エモさと報道

15件の記録
- icue@icue2025年9月21日読み終わった読めば読むほど朝日新聞がなぜ議論に応じないのかさっぱりわからなくなる。 仮に「エモい」路線に振り切ったとて、もはや今の新聞社のスケールを維持することなど到底出来そうもない。民業として成立していたここ100年ほどの歴史がむしろ例外的で、今後も維持していくためには補助金や助成金を入れることも考えていいという著者の提案は、従来の報道の独立性を脅かしかねないものなので驚いた。とはいえ、すでに軽減税率も適用されているし、放送事業者には公的な資金も流れているのでまったくありえない発想ではないようだ。 なにより、そこまでして既存の新聞社を維持しなくてはならないという大前提に立っている著者は、それだけ新聞社の持っている役割を重要だと考えているということで、一度これが壊れれば元には戻らないという強い危機感がある。それだけに議論にすらならなかったのはかえすがえす残念だ。
- 仲嶺真@nihsenimakan2025年9月12日読み終わった今や情報は溢れかえっている。 古典的ジャーナリズムの根幹にある「メディアと権力は対峙し、メディアは人々の味方である」というナラティブすら通用しなくなりつつある。 「メディアの特権性」を人々は嫌悪するし、記者の正当な取材が非難されることも珍しくなくなった。 このようなメディアの時代状況への対応が、物語によって「エモさ」に訴えることで、果たして本当によいのだろうか。 一言でいうなら、これが本書を通底する問題意識である。 p.10
- yt@yt2025年9月4日読み終わった「筆者も筆者だが、あなたもたぶん少しおかしい」(p5) メディアの未来について警鐘を鳴らすも、メディアが無視し続けているというエグさと放蕩。 「報道事業者に求められている仕事だろうか」(p51) 報道事業が民業としてペイできるのかが疑わしくなってきている。 かといってNHKモデルでは時代に全く合っていない。 「エモい記事批判そのものをエモく展開するというパフォーマティブなねじれ」(p59) 大澤聡の朝日批判は必見。 沖縄の基地報道と比較した山本章子との対談も面白い。 信頼できない政府のことを、信頼できないメディアが報道するという地獄。 「筆者はそれでもなお報道とジャーナリズムの可能性に大いに期待している」(p216)
- tony_musik@tony_musik2025年7月27日読み終わった新聞の「エモい」エッセイ的記事=エモ記事の是非をフックに、日本の「トラストな情報基盤」の持続可能性を論じる。良い意味で空気を読まない西田さんの良さが出ている本。地方の共同拠点というアイデアは公共性が高いと思うのでぜひ実現してほしい。