幸福な食卓

19件の記録
- um@__um__g2025年7月5日読み終わった「そんなときは書店にどうぞ」に載っていた短編の元のお話ということで気になって読んだ一冊。 佐和子の家族や周りの人はちょっとヘンだけど、それぞれ切なさや歪みを抱えているところに凄く人間臭さを感じる。本作ではある大きな出来事で家族の形がどんどん変わっていくのだけれど、「家族」という存在は変わらないし自分で思うより周りに支えられて大切にされて生きてるんだ、と伝えてくれるようなお話だった。 * 佐和子の学級委員の話では佐和子と大浦君がお互いを想い、大浦君がどうにかしてあげたいって気持ちが伝わってきて凄く初々しい気持ちになった。二人がずっと幸せに過ごしてほしいな、と思った矢先の別れにどれほど胸が苦しくなったことか。 佐和子が周りの人の思いやりに触れて少しずつ生活を送れるようになる姿や家族との関わりに少し救われるような気持ちになったけれど、続きの話を読み直すと単純に良かったねとは言えない。それでもきっと佐和子や、寛太郎、大浦君の家族は、きっと大丈夫。悲しみは置いても大浦君への想いを抱きながら周りの思いやりに支えられながら、前を向いて歩いていける。 そう思えることが少しだけ救いなのだと思う。
- mimu📚@mimuaaa09302025年3月7日かつて読んだ不思議な家族の食卓。 淡々と進む話の中での突然の出来事に驚き、涙が止まりませんでした。私がもし佐和子だったら…と思うと立ち直れるのか。同じように誰も何も受け付けたくなくなると思う。 大浦君、私もあなたのこと忘れられそうにありません。 忘れなくていい、想ってていい。 だけど自分を心配している人がいるということを忘れず、辛い時は家族に甘えていい、少しずつ、少しずつ、前を向いて進んでいけたら。 佐和子ちゃんのこれからを応援したいです。
- カキログ Ⓚ@kakilog_2025年3月1日読み終わったかつて読んだ◆印象に残った本文 本当、自転車がだめだなんてばかげてる。屋根も囲いもない自転車で走ると、景色の中に潜りこんでいける。絶対に車より気持ちがいい。街から田舎へ向かう道は、どんどん人気がなくなるけど、その分星も月もくつきりしていくから大丈夫。春は夜の暗さも柔らかく、自転車で走る私をちゃんと見守ってくれる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「うん。父さんは、真剣ささえ捨てることができたら、困難は軽減できたのにって書いてた。その通りだと思う。俺はその方法を使った。だから、二十一歳になってもまだ生きてる」 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 翌日もまた朝がやってきた。本当に不思議だ。どんなにショッキングなことがあっても、日常はきちんと進んでいく。父さんが自殺を失敗した ときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。