ショートケーキは背中から

157件の記録
- ちーさん。@dokushumi122025年5月14日心に残る一節『基本的に食事って最初の一口が一番おいしくできている。パワフルな味わいの食べものならなおさらだ。最初が一番おいしくて、満腹に近づくにつれておいしさの感受性が鈍くなっていく。三角のショートケーキは1番面積が広くて生クリームの多い最も濃厚な部分が最後にやってくる運命にあるわけだが、そのときの受け手の状態は「もうお腹いっぱい」のことがままある。するとそれは惰性の1口にしかなり得ない。クライマックスをすぎた後の斜陽感バリバリのクリームゾーン。』 『食べものは形には残らなかった。あんなにたくさん食べたのに。すがすがしいほど、何もかもなくなった。だけど、そのかわり、思い出だけが残っている。それでいいと思える。それがすべてだと思える。もうない店。もうない味。もう一度食べたいもの。もう二度と会えない人。たべものは消えてしまうけれどもしかし、こうして思い出せる未来のあることが嬉しい。』
- ちーさん。@dokushumi122025年5月14日心に残る一節『パン屋の閉店は劇的だった。ある日張り紙1枚で幕を下ろして二度と会えなくなった。そこには喪失の悲しみのリアリティがあった。もっと幼い頃は「失って悲しい」という感情に出会うこと自体が少なかった。テレビを見ていても、亡くなった有名人のほとんどを知らなかった。知らなければ悲しまずに済んだ。でも歳をとればとるほど、知っている人が、大切なものが、いなくなってしまう。大人になるということは、悲しみが増えていくことなんだ。嬉しいことはそんなに多く増えないのだろう。』
- ちーさん。@dokushumi122025年5月14日読み終わった「生まれた時からアルデンテ」から、さらに平野さん自身が食に対して前向きに、時には戻りながらとめどなく食を愛しているんだなぁと感じられる1冊。 平野さんの食に対する語彙力の海が凄まじく広くて、圧倒される。 こんな風にたべものを表現できるような人間になりたかった。 今回の本はかなりポテチとたこ焼きが食べたくなる内容で、平野さん的色んな商品別ポテチの感想論が凄まじい。 これは夜中に読んだらポテチが食べたくなる。 分厚いのから薄いのや、じゃがいもの品種やあげ方の違いまで多種多様に表現されたポテチのその味と感触。 ちなみに私は個人的に軽め、塩気多いめ、パリパリが好きなので湖池屋ののり塩一択ですが、ポテチ界の異端児であるオーザックもかなり好き。 今回も刺さるタイトルが多かった。 「会社員の味」 「ポテチは流れ星」 「本当に人が傷ついた日に食べるのは」 「ショートケーキは背中から」 私も今度ショートケーキを食べる時は、背中から食べてみます。
- taki@_runrun2025年5月9日読み終わった表現、ことばが細部に渡って美味しそうに並んでいる。行ってみたい食べてみたいもの、お店がたくさんありました。食って生活を豊かにしてくれるんだなと改めて思えた一冊。
- 雫@sukinamono2025年5月3日読み終わったも〜う、平野紗季子の書く文書を読むと嫉妬で狂いそうになる。 なんで!こんなに!食べものを魅力的に!文字で伝えられるんだ!!! 平野さんの書く食べものはどれもこれも美味しそうで、読んでいる間中ぐーぐーお腹が鳴っていた。 面白い感性を爆発、そしてとんでもないセンスの塊のワードチョイスで時々漫画みたいに吹き出してしまう始末。 そしてそして終盤、なぜだか泣いていた…。 自分でもびっくりしたけれど、自然と食べものに救われてきたあれやこれやを平野さんのおかげで思い出していたからかもしれない。 いつもはいつまでもじゃない。 その言葉がぐっと刺さる。 平野さん、これから口に入れたもの全て全部教えてほしい。 あなたのおかげで冷凍うどんがこんなにもおいしいです。
- ちーさん。@dokushumi122025年5月2日心に残る一節『味噌味のとろめくスープをまとったお米に黄金の半熟卵を割り入れた汁かけ飯の神々しさたるや。』 『料理とは、明日なにがあるかもわからない世界で無事に生きて迎えられた今日を寿ぐ(ことほぐ)ものであり、その先を照らす切実な光であるのかもしれない。どうかみなさんお元気で。過去と今とをつなぎとめるお仕事をしてくださる方がいることで、そう実感できる。』 (小休止)『大好きだった地方のクッキー屋さん。時々買えるのが嬉しくてそのたび楽しみにしていたら、数年前に東京にお店ができた。気軽に買えるのは嬉しいけど、東京で買えるとわかって食べてみたら味が落ちたように感じられた。人間の舌はどうかしている。クッキー屋さんは悪くない。悪いのはいつも自分。』 簡単に手に入れられるようになると、その味に物足りなさや感動を得られなくなるのは何故なんだろう。 食べ物の味自体は何も変わらないはずなのに、その時々の自分の環境や感情によって、味が左右される気がする。
