紙の動物園

42件の記録
- すなまち@suna_mathi2025年6月2日読み終わった『文字占い師』 重い読後感… ストーリーの重さはいったん置いておいて、慣れない土地で孤独な少女が友人と新たな視点を得る、決定的な出来事を経て少女が子どもから大人に一歩踏み出して終わる(希望溢れるシチュエーションではないけれど)など、構成やオチの付け方は良い意味で古風。思えば他の作品もそうかも。一種の児童文学のようなファンタジーを感じるところもあるな。 訳者あとがきによればこちらの短編集がファンタジィ編、第2集がSF編らしいので、そちらも読みたいな。
- すなまち@suna_mathi2025年5月28日読んでる『愛のアルゴリズム』 子供が産まれてから、この手の話がしんどくて仕方ない。。 どことなくテッド・チャンの『あなたの人生の物語』みたいな雰囲気だな、と思ったら実際テッド・チャンの影響を受けていたり、台詞がチャンの作品と呼応していたりするらしい。久々にチャンの短編集も読もうかな。
- すなまち@suna_mathi2025年5月27日読んでる『心智五行』 すごく好きだった!遭難して「遅れた」文明に出会い、その文明の薬膳のような技術によって清潔すぎる「進んだ」文明の女性が「心」を得る話。 舞台設定も「自分とは何か」「心とはどこにあるのか」との問い掛けもTHE SFで大好きだし、腸内フローラが人格を左右するというアイディアも好き。 主人公の出した結論もよかった。結局ハッピーエンドが好きなんだ。 ___ どの話も資本主義社会における「弱者」への眼差しに基づいていて、静かに、でも確かに、理不尽を諦めない意志を感じる。卑屈にならず「正しさ、善良さ」を持ち続ける勇気をくれる。
- すなまち@suna_mathi2025年5月8日読んでる『結縄』 無自覚でリスペクトのない文化や技術の搾取、そして必要十分に成り立っていた小さな村が資本主義社会に組み込まれるさま…やるせない気持ちになると同時に、どこかで自分が同じような傲慢な振る舞いをしていないか、きちんと目を見開いていたい。
- すなまち@suna_mathi2025年5月6日読み始めた帯に電車で読まないでって書いてあるのに電車で表題作読んでまんまと泣いた。 成長した主人公にときおり寄り添ってくる紙の動物。何気ない一節から紙の動物たちが母親の愛の象徴であることが分かって、そこからはずっと喉の奥がぎゅっとなりながら読んだ。孝行したいときに親はなし…
- comi_inu@pandarabun2025年3月7日かつて読んだオールタイムベスト全編に渡って、失われゆく存在と、強者になりうる存在との渡り合いが描かれている。 物語に登場する品々は紙1枚、麻紐1縄とどれも素朴だ。しかしこの紙1枚、麻紐1縄にはかなしい歴史、愛の言葉、途方もない物語が込められている。その切実さと儚さにわたしはどうしても胸打たれてしまう。表題作なんて何度読んでも泣いてしまう。 人種、経済格差、移民などのテーマをしっかり突きつけつつ、語りの豊かさで圧倒する作品だと思う。サイエンスフィクションよりマジックリアリズムの方がぴったりくる。
- momo@momo_4512025年3月6日読み終わったかつて読んだかつて藤子不二雄氏は、自身の作品を「SF(science fiction)」ではなく「SF(すこしふしぎ)」と表現したそうだ。 まさにそんな短編集。難しい単語が並んでなくても、宇宙に行かなくても、紙で作った折り紙の動物が少し動くだけでいいのだ。 トリックや近未来の描写にときめくのではなく、抒情的な文章を味わう、文学としてのSF。 雨の日がよく似合う。
- karin@karin_022025年3月6日かつて読んだ短編集なのだけど、どのお話も素敵で面白い。表題作「紙の動物園」と「月へ」はこれぞ短編文学という芸術的な趣きもあり震えた。個人的には「結縄」「心智五行」あたりも好み。ハズレ無しの短編集。って言うかケン・リュウの短篇はどれも私好みで面白いかも....