殺人出産

70件の記録
- rep@toponder_r2025年8月24日読み終わった心に残る一節“大きな時の中で世界はグラデーションしていて、対極に思えても二つの色彩は繫がってる。だから、今、立っている世界の『正常』が、一瞬の蜃気楼に感じるんです” ------------------ その世界での“当たり前”や“変わりつつある新しい価値観”で生きる主人公たちが描かれていて、周りとのコミュニケーションを通して価値観が揺れ、なぜそんなことを考えるのか?と迷いが生じることもある。その矛先が、今読者側の私たちの“当たり前の価値観”であるというのが面白く感じた。
- Kadoma@Enchin20112025年8月16日読み終わった怖い相変わらず読んだあとにゾッとする内容。 最初の「殺人出産」の章が一番怖かった。 産み人にはなって10人産めば1人殺してもいいと言う新しい少子化対策用のシステム。新しい世界についていけなかった人達にとってそれがどれだけ残酷かが描写される。そして世代が変わるにつれ、どんどんそれが常識になっていくのが恐ろしい。 今の常識なんてものは簡単に変わりうることを思い知らされた。 2日で読了⏳
- ゴトウ@ptk5102025年8月14日読み終わった正義と常識がだんだんスイッチしていく時の感覚、現実にもぼんやりあるよなーと妙に納得した。 漠然と苦手意識があったけど、意外と村田沙耶香作品、読めるようになってるかもしれない。
- 読書猫@bookcat2025年7月30日読み終わった(本文抜粋) “恋愛とセックスの先に妊娠がなくなった世界で、私たちには何か強烈な「命へのきっかけ」が必要で、「殺意」こそが、その衝動になりうるのだ、という。” “「突然殺人が起きるという意味では、世界は昔から変わっていませんよ。より合理的になっただけです。世界はいつも残酷です。残酷さの形が変わったというだけです。私にとっては優しい世界になった。誰かにとっては残酷な世界になった。それだけです」” (「殺人出産」より) “死んだあと、あの人はああ死んだらしいとか、普段は地味なのに派手で迷惑な死に方をする奴だったとか、いい歳してあの死に方はないだろうとか、人間性を噂されたりセンスを笑われたりするので、なるべくおとなしく、それなりにお洒落に死にたい。” (「余命」より)
- U@U_06102025年7月29日読み終わった命に関わる短編集。発想がすごい。歪んでいる世界なのに綺麗に整頓されている世界にも見える。読みやすいのに無駄がない筆致。Kindle Unlimitedで読了。
- 綾鷹@ayataka2025年7月16日・過去の世界を信じ切っているか、今、目の前に広がっている世界を信じ切っているか、というだけで、世界を疑わずに思考停止しているという意味では変わらないと思いますけど ・ミサキは真っ直ぐに世界を信じている。この「正しい」世界の中で呼吸をし、生きて、未来へと命を運んでいく。そのことにぞくりと身体が冷えて、私は自分の肩と腕を拳でこすりながら歩いたが、鳥肌がたったまま消えることはなかった。 ・大丈夫、真弓は清らかだよ。きっと、真弓も、お母さんも、友達も、三人とも清らかなんだ。だから他の人の清潔な世界を受け入れることができないんだ。それだけだよ。
- もん@_mom_n2025年6月12日読み終わった心に残る一節@ 電車ライブ会場に向かう電車の中で読む。 表題作は、他人を産みたいとも殺したいとも思わない自分には全く共感できない物語だけれど、それでものめり込んで読んでしまうのはやっぱり村田さんの文章が好きすぎるからなんだろうな。 最後の『余命』が特に好き。勝手に生まれさせられたんだから死ぬ時くらいは自分で決めたいと考えることがあるが、自分で自分を葬るのも確かに大変だよなあ。 p.89 「世界の変化は止められないわ。いくら叫んでみたところで、『更生』されるのはあなたのほうよ。あなたが信じる世界を信じたいなら、あなたが信じない世界を信じている人間を許すしかないわ」 p.94 私たちはいつ死ぬかわからない日々の中を生きている。いつ殺すともしれない日々の中を生きている。殺人のそばで、私たちは取り替えられながら生き続けている。きっと何千年も前から。 p.118 たとえ100年後、この光景が狂気と見なされるとしても、私はこの一瞬の正常な世界の一部になりたい。私は右手の上で転がる胎児を見つめながら、自分の下腹を撫でていた。
- あやな@ayn__1242025年5月6日読み終わった村田沙耶香の作品はいつも世界観が独特で、生死の話が多い。非現実的で共感など出来ないはずなのに、何故か居心地が良い。村田沙耶香の世界の中では、自分がどんなに変人でも許されるのではないかという安心感がある。
- nica@nica2025年4月19日買った読み終わったいやはや 癖の強い... でも私は好きだわ よくよく考えたら自分は この人〇したい と言う程に人を憎んだことないな。 当たり前なのか幸せなことなのかは分からないけど ... そもそも10人も子供産むとか私には無理だわ
- nessie@nessieayako2025年3月29日読み終わった『世界99』に圧倒されたのを機に読み始めたコンビニ人間以外の村田さん作品。おもしろい〜 私らをとりまくルールやら常識は、たまたまいまはこのかたちだけど、なにかが違ってたらそうではなかった可能性も、今後ひっくり変える可能性もぜんぜんあるのよね。 現実世界で実際にこう思ったら人間の一線越えてしまうだろうなってくだりが、とても美しく感じられたことに戸惑ってる。
- 猫@mao10122025年3月10日かつて読んだ自分がもし、子どもを10人産んで誰かひとりを殺せる立場になったならどうするだろうか。それが『権利』であるのなら、たぶん、殺すだろうな。『殺意』は蜃気楼のようなもの、という言葉。生きていたらいちどは誰かに深い憎しみや殺意を抱いて生きることもあるだろう。 その他に収録されていた短編も良かった。 誰だって、自分がしている恋愛やセックスがいちばん尊くて正しいのだと思う。
- ひらこう@flatwell_47922025年3月8日読み終わった一見ありえないと思ってしまうけれど、そう感じてしまうことそれ自体を嘲笑しているような、ブラックな世界観の短編小説。 常識が揺さぶられる感覚が心地よい。
- 本子@spring_03052025年3月6日読み終わった感想村田沙耶香さんの作品は毎回宗教的な感覚になって、目眩がするが、人生で一回くらいは恋愛ものも見てみたいところではある。 自分が"正しい""普通"だと思ってることを他者に押し付けるのは無駄な争いを生むだけだからやめた方がいいと思った。
- magaokun@magaokun2025年2月13日読み終わった@ 自宅SF小説と呼んでも良さそうな内容。設定や世界観も凄いが、人間の内面と価値観の変化が描かれていて、読書でしか味わえない魅力のある作品でした。
- うさみ@usami2017年1月12日かつて読んだ10人産んだら1人殺していい世界、【トリプル】という3人で付き合うのが流行の世界、【死】がなくなり自分で寿命を決められる世界。 各短編でえがかれるのはとんでも設定なのに、こういう未来もあるかもなと思わせるのは、生々しくて共感してしまう心情描写のせいかも。 特に表題作の「殺人出産」では、主人公が人に殺意を抱くエピソードが良かった。誰かを殺す妄想で、誰かに対する怒りを鎮める経験なんてみんなしてると思う。だから、この世界がリアルに受け入れられた。最後の殺人シーンは綺麗で吐き気がした。