- ちーさん。@dokushumi122025年5月2日心に残る一節『馬場さんの料理はスルスルと喉を通過して、永遠に食み続けることができる気がしてくる。食べ飽きない料理の良さとはきっと、幸せが長く続いていくところにあるんだろう。打ち上げ花火みたいな料理もいいけど、ささやかで、それでいて充実したときがいつまでも続いていく喜び。人生もそんな風だったらいいのに。』
- ちーさん。@dokushumi122025年4月30日心に残る一節『シェフは食文化のキュレーターであり、その土地の自然や歴史や文化を自身に照らして紐解きながら、季節に即した食体験を手渡してくれる。』 『もちろん、たった一食でその土地をわかった気になるのはおこがましい話ではある。しかしそれでもレストランは、土地を、人を、文化を知るきっかけにはなるはずだ。』 『おいしさという人類の抗いがたい喜びを通して、何を伝えようか、何を変えてみせようか。そんな思索を感じる料理に、私は希望、と思う。』
- ちーさん。@dokushumi122025年4月27日ウィスキーロックを片手に 期間限定のティーチョコレートを挟みながら、 平野さんの食エッセイを読むこの時間がめちゃくちゃ幸せなんです。 晩酌しながら読みたい本ってあんまりないから、嬉しい。
- ちーさん。@dokushumi122025年4月27日心に残る一節『殿堂入りのロングセラー商品でない限り、棚落ちの速度は驚くほど速い。次に買おうなんて悠長なことを言っているうちポテチは視界から消える。ポテチは流れ星だ。』 この時間にポテチ食べたくなるね。
- ちーさん。@dokushumi122025年4月26日心に残る一節『飲食って、多かれ少なかれ呉さんみたいに「与えたい」って気持ちを携えてる人が集まっている気がする。そんな人こそ幸せになってくれなきゃ困るよってこっちは思うんだよな。』
- ちーさん。@dokushumi122025年4月23日心に残る一節『心、どこに行っちゃったんだろうな。本当はすぐにでも帰って寝たかったけれど、このまま寝たらもう後戻りできないような気もした。咄嗟に私は思った。何かものを食べなくちゃ。そうでないと自分が自分でなくなってしまう。』 『やっぱり虚無にはごはんが効く。失われた生命力はその日のうちに取り戻さなくちゃいけない。』 『ほろほろの冬瓜、奥ゆかしい香りを放つ合鴨のお団子、ほんのり甘く煮含められた湯葉がんも…。 いちいち琴線に触れる炊き合わせ。それぞれに最良の仕事を施したのち同じ器に盛り合わせらその個性と調和を楽しむ料理。炊き合わせってほとんど和食界のパフェだ。』 ご飯食べたくなる。
- ちーさん。@dokushumi122025年4月23日心に残る一節『何かをいいと思う時に他の何かを下げる行為は最低だって「美味しんぼ」からまなんでいたのに、それを自分がやってしまったこと。 今はいろんな味を知ったけど、知ったからと言って、あの時好きだったものを否定する理由にはならないはずなのに。』 『時間は平等で、不可逆で、人生に大切が増えるということは、塞がらない心の穴も増えるということなんですね。それは長く生きる悲しみのこと。』
- yuki@_2l1p2025年4月22日読み終わった気になるお店をGoogleマップで保存しようとして、なくなっていたりして、(この本に載っているとかに限らず)気になるお店ってASAPで行かないと機会を逃してしまうんだよなと改めて思ったりした 気になったお店で今もやっているお店にはぜひ行ってみたい〜🍽️
- エマ子@emma-05082025年4月16日読み終わった「春巻きはケルベロス」p34 ここから怒涛の春巻き描写。 「バッフバフの皮」p45 どら焼きの皮のこと。 「カクテルって一杯一杯サッてその場で包んだ花束もらうみたい」p123 「オオカミの口のような裂け目をまふっとふたつに割ると」p145 焼きたてのスコーンのこと。 「天国の練習」p188 友達と甘いものを食べてお茶すること。 食べ物を通してこんな風に世界が見えてるのがとても羨ましい。
- うみこ@umico52025年4月15日読み終わったアルデンテの直後に読んだので、平野さんの食への愛がより深くなっていることを実感できる。「メインストリームにはできないことをやらなくちゃならない。…ミュータントだからこそできる」こと。レフェルヴェソンスの生江さんの言葉を受けての平野さんの言葉が響きすぎた。聖地巡礼したいなぁ。食の迷宮は奥が深すぎて私には解き明かせそうにないけれど、熱量の高い人の言葉をこうして読める幸せ。おいしいは今しかないけど過去が蘇ったり未来の楽しみになったり偉大だなぁと思う。もう後半は名言揃いすぎて書き出すのをやめました。
- ふうか。@fukafukafuu2025年4月9日読み終わった借りてきたポテチの食べ比べのところがお気に入り。時々ガッっと距離が近いなあと感じる文章があって、調べてみるとお歳が近い方って分かってびっくり。ポッドキャスト聴きます!
