いくつもの武蔵野へ 郊外の記憶と物語

4件の記録
- むこうやま@65yama_kana2025年11月13日買った4章が野川、5章がハケの時点で「わたしが買わずにいったい誰が買うんだ…………」と衝動買いしてしまった。「野川は暴れ川であった」の記述でこんなにアツく盛り上がる読者はほかにいないであろう。 追記:野川に都市計画道路を通そうとしている東京都は本当に大アホ、絶対にゆるさない

- 糸太@itota-tboyt52025年11月10日読み終わった土地の凹凸はどうしてこんなにも心を湧き立たせるのだろう。足の裏からダイレクトに伝わる刺激が、目の前に広がる景色を後退させ、その土地のもう一つの姿を浮かび上がらせてくれる。 この本が見せてくれるのは、そんな遠い昔でもない「武蔵野」である。何世代か遡るだけなのに、とんだ異世界が広がっている。でもその場所は、不思議と居心地がよかった。 本文中には武蔵野を描いた文学作品が多く紹介される。さまざまな角度からの描写に触れるたび、その景色を知っているような気さえしてくる。 このあり得ない既視感のなかに、なぜか居心地のよさが潜んでいる。 光の歴史だけではなく、闇があってもなお。 人間が自然とのあわいに生きてきた記憶は、案外、いろんな所に転がっているのかもしれない。 祖父母のちょっとした仕草や神社の大木の根元に生える雑草とか、または、いま踏みしめている土地の凹凸にも。

