

雨氷
@supercooling
複数の本を並行して毎日ちまちまと読む
- 2025年6月14日Another綾辻行人読み終わった✔︎「〈死者〉=ミステリ小説でいうところの『犯人』にあたる存在」が誰か、謎解きシーンまでわからなかった。推理の根拠として挙げられている描写を理由に別の登場人物を疑った瞬間はあったけれど、大前提の部分が盲点だったというか……。
- 2025年6月12日きみはメタルギアソリッド5:ファントムペインをプレイするジャミル・ジャン・コチャイ,矢倉喬士まだ読んでる✔︎「差出人に返送」を読み終える ✍️彼女はドアの方へ駆け出すと、廊下に、マットの上に、また小さなダンボール箱を見つけた。今度は耳だった。片方だけの耳。指のときと同じく、きれいな切断面で、外科手術を受けたみたいで、 最初は動かなかったけれど、アミナが肉屋の包み紙(ブッチャー・ペーパー)に包まれたその耳を拾い上げて口もとに近づけ、 「あなたの残りはどこにいるの?」とささやくと、彼女の手のひらで耳が脈打ったように感じられた。(pp.32-33) ✍️一緒に、肉と肉を、刺しては縫って、裂いては結びつけて、そうするうちにアミナとユスフの二人は、ある考えに達するのだった。この先彼らは二度とカブールを離れることはないだろうと。ここが彼らの家なのだと。(p.42)
- 2025年6月10日怠惰への讃歌バートランド・ラッセル,堀秀彦まだ読んでる✔︎「第一章 怠惰への讃歌」を読み終える ✍️ 農夫のダンスは、辺鄙な片田舎以外では姿を消してしまったが、このダンスを修めたいという気を起した衝動は、今なお人間の本性にあるに違いない。都会人の快楽は、おおむね受け身になった。即ち映画を見ること、フットボールの試合見物、ラジオの聴取等がみなそうである。こうなったのは、都会人の積極的な精力(エネルギー)がすっかり仕事に吸いとられている事実の結果である。だがもし都会人にもっとひまな時間があるなら、自分で積極的な役割を演ずる快楽を昔のように味わえるであろう。 (p.29)
- 2025年6月10日きみはメタルギアソリッド5:ファントムペインをプレイするジャミル・ジャン・コチャイ,矢倉喬士まだ読んでる✔︎「きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする」を読み終える ーーーーーーーーーー ✍️ 父さんは色黒でがっしりしていて、きみとは全然似ていなかったから、小さい頃のきみは、いつかハグリッドがやってきて、お前さんは「穢れた血」の生まれだと教えてくれて、そこから本当の人生が、つまり、父さんの人生の痛みとか罪とか絶望とか無力感とか裁判とか恥辱とか、そういうものの重みに縛られない本当の人生が始まるんだと思っていた。(pp.11-12) ✍️ きみは愛国者ではなく、民族主義者でもなく、帽子(パコル)とカミーズを身に着けて歩き回り、民族楽器のタブラを叩き、お気に入りの歌手はアフマド・ザヒールと答えるようなアフガニスタン人の一員でもないわけだが、ゲーム史上で一番の伝説となり、芸術の観点からしても重要なシリーズ最後の舞台が一九八○年代のアフガニスタンときたものだから、いざそれを手にするきみはいっそうワクワクしていて、それもそのはず、きみは長いこと『コール オブ デューティ』(一人称視点のシューティングゲームの一つ)でアフガン人たちを撃ち殺してきたわけで、父さんによく似た顔の軍人たちが次から次へと襲い来るのを初めて虐殺したときには自己嫌悪にも陥ったけど、今では不思議と免疫がついてしまった。(p.13) 💭ハグリッドのくだりは正直おもしろいと思ってしまった(私も11歳になったらホグワーツに行けると期待していた時期があったので)が、私たち(どこまで含むのか曖昧な言葉!)が普段触れる「世界で人気のエンタメ作品」の多くは西側諸国の考え方を基盤に作られており、でも西側諸国の筆頭であるアメリカにも異なる文化圏から来た人が暮らしており、「世界で人気のエンタメ作品」を楽しんでおり、でもそこには自分と作り手の差異を感じるような表現も含まれており、逃げ切れるものではないのだろうと思う。私(これは他の誰でもない自分自身のこと)だって、不意打ちのように作り手との差異を気づかされることはあるし、そもそもこの本を読むこと自体がそういう体験になっている。 ーーーーーーーーーー ✍️夜、闇にまぎれてきみは父さんの屋敷へと潜入(スニーク)して、十五フィートの土壁をよじ登って屋根の上を這って進み、屋敷の一番高い位置に到着すると、そこでは父さんが戦闘機や爆撃に備える警戒任務にあたっていて、その背中にきみは麻酔銃を二発撃ち、父さんが気絶して倒れていくところを両手で抱きとめて、父さんを、といってもこの場合は今のきみと同い年くらいなわけだけど、闇の中で、この戦争でこれから失われることになる屋敷の屋根の上で、きみは父さんを抱きしめて、その体はまだ強くて元気で、心も壊れていないのを感じながら、そっと静かに寝かせてあげる。空に飲み込まれてしまわないように。(p.12) 💭「ファントムペイン」とは「幻肢痛(すでに切断された手や足がまだあるように思われ、痛みを感じる状態※)」のことだから、父の故郷であるアフガニスタンのマップをゲーム内で進めながら、喪われた痛みを追体験する物語を描いたのかな。 ※デジタル大辞林(小学館)より
- 2025年6月7日きみはメタルギアソリッド5:ファントムペインをプレイするジャミル・ジャン・コチャイ,矢倉喬士読み始めた
- 2025年6月6日海のふたよしもとばなな読み終わった読み始めた✍️実はいろんなことってそんなに確かなものじゃない、っていうことに気づいたら苦しすぎるから、あんまり考えないでいられるように、神様は私たちをぼうっとさせる程度の年月はもつような体に作ってくれたのだろうか。(p.74)
- 2025年6月6日キッチン吉本ばなな読み終わった
- 2025年6月5日キッチン吉本ばなな読み始めた
- 2025年5月29日怠惰への讃歌バートランド・ラッセル,堀秀彦読み始めた
- 2025年5月29日九月と七月の姉妹デイジー・ジョンソン,市田泉読み始めた
- 2025年5月4日Another綾辻行人読み始めた積読を読む
- 2025年5月1日絞首商會夕木春央読み終わった✍️「――義憤というのは性欲みたいなものです。身内でもない見知らぬ赤の他人が殺されてそれは許せんと憤るのは、自分の妻でもない人に欲情しているみたいなもので、みっとも良いことではない。それでもいい歳した親爺さんたちが料亭で女給の品定めをやるみたいに、世間のあれはけしからんこれもけしからんとか噂するのを美徳みたいに考えている人が随分います。 それだけなら、趣味が良くないだけで誰の迷惑にもなりませんが、もし、人殺しは許せない、見つけ出してやる、とかいって他人の家に乗り込んでいくのだとしたら、そんなのは人の妻に夜這いをかけると同様大義の立つことではない。 僕はそもそも、義憤などというものを覚えることが殆ど無いのです」(p.133) 💭これがミステリ小説の探偵役のセリフなのがすごいなと思った。
- 2025年4月13日
- 2025年4月12日
- 2025年4月9日絞首商會夕木春央読み始めた
- 2025年3月30日オズの魔法使いライマン・フランク・ボーム,柴田元幸読み始めた
読み込み中...