- もめん@nono_200008142025年4月6日買ったショートケーキの背中ってどこを言っているのか?私が思っている方が背中なのか?チョコレートケーキなら前から食べるのか…?なんてぐるぐる考えて手に取った。 虚無にはごはんが効く。その通りだと思う。
- 漆野凪@urushinonagi2025年3月29日気になる「これを読んでから週1でモスライスバーガー海鮮かきあげ(塩だれ)を食べています。」という投稿を見かけてから、いったいどんな本なんだ……と気になっている。
- ミドリ@midori_su2025年3月25日まだ読んでる心に残る一節@ 自宅はやる気持ちを抑えきれず出来立てにかぶり付いて何度火傷をしたことか。いいだろう、上顎の皮の一枚や二枚くれてやる。銀だこの思い出の中の私は常に上顎ベロベロだ。
- たま子@tama_co_co2025年3月23日まだ読んでる東向日の母の友人のお店でご機嫌な母と焼き鳥を食べる。天満で友人と300円のセルフ開け瓶ビールと肉豆腐をつつき、もんじゃを食べる。樟葉で同居人の職場のひとたちと韓国料理を食べる。大きな瓶(かめ)から分け合って飲むマッコリの嬉しいこと。もっちもちのチャプチェと松の実香る参鶏湯。傍らにはいつも平野さんの食への探究心。一週間のうちめずらしく3回も外食した記録。
- ぽこ@poppocopocopon2025年3月14日買った読んでる読み終わった@ 自宅食に対して、全ての感覚をフルに使って、言語野をフル回転させて、解像度を上げに上げてるのが伝わるし、表現の美しさや力強さが鮮やか ご飯、このくらい楽しんでいいよね!
- Ryota@Funatoku_ryota2025年3月6日読んでるカバーが白とクリームっぽいきれいな色味なので通勤カバンの突っ込むのはなぁ、と思って家でちょっとずつ読むことにした 序盤から食を寿ぐパンチライン繰り出されまくり。
- mmm@u_10002025年2月17日読んでる単行本だけど旅に道づれ 新幹線フヅクエ ひとつひとつがコンパクトな文章で車窓を眺めつつも読めてぴったりだった 平野紗希子ちゃんの文章、いろんな方角から降ってくるようで楽しいー!
- まこ@macosbookshelf2025年1月23日読み終わっただーいすきな平野紗季子さん。 全身全霊で味わい尽くしたごはんたちを、自由自在に言葉を操ってその味や空気や抱いた感情を200%くらい言語化してしまう語彙力モンスター🦖 私もなりたい、語彙力モンスター。憧れです🫶🏻
- たま子@tama_co_co2024年12月20日読み始めた平野紗希子さんの尖りポップな文章すきだな。わたしは、ほっとくとすぐに食べることに興味がなくなるので、探究心いっぱいに食べるひとの文章を読むと、こちらまで食べたくなるのでよい。
- RM@mi_ri2024年11月30日買ったまだ読んでるこのおいしいご飯を食べきりたくない、食事の時間が終わってほしくない、みたいな感じで読み切るのが惜しくなってる本。平野紗希子さんの、疲れた心におでんみたいに染み渡る言葉と記憶ががうれしい。 味が美味しいって舌が喜ぶだけじゃなくて、心も満たされたり衝撃的な忘れられない体験になることまで、まるっと含めて食体験だと思い出させてくれます。 エッセイはひとつが短いから、いつでもどこでも読めるし、各コーナーも充実、装丁も手触も良い。食体験欲、自分のがんばりたい方向に突き抜ける勇気もでます。
- momo@momo52024年11月4日読み終わったこんなに「食」と向き合ったことがあっただろうか、こんなにも「食」を通して自分の生活を見つめたことがあっただろうかと、読んでいて何度も思った。 「食べる」という行為は、その時の景色や想いも自分の中に取り込んでいる。 「前にもここ来たことあるな、その時はあの人とあれを食べたな、あの時はこんなことをしたな、」とか。 「食べる」を通して私の思い出は作られているし、眠っていた記憶を呼び起こすことができるんだ。 今まで食べてきたものの味を思い出すことができなくても、その食べたものを通して感じたこと、その時間を過ごした人のことを思い出すのは意外と容易かもしれない。