研修生

14件の記録
きなこ@kinako20252025年12月19日読み終わったおもしろかったp67 「たわいもない会話でも、言葉を交わすことで人間に触れた感触があった。表現したいことがあってそれを伝えるというよりは、言葉で空気をふるわして、その振動が相手に伝わることで、同じ空間に存在しているという実感が持てるのだった。」 p78「市民図書館は文字というおいしい食べ物に溢れていたが、命を落とす危険は少ない場所であるように思えた。」 508ページの長編小説。 作者を彷彿とさせる主人公が、1980年代にドイツのハンブルクの書籍取次会社で研修生として働き始める夏から冬にかけての物語。 初々しい研修生の、慣れない職場で出会う人々や町で出会った人々との交流やいざこざなどが日常生活と共に書き込まれていて、読むほどに読者の私も当時のハンブルクの町に放り込まれ、主人公を眺めながら暮らしている気分になる。 言葉に関心の高い作者らしく、ドイツ語や日本語から想起するイメージを膨らませていて読んでいて楽しい。







Michika@0610shun2025年11月27日主人公の文字や言葉、 目に映る景色に対する感度が高くて 自分では気づきもしない視点で世界を楽しめる。 ドイツの書籍輸出取次会社の 研修生として働く様子が 淡々と綴られていくけど、 外国で働き生活することの心細さ、 それでも積極的にに人と交わっていこうとする姿勢も描かれている。 その中から言葉や何かを書くことへの 切実な思いが募っていく様子が感じられて 多和田葉子さんの物語を堪能しているという感じ! カフカ、漱石、チェーホフ、森鴎外など たくさんの文学作品がいろいろな場面で引き合いに出てくるのが印象的。 本好きにとって本にまつわる記憶は、 どこへ行っても自分から離れない拠り所にもなり得ると思えた。





















