チーヴァー短篇選集
46件の記録
Miyuki@miyuki_i2026年6月23日読み終わった15編目「橋の天使」 飛行機恐怖症の母 エレベーター恐怖症の兄 そんな家族を冷たい目で見ていた主人公は、なんと橋恐怖症になってしまった ままならない恐怖反応に、自分の人生の終わりとばかりにショックを受ける主人公だが、橋の上で立ち往生しているときに、ある少女に出会って…… いままでで一番後味が良いお話で、これが短篇選集の最後で良かった! この本は去年の夏、旅先の函館の書店で出会って購入したのだけど、いまこの帯の紹介文を読むと、まさに「家族や自分にうんざりしても人生ってこんなものか、、と身にしみる。気持ちのいい読書にはならないかもしれませんが、印象深い一冊になると思います」というのがぴったりだった 出てくる家族がみんなチグハグでうまくいっていなくてもやもやするし、救いのない結末も多い でも、時おり人生のきらめきのような美しい瞬間がある 印象深い一冊になった
Miyuki@miyuki_i2026年6月23日読んでる14編目「世界はときどき美しい」 夢と現実のあいだで思考があちこちに飛んでいく語りが、精神の錯乱を思わせるほどとらえどころがないが、芝生の匂いや、音楽のような空、人との別れ際など、ときどき胸に迫る美しさがある
Miyuki@miyuki_i2026年6月21日読んでる13編目「海辺の家」 毎年、海辺の家を借りて夏を過ごす一家 借りた家の住人がどんな人なのか気になる主人公 家のあちこちから住人の人柄を示す形跡を見つけ、どうやら幸せだった家族は、何かが変わってしまったようで、家を貸さざるを得ないほどうまくいっていないらしいと悟る その家にいると、主人公はなぜかいらいらして妻や子供と喧嘩してしまい、ニューヨークへひとり逃げ帰る 家の隅々から住人の人生を読み取れるものかと思うと面白い それが自分の人生を直視するきっかけになったのかもしれない
Miyuki@miyuki_i2026年6月19日読んでる12編目「父との再会」 8ページの掌編 両親が離婚して以来、3年ぶりに父と再会し、昼食をいっしょにすることに 立派な父の姿を見て誇らしく思ったのもつかのま、はいったレストランでつぎつぎと失礼な態度をとる父 訳の分からない行動なのだが、もしかすると、もう会うのが最後になる息子に、わざと嫌われようとしているのかなと思った
Miyuki@miyuki_i2026年6月17日読んでる11編目「ジャスティーナの死」 妻の年老いた従姉妹のジャスティーナが、妻のランチ・パーティに訪れ、ソファにすわったまま息を引き取った 会社を早退する主人公は、適当な宣伝コピーをつくり(これが面白い)、埋葬の許可をもらうのに奔走する(これがばからしい) 夢と現実が混沌としているようなばかばかしさともどかしさのなかで、生と死とは何かという主人公の混乱が感じられる
Miyuki@miyuki_i2026年6月16日読んでる10編目「故郷をなくした女」 不貞をはたらいたことにされ、アメリカに居場所をなくした妻アン。アメリカ人であることを隠し、ヨーロッパ中を移動して暮らすが、あるとき旅行中のアメリカ人の老人に出会い、自分の故郷はアメリカだと強く感じ…… 故郷を離れてはじめて自分の故郷を強く意識することってあるんだろうな だけど遠く離れたときに感じる慕情は、美化されていたりして、失望したり……これもまたあるかもしれない
Miyuki@miyuki_i2026年6月14日読んでる9編目「美しい休暇」 アメリカのシットコムの脚本家がテレビ番組の仕事にうんざりして家族とイタリアに逃げてきた父親 俗っぽい文明社会から逃れて、イタリアでは「詩人」と思われていたのだが、イタリアでも自分のテレビ番組が放映されていて…… 結局、自分は自分から切り離すことはできず、どこにいてもアメリカの陰から逃れることはできない 「ただの詩人だと思っていたけど、すごい脚本家だったんだ」と思われるという皮肉なオチ
Miyuki@miyuki_i2026年6月11日読んでる8編目「兄と飾り箪笥」 家に代々伝わる飾り箪笥をどうしてもほしいと言い張って譲り受けた兄リチャードは、箪笥とともに過去に身をゆだねていく…… 兄が欲しかったのは幸せだった頃の記憶だったのか、家族の紋章を手にするという名誉だったのか 過去に囚われ、いまの幸せを失っていく皮肉が描かれる
Miyuki@miyuki_i2026年6月10日読んでる7編目「ライソン夫妻の秘密」 郊外の住宅地で、他所者から地域を守ることに関してはうるさいライソン夫妻 妻の見る悪夢 夫が隠れて焼くケーキ 脈絡がないようでいて、いまの幸せを壊さないように躍起になるのには、幼き日の心の傷が関係しているのではないかと思わせる 過激に振れると身を滅ぼすのだけど、どこか同情をしてしまう

