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雪村
雪村
@lastleaf_joker
  • 2026年2月6日
    ライ麦畑でつかまえて
    ライ麦畑でつかまえて
    ・世界一面白いツイッタラーのつぶやきをまとめたtogetterみたいな小説。冒頭の「母に捧ぐ」の回収もせず幾つかの伏線を投げっぱなしで終わっている。  多分、たった一人にでも自分の逃避行に着いて来て欲しかったのだと思う。それがたまたま妹のフィービーしかいなかっただけで、冒頭から振られ続けた主人公のホールデンに、フィービーだけがホールデンに着いて行こうとし、その時点でホールデンにポッカリと空いていた穴が満たされていたのだと解釈した。 『ライ麦畑で会うならば』をホールデンは『ライ麦畑でつかまえて』と間違えて覚えてしまったいる部分でもホールデンの深層心理が表れている気がする。
  • 2026年2月6日
    星の王子さま
    星の王子さま
    ・作者本人が挿絵を全て描いている(それもカラーを合わせてかなりの量が存在し、この物語に対する並々ならぬ執念が伺える)こと、航空会社の路線パイロットであったこと、はしがきやあとがきのギミックや本文中の様々なテクニックによって「星の王子さま」が実際にあった話であることを証明するための数々の仕掛けが施されている。 ・なぜ星の王子さまが「僕」に絵を描くことを強請ったのか(一応、星の王子さまにとっての死の概念が地球人とは違ったのかなという解釈は可能。作中では表立って言及されなかったため、序盤に読み手の興味を引くためのものだった気はする)ということや、どうして星の王子さまは自死を選択しなければならなかったのか(一応、元々住んでいた星に帰れなくなったという言及はしている)などの数々の疑問は残るが、 ①「僕」視点による星の王子さまとの遭遇を描いた物語 ②星の王子さま視点による地球にやって来るまでの物語 ③星の王子さまが自死を選択するのを「僕が見届けるまでの物語 の3部構成になっており、何となく最初に②を描き、そこから信憑性を高めていくために①③を書き加えていったような、そんな雰囲気を感じた。  そして様々なバージョンの翻訳が存在する星の王子さまをAmazonで検索する際に出てきた「誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠」という最悪なタイトルによってネタバレされたことは絶対に忘れない。
  • 2026年2月5日
    東池袋ストレイキャッツ (電撃文庫)
    ・杉井光先生の得意ジャンルである「音楽」×「ミステリー」の集大成となった隠れた名作。こっそり新作ヅラしながら一般文芸としてしれっと出版したら普通にヒットするんじゃないかなー、とすら思う。それくらい世界観が完成されており、ストリートの描写がとにかく美しい。 「遠くを見ようとすればすぐ近くが目に入らなくなる。星を見上げていれば道ばたの石ころには気づかなくなる。僕らひとりひとりが気に掛けていられる範囲はあまりにも狭く、限定的で、だから僕らは野良猫どうし街の片隅に集まって、お互いにまるで関心がないようなそぶりをしながら、肩を寄せ合っている。だれかが僕のために泣いて、僕はだれかのために歌っている。たぶんそんなつながりが万も億も重なって、街とか国とかをつくっているのだろう。複雑なものの実際は単純で、単純なものの正体は複雑なのだ。一滴の水だって数え切れないほどの分子の集まりだし、地球だって火星あたりから眺めれば一粒の涙にしか見えないのだから。」 (p.218)  この文章が好きすぎて何度か写経した覚えがあります。今もたまにします。
  • 2026年2月5日
    ふとんやまトンネル
    ふとんやまトンネル
    ・「布団の中を潜っていくといつの間にか別の場所に出てしまう」という設定をなぜか強烈に覚えていて、どういう結末だったのかを知りたくて取り寄せました。 ・読んでみて気付いたのですが脚本の那須正幹さんって『ズッコケ三人組』シリーズの作者だったんですね。そりゃ設定が秀逸なわけだ。
  • 2026年2月5日
    たったひとつの冴えたやりかた
    たったひとつの冴えたやりかた
    ・今のところ一番好きな海外小説です。もちろん表題の「たったひとつの冴えたやりかた」がです。世の中にはどうしても避けられない不幸な出来事がたくさんあって、その中で自身の美学を失わず、「死」すらも乗り越える2つの生命体の美しさを見事に描き切った名作だと思いました。  英題は『THE STARRY RIFT』であり、『たったひとつの冴えたやり方』というタイトルは本文から引用して翻訳したもの。「冴」だけ漢字というのがとても良い。小説のタイトルとしてもトップクラスに好きかもしれない。 ・「衝突」は海外小説の翻訳でありながらバンバン造語が飛び出してくるSF小説という超絶読み難い要素がてんこ盛りの内容ではありますが、第一次世界大戦のきっかけとなった「サラエボ事件」を神回避したイフ世界を見ているような非常に秀逸な内容となっていてめちゃくちゃ面白いです。切ない物語を書かせたらこの人の右に出るものはいないんじゃないかと思わざるを得ない大傑作です。
  • 2026年1月9日
    夜は短し歩けよ乙女
    ・「オモチロイ」や「なのかしらん」などの独特な言葉遣いや感性を持っている女子大生の少女と、その先輩である小難しい言葉を並べる男子大学生が文通のような形で記憶を辿っていくかのように4編の物語によって徐々に惹かれ合っていく様子が小気味よく紡がれている。 ・京都を舞台に毎話、少しのファンタジー要素が密接に絡んでくるのが特徴。しかしあくまで現代がベースになっており、ファンタジー部分は物語を盛り上げるための舞台装置として留まっている印象。  会話の面白いカップルの会話を喫茶店で盗み聞いているかのような、2人のキャラクターさえ許容できれば不快感のない、読んでいて非常に楽しい物語だった。 (情景描写がイカつかった。ちょっと多すぎるくらいかも)
  • 2026年1月9日
    人間失格
    人間失格
    ・人間、失格。無論、とんでもない文章力で人が廃人となっていく様(実話ベース?)をリアルに描かれているが、これともう1作を最期に太宰が自死をしている点でこの作品の格というものが1つ上がっている。そりゃ計らずとも文豪の全人生が乗っかった生き様小説にはこの世の全創作物が太刀打ちできるわけがない。 ・人間が廃人となっていく様を完璧に描き切った超名作であり、はしがきとあとがきの使い方も現代に活きているオシャレなものだった。ページ数もそこまで多くなく、ページ数から考えて約5万字くらいだと思うが、このテーマでこの文量を書くのは凄く難しいことのように思う。  だけど初めて読んだはずなのに初めて読んだ気が一切しなかったのは、この本に影響を受けた様々なクリエイターの創作物によって知らず知らずのうちに自分が多大な影響を多分に受けていたからだと思う。現代の漫才師は「ダウンタウン」の影響を多分に受けていて、その影響下の漫才を散々見た後に当時は画期的であったはずのダウンタウンの漫才を見ても新鮮には感じられない現象と似ている気がした。 ・絶対これ晩年に書いたやつじゃんと思ったら当たってた。遺書じゃん。
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