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@psykhee
  • 2026年10月17日
    白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記
    果てしなく思えた白銀の墟玄の月も終わり。 黄昏の岸〜そして1巻2巻ぐらいまで感じていた、阿選とそして泰麒の薄気味の悪さはやや薄れ、 どちらもより濃く人間味を感じるようになった。 それにしても、この4巻目での物語の大きな…うねりとでも言うべきエネルギーのすごさ。 今までが国や麒麟、王についての物語が主軸なところ、このエピソードは泰に暮らす人々が主役というか中心で、それ故に苦しいところも多かった。 これから先温かい時代になればいいけど…この後どうなるか、どうしても気になってしまう。
  • 2026年10月11日
    白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記
    ようやく…ようやく、事態が動き出した印象。読者にとってもだが、登場人物たちにとっても長く苦しい時間だったはず。 なお、2巻まで描写が意図的に?少なかった泰麒の意思や阿選の思いなどが語られており、なんというか王や麒麟と言っても考えることは人間なんだなあとしみじみ思った。
  • 2026年10月4日
    白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記
    この巻は十二国記の中でも特に手応えがない…というか、ジリジリとした感覚を味わう。登場人物たちは最善を尽くしているのだが明確な結果は得られず、時間が過ぎていく。捜索は思うように進まず、そして通底して漂う不穏さ、不気味さ。 刊行当初、確か三、四巻が出るのを一ヶ月待たなければならなかった記憶。18年待ったんだから一ヶ月くらい大したことない…と思ってたら甘かった。今は続きをすぐ読めるのに感謝。次を読もう。
  • 2026年9月29日
    白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記
    黄昏の岸に続いて読むと、いきなり出鼻をくじかれる…というか、あの時に思った楽観的な考えはやはりこの世界では通用せず、苦しいな、と…。また、これまでになく文化的というか民族的な考察が豊富だったようにも思う。密度が濃い…。
  • 2026年9月27日
    黄昏の岸 暁の天 十二国記
    新刊のためにおさらい再読。 熱い、熱すぎる展開…。 今回読み返して感じたこととして、果たして自由意志はあるのかというテーマもあるように思った。誰が王か、あらかじめ見通しているならば命がけの昇山に何の意味があるのか。そしてそのシーンでのセリフもよかった。 「もしも天があるなら、それは無謬ではない。(中略)天に人を救うことができるのであれば、必ず過ちを犯す」 この言葉は重いな。実在するものは全てが完璧ではあり得ないのだという厳しさ。だけどその中で自分でどう生きていくかを決めなければならない。
  • 2026年9月26日
    調査されるという迷惑 増補版
    仕事柄、企業でのヒアリングやアンケートといった調査をすることが多い。フィールドワークとは異なる点もあるものの、概して相手といかに信頼関係を結ぶべきかや、どこまで深入りするべきかのトピックなど、参考になる点が多かった。
  • 2026年9月25日
    ジュリアン・バトラーの真実の生涯
    ものすごいものを読み、圧倒されたというのが読後の最初の感想。 アンソニー・アンダーソンの『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』をベースとしながら、ジュリアン・バトラーの作中作、そしてあとがき。 ここまで緻密な世界を作り上げた作者に驚嘆するし、アメリカ文学史に詳しくない身としては全部を受け止めきれていないのだろう、と思う。 考えれば考えるほど複雑にも思えるものの、今の私が受け止めた主題となるテーマは「書くこと」と「愛すること」。 もう少し人生経験を積んでから再読したらまた感想も違うのだろう。その時が楽しみだ。
  • 2026年9月23日
    儚い羊たちの祝宴