Miyuki@miyuki_i2026年6月9日読んでる6編目「ひとりだけのハードル・レース」 郊外の住宅地で、土曜の夜のパーティがお開きになるころ、元陸上競技のエースであるキャッシュは、家具を移動させて飛び越えていくハードル・レースを披露する 若いころの栄光を捨てきれないキャッシュだが、その身体には着実に老いが迫っていて…… 否応なく五感が変わっていく様の描写が秀逸 どの話も後味が悪い……
Miyuki@miyuki_i2026年6月7日読んでる5編目「貞淑なクラリッサ」 軽い男が、美しいが頭の弱いと言われている人妻に手を出そうとする話 女は外見ではなく中身を見てくれる人がほしいと思い、一生懸命自分の考えを話すのだが、男は理解するふりをしているだけなのが悲しい どうしようもない話だけど、やはり情景描写が美しい
Miyuki@miyuki_i2026年6月6日読んでる4編目「離婚の季節」 妻に惚れてしまいストーカーする男 最初は頭がおかしいと思っていたが、夫よりもほしい言葉をくれる男をだんだん無視できなくなっていく…… 夫婦の関係が綻んでいるのが、第三者を通じて見えてくる 妻が、いままでの人生で傷ついてきたことを思い出すように涙を流すのが印象的だった
Miyuki@miyuki_i2026年6月3日読んでる2編目「小さなスキー場で」 スキー場のホテルに現れた、どことなく違和感のある親娘3人 その違和感の正体がわかると、いままでの描写を読み返したくなる しかしまあ後味の悪いお話…… むかし楽しく旅行したところを再訪すると、思い出が美化されすぎているのか、期待はずれだったりするよねと思った

Miyuki@miyuki_i2026年6月3日読んでる3編目「クリスマスは悲しい季節」 寓話のようなストーリーで面白かった 独り者の貧しいチャーリーは富裕層の住む高級マンションでエレベーター係をしている 「メリークリスマス」と住民に声をかけられるたびに「貧しい人間にはクリスマスは悲しい季節です」と愚痴っていき、しまいには子供がいると嘘までつきはじめる すると同情した住民たちが次々とディナーやプレゼントをおすそわけしだして…… 圧倒的な善意を向けられた人は、どのような行動に出るのか、人間の心の動きがよく描かれている そしてふと出会う美しい描写にぐっとくるーーp.76「ガラスのドアの外の暗闇がブルーに変り始めていた。しかしブルーの光がどこからきているのかはわからない。光は空中に浮かんでいるようだった。涙に濡れた光だった。その光が人のいない通りを浮かび上がらせたとき彼は泣きたいと思った」
Miyuki@miyuki_i2026年6月2日読んでる1編目「さよなら、弟」 兄弟間でもわかり合えないこと、あるよね 同じものを見ているのに、まったく違う風にとらえる いくら言っても聞く耳を持たない でも、相手からすると、同じことを思われてるんだろう 家族でさえそうなのだから、他人とわかり合うって、難しいことなんだ だからって暴力はいかん…… 海が印象的
ハンク@lardenkaizer2025年6月4日かつて読んだ頭部の都会に住むアメリカ人の孤独を描いた作品。マッカラーズなんかも孤独を描いているが、彼女は田舎から都会に出て共同体から引き離されるという物理的な孤独を描いていたような記憶がある。感情も素直に出すし、行動にも出る。対して、チーヴァーの作品は表向きには取り繕っているが、内面では孤独を抱えているという人物が多いように感じられた。そうした繊細な内面を、抑制の効いた文体で描き切っている。上手い、と思った。

うねうね@73uneune2025年5月29日読み終わった🥟🥟🥟🥟🥟 もの悲しく切ない。海辺が舞台の話が多く、美しい海の描写が多いのに、全体的に沈んだ暗さと湿り気がある。登場人物の誰も好きになれないし共感できないが面白い。さっぱりした感じと淀んだ感じが共存している不思議な作家だと思う。
川@river12162025年5月12日読み終わったうんざりする家族の話ばかりで、平野をひた走る電車の長旅で読むのにはちょうど良かった。エリスンの短編集と交互に読んでいたこともあり、登場人物全員殺してあげたくなった。




























