愛蔵版 国宝 下 花道篇
25件の記録
ルイス@lou2s2025年12月17日読み終わったこの小説を読むのは、歌舞伎の初心者どころか、その世界にまったく縁のなかった私にとって一つの挑戦だった。以前はただ「歌舞伎」という言葉しか知らなかったが、この作品のおかげで、舞台の仕組みや俳優、楽家など、そしていくつもの演目について知ることができた。喜久雄と俊介――二人が相棒なのか、ライバルなのか、ともかく芸に人生を懸ける姿は眩しいほどで、常人の私には「正気ではない」とすら思える。しかし、その“狂気”があるからこそ、あの高みに到達できるのだと思う。現実の役者たちが芸を極めていく姿にも、自然と敬意が湧いた。物語はテンポよく進み、私は毎日一、二章ずつ難なく読み進めていった。二人の役者の間にいる徳次という人物は、まさに物語を支える欠かせない歯車のような存在だ。彼がいてこそ、喜久雄と俊介の人間模様――女性との関係や家族との関わり――がより鮮やかに描かれる。徳次は実にチャーミングで、私自身とても愛着を覚えたキャラクターだった。終盤、彼が白河を立てて日本に戻った一方で、すでに「見たい景色を見尽くした」として満ち足りて去った喜久雄にもう会えないという切なさ、そして静かな悲しみが胸に残る。解説も興味深く、歌舞伎という芸と物語そのものをここまで深く結びつけた発想に、心から感心した。

- june@june2025年10月14日読み終わった借りた・三日四日くらいで上下読み終えてしまった ・映画から見たので脚本家がカット、脚色した部分に注目したり ・主人公はどれだけ美形なのか ・女たちが良い
岡本悠@oka_tfc82025年9月30日映画との違いはより後編の方が如実に現れたという印象。 ラストに向かっていく中で喜久雄の歌舞伎への姿勢が狂気的になっていくのだが、そこのイメージがし辛くて、ちょっともやもやした。 なんか、いきなり狂気じみだすといえば良いのか難しいんですけど。 もう少し歌舞伎に対する想いみたいなところを描いてくれた方がより感情移入できたのかなと思いました。
azul@senora882025年9月16日映画だと春江がなぜ、俊坊と出奔したのか謎だったけど、下巻で納得。 喜久雄は優しくしてくれていたけれど、自分を大事にはしてくれない人だった。そして絶対に同じところを向いて行かれない人だとわかった寂しさがあったんだな。 喜久雄の置かれた状況も、映画とはちがう辛さだった。俊坊が発見される芝居小屋の設定は面白い。そして自分はボンボンとして生まれ育ったのに、我が子は貧乏な木賃宿のようなアパートで死んでいく。その怒号が行間から溢れるようだった。 そこまでして落ちて、それでも役者になっていくとは修羅しかない。 喜久雄もまた、修羅しかない。 私は最後、喜久雄は我にかえりまたとぼとぼと歌舞伎座にもどると思った。 魂を売り渡しても芸の道しかない喜久雄。この世の幸せはなにも手にできない。幻のような雪の中で、喜久雄は演じるしかなかったのだと思う。
sy@yo-mu-sa2025年7月25日読み終わった上と同様、止まらなくなって一気に読んだ。 そして読み終えた後は、惜しくて何度も手に取って読んだ。 最終的に映画館へ。 原作を読んでいたからこそ感じた気持ちがいっぱい。 本当に素敵な作品だった。

















