ダーウィンの呪い
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euy@euy2026年8月23日読み終わったちょっと難しかったけど(扱ってる問題が難問で、あと、知らん欧米の生物学者の固有名詞がバンバン出てくるので、そんなにカタカナいっぱい出てきても分からんわ!ってなる。余談やが、頻出してたベイトソンがあのダブルバインドのベイトソンの父親って種明かしされて衝撃。)、進化論・優生学の歴史を概観できて、ところどころ著者の熱い思いもにじみ出てて、良い読書体験でした。 優生学がなぜダメなのかってのは、結局読み終わってもよく分からんかった。というか、理屈では説明できないものなんだろうなあ。今の良識ある人たちは優生思想はダメって言うし、ナチスのホロコーストにつながったってことからすると当然アウトでしょって思うけど、パッと説明聞くと、わかりやすくて、(後から振り返るとエセだけど)科学的で、理想的なように見えて、昔の良識ある人たちが優生学に惹かれてた気持ちはよくわかるなとも思う。 この本で散りばめられてたことをまとめると、 ◯遺伝子の作用は複雑。そんなに単純化して説明できないし、人間の思いどおりに扱えるわけない。 ◯というかそもそも、人間にとって、何が善・幸福で、何が悪・不幸であるかなんて、一概に言えないから、勝手にそれを決めてるのがそもそもおかしい。 ◯あと、「何が事実か」ということから、「どうすべきか」っていう結論を導くことはできない。 みたいなことになるんだろうか。 しかし、これだけで、優生学に惹かれてしまう人間を思いとどまらせることはできるんだろうか。難問だ。 最後のほうで、今の課題としてゲノム編集の話が取り上げられてたのも、興味深く読めた。哲学者・倫理学者の視点からではなく、生物学者の視点からの考えを読めておもしろかった。って言っても著者からはかなり人文系っぽい匂いも感じられたけど。この問題も超むずい。そして超むずいって言ってるうちに世の中ではどんどん規制が緩和されてく感もあるのである。


euy@euy2026年5月5日読み始めた「進化学者としては幸せなはずだが、私の心はどうにも晴れない。それどころか、進化という言葉や、淘汰、ダーウィンなど、生物進化に関係した言葉を聞くと憂鬱になり、ストレスを感じる機会が増えた。いや逆だ。ストレスを感じる内容のメッセージには、たいてい進化やダーウィンがらみの言葉が入っているのだ。 例えば文部科学省から送られてきた資料には、こんな文字が並んでいる。「教育進化のための改革ビジョン」「進化する国立大学、大学間に競争的な環境を」。」 www
りら@AnneLilas2026年4月16日読み終わった聴き終わった生物学@ 自宅ダーウィンの進化論そのものの解説ではなく、ダーウィンの同時代とその後の生物学や哲学の分野、ひいては19世紀後半から20世紀前半の慌しく世相が移りゆく社会全体での進化論をめぐる受容史。 ダーウィン以外だとラマルク、ハクスリー以外はほぼ知らない人物名が無数に出てくるので覚えきれず、オーディブルではあくまで聞き流す程度の把握しか出来なかった気がするけど、それでも面白かった。ダーウィンは化石にはさほど興味を示さなかったようだけど、まさにフランシス・ハーディングの『嘘の木』の時代。 優生学がナチスの人種差別やユダヤ人虐殺の正当化に利用されたくだりはさすがに知ってたけれど、母親の立場向上を目指すフェミニストがむしろそれ故に優生学に積極的だったとか、英国の生物学と大日本帝国憲法起草との関わりから渋沢栄一の豪傑振りといった印象的なエピソードが多くて、紙の本でも読み直したい。 オーディブル1.8→2.0倍速。
蔭山@kie_doors2025年12月30日読み終わったダーウィンといえば進化論、ガラパゴス、自然選択…と大変貧しいキーワードしか思い浮かばなかったけど、この本を読んで統計学などの数学分野の発展、優生学の発展からナチスの所業を経ての衰退など、ダーウィンの意思を超えた、もはや「呪い」を受けているとも言える後世の人間の行いの数々を概観できた。

torajiro@torajiro2025年7月15日読み終わったaudibleダーウィンが示したことと社会に流布している進化論的イメージや進化論的比喩の差が大きいかということは吉川浩満『理不尽な進化』でも読んでいたが、ダーウィンの進化論の名の下に「ダーウィンが言っていた」という呪いの言葉でいかに誤った認識が広まり、社会に代償さまざまな悲劇が起こってきたか、その歴史や経緯緻密に構成した内容で良かった。特に後半の優生学については知らなかったことも多かったので読んで本当に良かった。排外主義が拡大したり、生物学遺伝学その他の学問的技術的発展、AIを始めとした他分野の発展など、様々な文脈からいつでも優生学的な論理や帰結に戻ってしまう危険性がとても大きいことがよくわかる。終盤の方「事実(である)から規範(べき)への飛躍があってはならない(「人間は歴史的に常に競争してきた」という事実があったからといって競争すべきと結論付けてはいけないし、「人間は協力行動や利他志向を持っている」が事実だとしてもそこから一足飛びにそうあるべきという規範を導いてはいけない)」は進化学や遺伝学分野のみならず社会のいろいろな場面で注意しなければならないシンプルだけど重要な指摘だと感じる。

モヘンジョ・パロ@mohenjoparo2025年4月11日読み終わった「ダーウィンが言っているから」と大義名分を掲げて人々を扇動することの愚かしさを追求している “ダーウィンはそんなことは言ってない” そして後半の大部分を、優生学を事例に挙げてその批判に割き、筆者の主張が補強されている われわれ人間は、いかに不完全で矛盾に満ちた存在であるかということを認め、その中でおかした過ちを修正していきながら少しずつ、自分たちにとっての善を積み上げていくことを続けていくのみである
オルソル@heiwakinen2025年3月30日かつて読んだダーウィンによる進化論の提唱は自然淘汰や適者生存のビジョンを世に広め、それは格差社会を肯定する根拠となった。しかし、実際は古代ギリシャの時代から同等の思想は存在しており、進化論はそれにお墨付きを与えたに過ぎない。つまり、優生学をはじめとする生物学的進歩の思想は、古来より人間の内にある極めて素朴な差別の原理なのだ。優劣を人間が決定した時点で、それは自然科学ではない。過去、民族を進歩させるために個人を犠牲にした優生学は、現在、親が子に能力を授けたいという個人の自由や権利として、新たな復活の兆しを見せている。





















