

うら
@11
亀のようなのろさで読書。
旅行、映画、気になったニュース……本を読むきっかけは生活の延長線上にあることが多いので、流行りには疎いです。
- 2025年9月23日スタイルズ荘の怪事件アガサ・クリスティ,矢沢聖子読み終わった記念すべきポアロのデビュー作。後の作品と比べると、この時のポアロの感情表現の豊かさが新鮮に映る。 語り手・ヘイスティングズの的外れな推理や言動にツッコミを入れつつも、次々に覆されていく展開には読み手の私たちも驚かされることと思う。
- 2025年9月5日ナイルに死す〔新訳版〕アガサ・クリスティー,黒原敏行読み終わったクリスティー作品の中では、わりと真犯人に辿り着きやすいかもしれない。 中近東地域の異国情緒は本書も健在。場所を移しながら物語が展開するので一緒に旅行しているような気分になる。 なんてことない人物描写の数々は、読み進めるうちに大事な伏線であったことに気づく。それが楽しい。再度読み直すとまた違った気づきがありそう。 犯罪者側の事情を汲んで罪を有耶無耶にしたり、他人の自殺を止めなかったりと、名探偵コナンに親しんできた私からすれば「良いの!?」と思ってしまう言動が本書に限らずポアロにはあるが、 そもそも人生一度きり、他人の生き様にどこまで首を突っ込むのが正しいのか?と考えさせられた……(?)
- 2025年7月18日奥州藤原氏高橋崇読み終わった岩手旅行に向けて、高橋富雄氏の『奥州藤原氏』と読み比べた。 あまり時間を確保できなかったのでどちらもサラッと撫でるように読んでしまったが、奥州藤原氏のルーツの考え方に違いがあったり、永福寺建立の目的の見解が分かれていたりと違いが興味深かった。 当時の歴史書や軍記物語などを用いた説明が多く、原文にあたれるのが嬉しい。 ただし高橋富雄氏の著書のほうが20年以上も新しいため、そちらの方が研究が進んでいるものと思われる。
- 2025年7月18日奥州藤原氏高橋富雄読み終わった岩手旅行に向けて、高橋崇氏の『奥州藤原氏』と読み比べた。 あまり時間を確保できなかったのでどちらもサラッと撫でるように読んでしまったが、奥州藤原氏のルーツの考え方に違いがあったり、永福寺建立の目的の見解が分かれていたりと違いが興味深かった。 高橋崇氏の著書は平安や鎌倉時代の書物の原文を引いて説明することが多かったが、本書はそれらを根拠にしつつも常に噛み砕いて説明してくれるので読みやすくはあった。個人的には原文も示してくれる方が好みではある。 ただし本書のほうが20年以上も新しく、研究も進んでいるのだと思われる。
- 2025年4月16日門夏目漱石読み終わった好き前期三部作の中で一番好き。 慎ましく暮らす夫婦の日常に、貧しさや子のできない虚しさが見え隠れする。どんな時も互いを真に想い合う夫婦の絆は美しいが、それでも性差や社会的な役割の違いからか分かり合えない感情も在るのがまた切ない。 最後に、御米がやっときた春を嬉しがる一方でまたすぐ冬が来るのだと下を向く宗助の描写から、同じ罪の意識を持ちながらも完全に心が通じ合うことはないのだという虚しさと、過去の罪からは逃れられないという事実の残酷さが見えたように思う。 他の二作品よりも登場人物の心情が複雑で深みがあるからか、はたまた自分の未来のように見えてしまったからか、物語に引き込まれた。 御米が健気でいじらしくて可愛い。幸せになっておくれ。
- 2025年3月21日ABC殺人事件アガサ・クリスティ,深町眞理子読み終わったひと癖もふた癖もあるトリックで面白い。 けれど起こる事件は全て事後報告、異国感のないイギリスの情景描写ばかりが続くので、その点はやはりオリエント急行やメソポタミア殺人事件のほうが読む楽しさがあった。 訳が良かった。言葉選びが美しい。
- 2025年1月6日英語で読む百人一首ピーター・J・マクミラン読み終わった好き百人一首すべてを、三十一文字に英訳した力作。それぞれの歌への理解も深く、また翻訳も自然で、和歌のリズムも崩さない。素晴らしい。 例えば、在原行平の「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む」の「まつ(松、待つ)」の掛け言葉を「Pain(松、痛み)」に置き換えて「待つことによる胸の痛み」と訳すなど、言葉の壁を超えた技巧が随所にある。ずっと手元に置いておきたい。
- 2024年6月3日カラマーゾフの兄弟1ドストエフスキー,亀山郁夫読み終わった再読予定滅多なことでは再読しない主義の読書家が、繰り返し読んでいるようだったので全巻読んでみた。 しかし、私の中での洋書あるある:登場人物の感情の起伏についていけない が発動して上手く読めず。 時間をあけて再トライしたい。
- 2024年5月13日
- 2024年4月29日メソポタミヤの殺人〔新訳版〕アガサ・クリスティー,田村義進読み終わった好き個人的に思うクリスティの良さは、その斬新なトリックももちろんだが、何より異国の情景描写が巧みで美しいこと。 本書は、自身も土ぼこりの舞う遺跡発掘現場にいるかのような臨場感で読み進められる。本当に楽しい。
- 2024年4月21日
- 2024年3月30日
- 2024年3月16日それから夏目漱石読み終わった静かな夜に畳へ落ちる椿の赤、一定のリズムで正常に脈打つ血の赤の描写から始まって、親兄弟に勘当されたラストは郵便ポストの赤に傘の赤、車の赤にと町中の赤が主人公を揺さぶってくるシーンで終わる。 世間知らずでボンボンな主人公:代助なりの正義でもって愛を貫こうとしたわけだが、時代の流れや社会通念の前では非力だった。 どんな恋愛や結婚が幸せなんでしょうね。
- 2024年2月9日
- 2024年2月9日魔法カート・セリグマン,平田寛,澤井繁男読み終わった
- 2023年12月31日エターナル・マインド: 果てなき世界キャロル・マタス,ペリー・ノーデルマン,金原瑞人読み終わった小学生の時に途中まで追っていた続きものを、二十年越しに読んだ。 お約束のようなキラキラ装丁で童心にかえりまくり。これでようやく完結。
- 2023年12月17日マーヴェラス・マインド: 光輝く闇キャロル・マタス,ペリー・ノーデルマン,金原瑞人読み終わった小学生の時に途中まで追っていた続きものを、二十年越しに読んだ。 お約束のようなキラキラ装丁で童心にかえりまくり。
- 2023年11月8日
- 2023年10月24日歌に私は泣くだらう永田和宏読み終わった歌人夫婦の、短歌を交えた闘病記……というか愛そのものを見せつけられた感じ。 この夫婦の間のことに、外野が口を出すのは無粋だと思ってしまったので何も言えない。 本書を読んで、私の好きな歌は死の前日に詠まれたものだと知った。歌に対する河野裕子氏の情熱にただ驚かされる。
- 2023年10月18日新版 古事記 現代語訳付き中村啓信読み終わった高千穂旅行の前に。 一冊で原文、訓読文、現代語訳が揃っているのが有難い。再読。 イザナギの神話やスサノヲの伝説あたりは各国の昔話とベースが似ているらしい。日本人の起源や当時の交流が垣間見えそうで面白い。
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