「もののあはれ」の訳し方
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bluebird@Reads_02292026年6月4日読み始めた読みかけ積読第1課の俳句を読んでいる。 「閑けさや岩にしみ入る蝉の声」の「しみ入る」にpenetrateとstingの訳語があてられている。辞書によると、penetrateには「貫く」以外に「浸透する」の意味もあって目からウロコ。「しみ入る」からくる語感は、ブッ刺すような直線的なものじゃなくてじわじわ広がるものだと思うから、stingよりpenetrateの方が訳としては好み。 なお、『おくのほそ道』の英訳として主流なのは「The Narrow Road to the Deep North」とのことだけど、「The Narrow Road to the Interior」の訳が好き。英訳をみて改めて『おくのほそ道』は心の旅路なんだなと思う。 ------ 「言葉の大鉱脈を歩くその作業は楽しく、驚きに満ちている。なぜ驚くのかと言えば、ああでもない、こうでもないと頭を絞るうちに、言葉に関する思い込みが、ひっきりなしに揺さぶられるからである。絶えず揺れ続ける言葉の本質を身をもって知るのに、翻訳に触れる以上の方法はないと言っても大過ないだろう。」(p.30)

あずき(小豆書房)@azukishobo2026年5月28日「もののあはれ」を定義してください、と言われてもうまく言語化することはなかなかに難しい。「しみじみと心にしみとおる情念、哀歓」と説明されても、「ぼんやりした言葉」を「ぼんやりした言葉」で言い換えられたようなモヤモヤが残る。 だったら英語に翻訳しながら考えてみよう、という本。 「もののあはれ」は導入で、本文では『おくのほそ道』や『伊勢物語』、『土佐日記』など日本の古典文学を代表する作品たちが登場する。あらすじを知らなくても説明してくれるので大丈夫。 翻訳を通して、あるいは翻訳からこぼれ落ちるものから、日本語や日本文化への理解を深める。 言語のもつ流動性とか可能性とか、豊かさを感じられて面白い。 「〜であることだなぁ」「〜か、いや〜である」など、受験に適した不自然な訳し方を教える教育によって、古典がまるで特異なもののようになっている、という指摘も。これらが生まれた時代も現代と地続きであり、人間の感情は今も昔もそう変わらないはず。その点、英語訳は素直。











