エッシャー完全解読

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- りなっこ@rinakko2025年3月27日読み終わった頗る面白かった! だまし絵は不自然に見えてはならない(それでは騙してないw)。線遠近法を厳守したエッシャーが、一見存在するようで絶対にあり得ない「不可能建築」三部作を描けたのは何故か。そこには巧妙に隠蔽されたトリックの存在があった。 秩序と論理を重視し、遠近法に拘り続けることでその弱点まで知り尽くしたエッシャーだからこそ描けた、見事な作品の数々(と、その謎の数々) エッシャーは名声を得た後も、自分の作品が理解されていないと感じていたそうだ。こんな風に誰かに踏み入って欲しかったのだろうか、彼の《孤独の庭園》に。
- たなぱんだ@tanapanda2024年12月22日読み終わった感想「無限階段」とかで有名なエッシャーの絵は、なぜパッと見で自然な絵に見えるのか? その謎に迫った一冊。 ペンローズの三角形などの立体錯視と違い、エッシャーの作品は「パッと見のリアルさ」と「注視した時の違和感」が絶妙なバランスで共存している。実はシンプルな立体錯視で両者を共存させようとしても不可能らしい。この本は、エッシャーが自身の作品に仕掛けた様々なトリックを丁寧に解き明かしている。 読んでいくと、絵に描かれたすべての要素が「答え」に繋がっており、エッシャーの計算高さに驚かされる。まるでリアル脱出ゲームの解説を聞いているような爽快感。エッシャーの絵を「ただの騙し絵」と思っていたら、間違いなく度肝を抜かれるはず。 図解が豊富で文章もわかりやすく、みすず書房らしからぬ手軽さ。どこかの新書レーベルで出版されてても不思議じゃない。事前知識も不要で、美術書に馴染みがなくてもスラスラ読めるので、色んな人に読んで欲しい。