

幽霊
@kikichacha
- 2026年7月7日
急に具合が悪くなる宮野真生子,磯野真穂読み終わったなんというか、自らの感覚についてここまで深く美しく紡ぎ出すことが出来る人を見てしまうと、日記にしてもSNSにしても、もう自分で何か書く必要なくない?と思ってしまった。本をたくさん読んで、色んなことを知って感動してそれでいいじゃんという方向に流されていきそうだった。 しかし、読み進めていくとそんな気持ちも見透かされているように、身につまされる話が次々と出てくる。そして自らラインを引くことを、ラインの踏み跡となって肯定してくれる。 困った。本当に素敵な本に出会うと、読んでしまった絶望と読むことができた喜びが同時に押し寄せてくる。どうしよう。 あとがきを読み、今日が7/7であることにも本当に驚くことになった。これを偶然と言っていいのか分からないから、もう一度読み直そうと思う。 - 2026年7月4日
FACTFULNESS(ファクトフルネス)オーラ・ロスリング,ハンス・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和読み終わった最近できた無人古本屋を物色していて、本書が目に止まった。最初の触りとページの厚さに多少躊躇ったが、いざ読んでみるととてもシンプルで取っ付きやすい文章だった。 データに基づいて正しく見れば世界は確実に良くなっていることがたくさんある、という内容で、話の例えとして語られる彼の医者としての体験談もとても興味深いものばかりだった。 あとがきで、本の出版直前に作者が亡くなっていたことを知った。ネガティブなニュースは絶えないし目立つものだが、小さくても素晴らしい出来事に目を向けていきたい。 - 2026年6月10日
違国日記(1)ヤマシタトモコ,ヤマシタ・トモコ読み終わったアニメがとても良くて2周目に突入している。そんな折、小さな書店で一巻だけが置かれているのを見て迎え入れた。 漫画ではこんな台詞を言っていたんだ、こんな表情で言っていたんだ、とたくさんの発見がある。新鮮さと引替えに、既に作品に触れているから楽しめる差異に着目しながら読んだ。 槙生は人見知りだけど、醍醐や笠原くんなど信頼できる仲間にちゃんと寄りかかることができる。朝はその姿に大人の意外な一面を見たようだけど、自分にはとても眩しく見えた。苦手な部分をしっかり自覚して他人を正しく頼ることは、むしろ自立した大人にこそできることだと思う。 - 2026年6月7日
差別はたいてい悪意のない人がする: 見えない排除に気づくための10章キム・ジヘ,尹怡景読み終わった冒頭で作者自身が無意識に差別をしてしまったエピソードが語られる。ここで早くも「差別をなくすには?」という心構えで読み始めた自分を恥ずかしく思った。そもそも自分が誰かの加害者になる可能性を排除していたことに気付かされたからだ。 作者の出身国である韓国の事例を中心に、①差別主義者が生まれる仕組み②どうやって差別は不可視化されるのか③私たちは差別にどう向き合うか、という構成になっている。 内容の重さに反して分かりやすくまとまっているし、翻訳者もまた日本に留学経験のある韓国出身の方ということで読みやすさに驚いた。 自分を省みながら、色んなバックボーンの人と出会いながら考え続けていきたい内容でした。 - 2026年5月16日
ダンス・ダンス・ダンス(下)村上春樹読み終わった下巻も読了しました。 ずっとどこか自分を俯瞰しているような"僕"も、最後の最後で強く感情を吐き出す場面があって人間らしさを感じた。 全編通して、様々な人と1対1で語り合う会話には、村上春樹ならではの示唆に富んだ視点も多く盛り込まれていて、読むのが楽しかった。 五反田くんの「必要というものは人為的に作り出されるということだ。自然に生まれるものではない。でっちあげられるんだ。〜簡単だよ。情報をどんどん作っていきゃあいいんだ。」という言葉は、特に今の自分に響きました。 - 2026年5月10日
ダンス・ダンス・ダンス(上)村上春樹読み終わった鼠三部作の続編。これらの作品の記憶が残っているうちに読んだ方が細かい部分も楽しめるなと思った。 主人公の"僕"は相変わらず達観しているようでいるけど、今作の彼は本当にリアクションに困る冗談を言うし、気難しい言い回しをするし、実際に周囲の人から変わってると言われている。 孤立とまではいかないけど、なかなか生きづらそうで、だからこそ種類の違う孤独を抱える五反田くんやユキと妙に通じ合うものがあるのかなと思った。 様々な場所で色々な人と出会い、後半は一気にきな臭い雰囲気になってきた。下巻ではどんな展開になっていくのか気になる。 - 2026年2月13日