    文体が洗練されていて、終始不穏な雰囲気に支配されていてとても良かった。 5編の中だと山荘秘門と玉野五十鈴の誉れが好み。 なお、最後の儚い羊たちの晩餐を読むと、この物語全体に対する印象も変わる。 北の館の罪人で詠子が狼狽するシーンとか、短編だけだと理解できない描写もあったのだが、バベルの会が「幻想と現実とを混乱してしまう儚い者たちの聖域」であることによりその反応の異様さの種明かしになっていたのだと思った。そして、「いまのわたしにはたぶん、それがある」のであればこの話(最後の短編)自体が幻想側の話だったのでは?と思わせる。 ちょっと映画のインセプションに共通するような要素もあるのかもしれいない。
  • 2026年9月22日
    ハーモニー
    ハーモニー
    久しぶりに再読。毎回新たな発見があるし、印象もちょっとずつ変わっていくのが面白い。 <harmony:understand> 人間を含め全ての生物は本来、身体・肉体の存続と次世代へのつなぎを目的として動いており、 「意思」や「意識」は必須ではない。たまたまそういった形質を持つ個体が生存する確率が高かったために多くの個体がそういった機能を持つに至った。むしろそうした機能を持つ個体が占める割合が増えていったという考え。 個人的に、これがとても納得できるというか、人間の持つ精神性だけを崇めることなく、この世界の理解と記述としてものすごくしっくりきた。 その中で意思や意識のない世界、恍惚だけがある世界ってどんな感じなのだろうか。 <confusion> ハーモニーの世界というのは一見優しいし、誰にとっても「良いもの」であるがゆえに、それに対して人間性を発露する隙間のなさに閉口してしまうが、じゃあその人間性というのが人間という種にとってネガティブなのであればそれは発露する機会をむしろ奪うべきなのでは?とまさに作中の登場人物たちのように考えてしまう。 </confusion> そして、病床において「病になること」をこのように客観視し、物語として組み上げた伊藤計劃は本当にすごい。 今後何度も読み返したい。 </harmony> ハレルヤ。
  • 2026年9月18日
    名前探しの放課後(下) (講談社文庫)
    辻村深月作品初めてだったけど、物語が佳境になるに連れてどんどん吸引力と速度を上げている感じがして、それが心地よかった。別に全てが肯定的ではなく、面倒くさかったり嫌な感じも含めてのリアルな学生の頃の感じの描写が凄かった。
  • 2026年9月15日
    名前探しの放課後(上) (講談社文庫)
  • 2026年9月14日
    紙の動物園
    紙の動物園
    ケンリュウの短編集。最初の表題作、紙の動物園から読後感が重い…。…が、ずしんとくる重さが良かった。 他には結縄と心智五行、愛のアルゴリズムが好み。結縄の、縄を直感的に構成していくのがアミノ酸の構成を解き明かすヒントになるというのは、現実世界でも粘菌に最短経路問題を解かせようという研究ともリンクすると感じた。 心智五行はキム・チョユプの『わたしたちが光の速さで進めないなら』のスペクトラムに、愛のアルゴリズムは(注釈にもある通り)テッドチャンの作風に近いものを感じた。総じて、SF要素はありつつ物語の強度がしっかりあって楽しめた。
  • 2026年9月13日
    あなたの人生の物語
    あなたの人生の物語
    久しぶりに再読。二作目『息吹』より難解なイメージがあったが、今回の再読でもその印象は変わらず。あちらは「自由意志」をテーマに扱っていると感じ、こちらはより根源劇な、「論理」や「言語」についての作品が多かった印象。それぞれの感想を書く。 ◯バビロンの塔 この短編集の中では異端に感じる作品。途中、天体とこのバビロンの塔の関係が明らかになっていくシーンに興奮した。高所恐怖症ぎみの私にとってはこの塔を登るのは絶対無理…。 ◯理解 一番尖っていると感じた。『アルジャーノンに花束を』をもちろん連想させるが、あちらがある程度賢い上限までの表現だったのに対してこちらは指数関数的に(?)賢さが上限突破していくようなもの。作者の認識能力の高さに驚く。 ◯ゼロで割る 何を信じればいいのかの話のように感じた。ひいては、自由意志の存在に対する問いかけのテーマ。 ◯あなたの人生の物語 やっぱり、素晴らしい。今回、結末をわかっている状態での再読は、まさにこのヘプタポッドBの習熟と対応づいており、まさに変分原理、すなわち結末がわかっていいるうえでどういう経路をたどるかに投射できることが面白かった。 ◯七十二文字 人類があと5世代で死に絶えることがわかった世界、というのが刺激的。そのうえで至った結論がこの世界のDNAモデルというのが新鮮。