2025年8月31日
    抱擁、あるいはライスには塩を 下
    外界と距離を置き、独自の生活ルールが存在する、裕福な柳島一族の物語。 学校には通わず家庭で勉強する教育方針。ロシアにルーツを持つがゆえの「異国的」容姿。異父・異母姉弟も同じ屋根の下で暮らしている。 「内」と「外」、「家」と「世間」の双方から語られる柳島家の様子。果敢に「世間」と対峙する子供たちの眼差し。性別規範が強く旧い体質の「家」との確執と反抗。そんな「家」への愛情。秘められた過去の記憶。 三世代に渡る歴史と解体に、しみじみとした気持ちになった。
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