スプートニクの恋人村上春樹読み終わった僕、僕が想いを寄せている対象のすみれ、そのすみれが恋をしている対象のミュウ、この3人のお話。 村上春樹特有の「こちら側/あちら側」という概念も出てきて、正直 最近読んでいた初期作品よりピンと来なかった。 ただ、すみれが悩みながらも小説家を志しているキャラクターなので、作者自身の本を書くことへの考えもその描写の中に滲み出ているのかなと思うところがあった。 作中でミュウが口にした「結局いちばん役に立つのは、自分の身体を動かし自分のお金を払って覚えたことね。本から得たできあいの知識じゃなくてね」というセリフを踏まえて読むとなおさら。 あまり同一視するのも良くないのだけど、今回はそういった方向で興味深く読んだ。 - 2026年1月23日
風の歌を聴け村上春樹読み終わった初期の作品群が俗に「鼠三部作」と呼ばれていることを知らずに、先に1973年のピンボールを読んでしまった。 そちらでは各視点で物語が進んでいくので、今作で2人がジェイズ・バーで会話している描写には感慨深いものがあった。これはこれで良い読書体験かも。 達観と諦念の狭間を揺蕩っている僕と、世界と自分の噛み合わなさに藻掻いている鼠。全体的に仄暗く、諸行無常といった印象でした。 ホットケーキにコーラをかけて食べてみたい気もする。 - 2026年1月18日
そして誰もいなくなったアガサ・クリスティー,青木久惠読み終わった古典ミステリの名著ながらちゃんと見たことがなかったので拝読。 孤島という舞台設定・マザーグースの童話になぞらえた殺人・信用と嫌疑がゆらぐ心理描写・そして後半の緊迫感ある展開に進んでいく様子に、ページをめくる手が止まらなかった。 トリック自体は色々と巡り合わせが良すぎる印象も受けるけれど、リアルタイムで読んでいた人達が羨ましくなった。 この作品をネタにしたミステリ作品も本当に多いので、そういった点でも触れておいて良かった。 - 2026年1月11日
1973年のピンボール村上春樹読み終わった自分の知らない、少し前の年代をなんとなく美化して見ていることがある。けれどこの作品で生きている人達も喪失感や絶望を抱えつつ日々を暮らしていて、とてもリアルに感じられた。 今のようなコミュニケーションツールはまだ発達していないので、良く言えば自己を深く内省できるし悪く言えば孤独を分かち合えない、この頃の絶妙な空気に触れたような気がします。 特に印象に残ったのは、20章冒頭の僕と事務所の女の子のやりとり。「私には何もないわ。」に対して「失くさずにすむ。」という返答に痺れました。生きてるうちに誰かに言ってみたい。 - 2026年1月4日
黒牢城米澤穂信読み終わった一つ一つの編がミステリとして綺麗にまとまっていつつ、最終章でひとつの線に繋がっていくストーリーテリングはさすがでした。 時代が違えど人望であったりよすがにするものであったり、今に通じる社会の柵を感じる部分も多くて歴史モノとしても面白かった。 実際の歴史や砦の配置などは、ネタバレしない程度にスマホで検索して参考にしながら読むと理解しやすかったです。 - 2026年1月4日
巴里マカロンの謎米澤穂信読み終わった米澤さんの作品といえば苦虫を噛み潰したような読後感。小市民シリーズも学生の割に治安の悪い話が多い中、こちらは番外編ということもあるようでビター感薄め。小鳩くんと小山内さんの学生らしい顔が見られた。 最初に提示された推理の前提を崩していく"伯林あげぱんの謎"がお気に入りでした。 - 2025年12月31日
アフターダーク村上春樹読み終わったアジカンの同名曲で名前だけは知っていた本。 場面が変わる度に挟まれるBGMの描写に沿って、出てくる曲をスピーカーで流しながら楽しんだ。 高橋は染谷将太、マリは広瀬すずのイメージを思い浮かべながら読んだ。ふたりの会話には絶妙な距離感があって心地よい。夜は少し頭がぼーっとして、言わなくてもいいことをぽろっと口走ってしまう、あの感じ。 特に印象に残ったのはコオロギの「私らの立っている地面いうのはね、しっかりしてるように見えて、ちょっと何かがあったら、すとーんと下まで抜けてしまうもんやねん。」でした。
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