ただ、もうちょっと展開というか回収というかをしてほしかった印象。この後どうなるかを知りたい。なお、自己複製可能な名辞というのは、まさに、AIがAIを進化させるシンギュラリティそのものであることに気づきちょっとゾッとした。 ◯人類科学(ヒューマン・サイエンス)の進化 普通知能を持つ我々は超知能を正しく超知能であると認識・評価できるのだろうか? ◯地獄とは神の不在なり 「天使」を「現象」として捉えるという発想がすごい。主人公ニールにとっては救いがないように感じるが、そういった人間個人の感情に全く配慮しない、それが超越的存在ということなのかもしれない。 ◯顔の美醜について 現代のルッキズム問題を切り取っている。これが書かれたのが20年以上前であることに驚き。個人的には、カリーはあまり承服しがたいと感じるのであるが、それは論理的態度ではないという気もする。つまり、人は私も含めて論理的ではなく、そのため優劣をつけたり好き嫌いを生じてしまうことの正しくなさ、ままならなさを再認識させられた。
  • 2026年9月10日
    言語化するための小説思考
    小説を書くときに(小説を見つけるときに、の方が適切か)何を考えているか、詳細に言語化されている本。前書きにも書かれているが、これ、なにも小説を書くときに限らず、文章を用いたコミュニケーションにおける普遍的なうまさを解説してくれたと感じた。読み手は書き手(相手)のことがわからないから、冒頭で「あなたをこれからどこに連れて行こうとしているか」を示すことや、「相手が何を知っていて何を知らないからどんな順番で情報を並べるか」こそが相手の認知を形作る上で重要であること、「誰に話を聞いてほしいかを意識してその誰かに正確に届くためのやり方を模索する」ことなど、生活や仕事の中でうまく文章を使ったコミュニケーションをする上で気をつけたい、真似したいポイントがいくつもあった。
  • 2026年9月9日
    ハレー彗星の館の殺人 老令嬢探偵の事件簿
    合わなかったなー。登場人物、とくに主人公とデシマの思考と行動に感情移入しにくかったし、これくらいの小さな懸念で動揺してるのならば〇〇は犯人ではないだろう、とか全然納得できなかった。また、情景の表現方法として「口をパクパクさせる」というのがあったけど、ほんとにそんなことする??これをはじめとして使い古された小説用の手垢のついた表現が散見された。謎解きもあまり爽快感なく、うん、、そう、、へえ。くらいの盛り上がり。。解決編で探偵役の2人が交互に喋る意図というか意味もないし。「なんでそれしてんの?」と思うこと多数だった。
  • 2026年9月6日
    六人の嘘つきな大学生
    続きが気になって一気読み。読み進めていくにつれて登場人物たちに抱く印象が二転三転するのが気持ちいい。構成はやや複雑だったがそれを楽しめるような展開、引き込みで面白かった!
  • 2026年9月5日
    出版禁止 ろろるの村滞在記
    最初の詩のところからうっすらこうなのでは…と感じていて、読み進めるほどに不穏不穏。ただなんか読み終えて全体を通じてのトリックはわかったけどそれによるスッキリ感はあまりなかった。
  • 2026年9月4日
    同志少女よ、敵を撃て
    2021年、ウクライナ戦争開戦の直前に書かれたというのがすごい。当時は時事と合わせて辛すぎて読めなかったが、改めて今読んだ。結果、実は2022年も今も、そしてこの物語の舞台の1940年代もそこにいる人や思いは何も変わってはいないのではないか、戦争とは、敵とは何かということを思わせる重厚な物語だった。読めてよかった。
  • 2026年9月2日
    わたしたちが光の速さで進めないなら
    わたしたちが光の速さで進めないなら
    最近熱い韓国SFの旗手、キム・チョヨプの短編集。SF的な仕掛けはそれはそれで興味深かったものの、それにまして、根底に感じる優しさと寂寥感が心地よかった。中でも共生仮説が特に好みだった。赤ちゃんの脳波測定で明らかになる事実、面白すぎた。
  • 2026年9月1日
    世界でいちばん透きとおった物語
    圧巻。とにかく圧巻。終盤、気づいた時の「嘘…嘘でしょ!!?」からの圧倒的な作者の筆力にしばらく言葉を失った。話自体ももちろん、文体も読みやすく、かつ話の流れとしても筋が通っていて。人におすすめしやすいのも素晴らしい。小説の新たな可能性を今更ながらに実感して、感動した。
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