中華料理と日本人

18件の記録
- よろこびイサンディ@yorocobi_isandy2025年7月23日読み終わった今回の帰京の際、結構な分量を読み進めることができ、名古屋へと向かう長距離バスの中で読了することができた。 中公新書からの刊行であり、傾向を踏襲しているのか、終章に至るまで著者の主張らしきものはなかった。 それで読みにくいということはなく、個人的な新発見の連続が読了まで引導してくれたと思う。 ルーツの分かる料理であること、ある程度までルーツの想像できる料理であることは、中華料理について知る上でどれだけ貢献しているか、分からない。 極右政党の台頭する時勢にあって、我々の身体を形成する料理の持つ多様性や多国籍性に想いを馳せた時間は意義深いものであった。 帰省した時間に読み進めた本は実家にいる家族へ逐一、アウトプットをすることから記憶に定着し易いという効用を感ずる。 ひとりの読書ではつまらないと思い、翻って独り身である自分の窮状を身につまされた。
- よろこびイサンディ@yorocobi_isandy2025年7月19日読んでる先般、日経新聞の読書欄にて掲載されていたのを観て興味を持ち、購入した経緯がある。 著者の前作にあたる『中国料理の世界史』が高評価を受けていたのを知っていて、著者への興味があったことも購入の一助となった。 途中まで読み進めたが、歴史系の作品に定評のある中公新書に収録された本書は、中華料理と言う切り口から明治以降の歴史を切り取っており、読み応えも十分にある。 夏の暑さに体力を奪われる時期にあって、それでもスルスルと読み進めることができている。 今月中には読み終えたい。
- 辻井凌@nega9_clecle2025年7月12日読み終わった感想日本で中華料理がどのように受け入れられ、広がり、定番となっていったか。それを「帝国主義」から読み解いていく。本当におもしろく、知的興奮を感じながらページをめくった。日本の中華料理は、本場の中国料理とは違う。どうして違いが生じたのかも、各料理ごとに明かされる。 帝国主義は、帝国がなくなってからも続くものだ。「美味しい」や「なつかしい」という気持ちの奥底、僕らの無意識には何が眠っているのか。料理があぶり出す「何か」が本当に興味深い。「遺産」と「歴史」は違うということは、過去と現在を結びつけるときに用心しないといけない。 満洲を中華と切り離す戦前の動きや、戦後に満洲から引き揚げた人々の動きが、今の中華料理につながっている。日本人のことを考えると、結局みな満洲に行き着くのではないか。 北海道民として、ジンギスカンと帝国主義の関わりは知っておかなければいけない話だった。ベル食品や松尾ジンギスカンも登場する。ラーメンが札幌名物になったきっかけも、開拓の街でありながら“お上が作った街”でもある札幌らしい成り立ちである。