石川
@KEN0225
- 2026年5月26日
失はれる物語乙一,青柳奈美読み終わった微ホラーかつビターエンド多めの短編集という印象。表題の失はれる物語は著者の作家性が最も発揮されており、底なしの絶望感に対する小さな希望、その小さな希望さえ脆く、いつなくなってしまうかもわからないひどくか細いものであり、決して劇的にではなくさらっとなくなってしまう。ちょっとモヤモヤが残る読後感が逆にクセになるような感じ。 - 2026年5月26日
イン・ザ・メガチャーチ朝井リョウ読み終わった義務を共有する、できる仲間が現代人には必要で、その構造を見抜いたものによる搾取体制の形成とメタ認知によってそういった体制を理解しながらも陶酔を選ぶ大衆。現代日本の資本主義と視野狭窄という一種の宗教の融合によって生じる推し活という文化を、クリエイター目線と消費者目線の両方から紐解く、まさしく現代最大の風刺エンタメ - 2026年5月8日
手紙東野圭吾読み終わった終わり方がかなり衝撃的だった。直貴の兄に対する思いが、彼の苦しみに溢れた人生を積み重ねるごとにだんだん変化していく中でも、最後まで兄を思って彼を恨まないよう心を保てたのはあまりに優しすぎると思う。自分なら夢も恋も奪われてなお彼を恨まずにはいられないはずだ。 - 2026年4月27日
沈黙遠藤周作読み終わった自身の信仰がもしかしたら間違っていないか、仮に間違っていたとしたなら自分の人生とは何だったのかというテーマが心を抉る。本作ではキリスト教がその哲学を問うために用いられているが、テーマを自分の好きなものや信じているものに入れ替えて考えると、本作での体験を投影しつつ、自身の信仰対象の真価を改めて考えるきっかけとなった。 - 2026年4月7日
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーブレイディみかこ読み終わった著者と彼女の息子さんの体験を通じて英国社会における格差や人種問題をリアリティを帯びた形で理解できた。シンパシーとエンパシーの話が非常に印象的で、SNSではシンパシーのみが一人歩きし、誰かが可哀想だからその誰かを傷つけた人を攻撃するという構図になることが多いが、傷つけた側に対してのエンパシーがもっと必要なのでは?と思う。また息子さんと彼女の祖父の仲がとても良いというお話も好きで、あくまで言語はコミュニケーションを円滑にする手段であり、アイコンタクトやボディランゲージ、表情など原初的な手段がむしろ人を強く結びつけるのかもしれない。全体を通して息子さんが中学生とは思えないほど思慮深く、聡明である一方、親と一緒にいるところを見られたくないといった年相応な一面もあるところがとても可愛げがあって、読んでいて愉快だった。 - 2026年3月30日
舟を編む三浦しをん読み終わったよかった。辞書を完成させ、さらに改訂をもって様々な人達と育んでいく、たくさんの想いが集まって1つの書としてまとまっていく過程がとてもドラマチック。特に好きなのがキャラクターごとの語釈の差異の描写。馬締は精緻かつ違和感のない整った文章になることに重きを置いているのに対し、西岡や岸辺は自身の価値観を反映させた上で、手に取る読者がどう感じるかを重視しているのが各々の人間性を表す描写としていい。加えて辞書に対してはなんとなく機械的でとっかかりのない印象だったが、このように人によって言葉の捉え方が異なり、どうすれば皆んなが納得できる、過不足のない説明になるか編纂者が常に頭をひねらしている事実があることで、幼少期に見てきた語釈にもはや愛おしさすら覚える。 - 2026年3月26日
13階段高野和明読み終わった法律の描写が濃密に描かれており、やや難解な制度やルールがあって読み解くのが難しい部分もあったがそれを踏まえてもドラマのある、作者の抱える法の不完全性に対する疑問や警鐘、元受刑者に対する社会の風当たりの強さ、彼らの改悛という言葉の曖昧さによって生じる防げたかもしれない悲劇等語り尽くせないほど様々なテーマを感じられる素晴らしい作品。 三上の秘密はそんなに引っ張る事?と思っていたが、最後の三上の独白があったからこそ法律の欠陥という本作の重大なテーマを最後に強く刻みつけるいいオチになったと思った。 - 2026年3月20日
- 2026年3月18日
- 2026年3月18日
- 2026年3月18日
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