氷点(下)

17件の記録
- 直線@hrv8k2025年7月11日読み終わった上巻に引き続き。夏枝の自己愛の強さによって正当化される行いの数々、無知で幼かった二十代と比べて年齢とともに粘度を増す執念深さや凄みのようなものが印象的ではあるが、彼女は啓造に比べ驚くほど狭い世界で自身の美貌を評価され生きてきた人物であるので、献身的で愛情深い母親という同時に存在する別の面も相まって、哀れな人物のようにも思う。 清廉潔白であった陽子は、成長するにつれて他者への嫌悪感や嫉妬、猜疑心といった激しい感情を自身にみとめ困惑する。 誰もが羨む理想的な家庭、人物においても、抗いがたい負の感情や劣情が存在し、またどのような人生であっても向き合うべき罪があるのだろうか。 読んでも読んでも、新しい気持ちでまた読んでしまう。
- ずんだき@zundamochi2025年7月10日読んでるもう少しで読み終わるから一旦記録。 いつまでも自分が異性にとって1番でありたい夏枝に呆れるし、北原が送った手紙を陽子から預かってそのまま返さなかった行動に鳥肌立った。 人に平等に与えられるものの例として、時間と答えた陽子と死と考えた啓造は若者と年配者(社会人?)の対比でわかりやすい構造だった。
- 塚田@tsukada2025年7月6日読み終わった愛憎、嫉妬、誤解、勘違い、思い上がり、行き違い、思い込み、、 ここまで人間を描けるのか、 と思ってもう感嘆するしかない。 一番の驚きは、続編があるということ。読むしかない。
- りんご食べたい@k-masahiro92025年3月20日読み終わった宮部みゆきさんのYouTubeから。 読み手からすると、大半の人物が欠点の目立つ好かない人たちという印象ではあるけれども、果たしてそれを指摘できるほど自分の人間性が褒められたものなのかと問われると「はい」とは言えない。愛情と苦悩が入り混じっている。陽子がやはりかわいそうではある。