

うら
@11
亀のようなのろさで読書。
旅行、映画、気になったニュース……本を読むきっかけは生活の延長線上にあることが多いので、流行りには疎いです。
- 2025年4月16日門夏目漱石読み終わった好き前期三部作の中で一番好き。 慎ましく暮らす夫婦の日常に、貧しさや子のできない虚しさが見え隠れする。どんな時も互いを真に想い合う夫婦の絆は美しいが、それでも性差や社会的な役割の違いからか分かり合えない感情も在るのがまた切ない。 最後に、御米がやっときた春を嬉しがる一方でまたすぐ冬が来るのだと下を向く宗助の描写から、同じ罪の意識を持ちながらも完全に心が通じ合うことはないのだという虚しさと、過去の罪からは逃れられないという事実の残酷さが見えたように思う。 他の二作品よりも登場人物の心情が複雑で深みがあるからか、はたまた自分の未来のように見えてしまったからか、物語に引き込まれた。 御米が健気でいじらしくて可愛い。幸せになっておくれ。
- 2025年3月21日ABC殺人事件アガサ・クリスティ,深町眞理子読み終わったひと癖もふた癖もあるトリックで面白い。 けれど起こる事件は全て事後報告、異国感のないイギリスの情景描写ばかりが続くので、その点はやはりオリエント急行やメソポタミア殺人事件のほうが読む楽しさがあった。 訳が良かった。言葉選びが美しい。
- 2025年1月6日英語で読む百人一首ピーター・J・マクミラン読み終わった好き百人一首すべてを、三十一文字に英訳した力作。それぞれの歌への理解も深く、また翻訳も自然で、和歌のリズムも崩さない。素晴らしい。 例えば、在原行平の「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む」の「まつ(松、待つ)」の掛け言葉を「Pain(松、痛み)」に置き換えて「待つことによる胸の痛み」と訳すなど、言葉の壁を超えた技巧が随所にある。ずっと手元に置いておきたい。
- 2024年6月3日カラマーゾフの兄弟1ドストエフスキー,亀山郁夫読み終わった再読予定滅多なことでは再読しない主義の読書家が、繰り返し読んでいるようだったので全巻読んでみた。 しかし、私の中での洋書あるある:登場人物の感情の起伏についていけない が発動して上手く読めず。 時間をあけて再トライしたい。
- 2024年5月13日
- 2024年4月29日メソポタミヤの殺人〔新訳版〕アガサ・クリスティー,田村義進読み終わった好き個人的に思うクリスティの良さは、その斬新なトリックももちろんだが、何より異国の情景描写が巧みで美しいこと。 本書は、自身も土ぼこりの舞う遺跡発掘現場にいるかのような臨場感で読み進められる。本当に楽しい。
- 2024年4月21日
- 2024年3月30日
- 2024年3月16日それから夏目漱石読み終わった静かな夜に畳へ落ちる椿の赤、一定のリズムで正常に脈打つ血の赤の描写から始まって、親兄弟に勘当されたラストは郵便ポストの赤に傘の赤、車の赤にと町中の赤が主人公を揺さぶってくるシーンで終わる。 世間知らずでボンボンな主人公:代助なりの正義でもって愛を貫こうとしたわけだが、時代の流れや社会通念の前では非力だった。 どんな恋愛や結婚が幸せなんでしょうね。
- 2024年2月9日魔法カート・セリグマン,平田寛,澤井繁男読み終わった
- 2023年12月31日エターナル・マインド: 果てなき世界キャロル・マタス,ペリー・ノーデルマン,金原瑞人読み終わった小学生の時に途中まで追っていた続きものを、二十年越しに読んだ。 お約束のようなキラキラ装丁で童心にかえりまくり。これでようやく完結。
- 2023年12月17日マーヴェラス・マインド: 光輝く闇キャロル・マタス,ペリー・ノーデルマン,金原瑞人読み終わった小学生の時に途中まで追っていた続きものを、二十年越しに読んだ。 お約束のようなキラキラ装丁で童心にかえりまくり。
- 2023年11月8日
- 2023年10月24日歌に私は泣くだらう永田和宏読み終わった歌人夫婦の、短歌を交えた闘病記……というか愛そのものを見せつけられた感じ。 この夫婦の間のことに、外野が口を出すのは無粋だと思ってしまったので何も言えない。 本書を読んで、私の好きな歌は死の前日に詠まれたものだと知った。歌に対する河野裕子氏の情熱にただ驚かされる。
- 2023年10月18日新版 古事記 現代語訳付き中村啓信読み終わった高千穂旅行の前に。 一冊で原文、訓読文、現代語訳が揃っているのが有難い。再読。 イザナギの神話やスサノヲの伝説あたりは各国の昔話とベースが似ているらしい。日本人の起源や当時の交流が垣間見えそうで面白い。
- 2023年9月9日三四郎夏目漱石読み終わった後の二作を読むため再読。中学生当時は美禰子のことを「何だこの女」と思っていたが、今読むと面白い。 冒頭の「あなたは余っ程度胸のない方ですね」の衝撃を引きずりながら話が展開することで後々の恋愛模様が際立つと思う。 思わせぶりな美彌子と彼女に振り回される男達の描写が、明治の時代を超えて今でも瑞々しく光る。
- 2023年8月12日第七師団と戦争の時代渡辺浩平読み終わった引用元に歴史小説も多く、どうしても論拠が弱く感じられた。けれどロシアのシベリア進出から第二次世界大戦終戦後まで北に絞った歴史のなぞり方は、私にとっては新鮮で良かった。 私は尾と月と鶴が好きです。(ミーハー読書)
- 2023年7月9日
- 2023年5月30日わが闘争(上)アドルフ・ヒトラー再読予定挫折当時の世界情勢に対する私の知識不足、物書きでない人間が書いた文章、ユダヤ人のこととなると急に飛躍するヒトラーの論理。 これらが積み重なって挫折した。知識をつけて出直したい。
- 2023年5月24日高慢と偏見ジェイン・オースティン読み終わった好き理想の結婚とは。 地味な題材とスケールなのに、人物の感情の変化が上手く練られているのですっかり引き込まれる。当時の英国の街並みと緑の描写も心地良い。 けれどもこんな素敵な結婚が現実にあるかいなと思ってしまうね。生涯独身だった作者の人生が物語っていないか。それが不幸かはさておき。 いくつか読んだけれど、この翻訳が一番お気に入り。
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