蛇を踏む (文春文庫)

15件の記録
- 米谷隆佑@yoneryu_2025年8月11日読み終わった最初は、蛇が柔らかいと思って読んでいた。踏まれて溶けたり、女に変身したりするから。質量のない蛇を考えていた。小説にできることは、全体の調子を崩さずにうまくまとめることだと思う。軟派なひらがなや川上弘美の文体は、やはり蛇と世界をやわらかくして、淡い輪郭を保ったまま謎を深めて強引に流してしまう点に、彼女の信じる生物と無生物の虚構が見えてくるようだ。現実の蛇は硬い皮膚があって、背骨があって、気温に依存した体温が感じられるはずで、うその蛇とこっちの蛇はどうも違うらしい、ということに気が付いたら、光の中で開かれた「蛇を踏む」の世界がばたんと閉じた気がした。
- tony_musik@tony_musik2025年7月6日読み終わった静かな狂気を感じさせる点で、川端康成の短編に近い雰囲気があった。奇想天外な展開に思わず声を上げながら読み進めた。『蛇を踏む』と『消える』を読了。
- 岸川柑@kan-hayu132025年6月14日買った読み始めた古本屋で。閉店時間過ぎてたのに中にいた店主は店を開けてくれた。 『ミドリ公園に行く途中の藪で、蛇を踏んでしまった』という書き出しに惹かれて
- 月並@yomuyomutomonu2025年4月19日読書会読書会で再読 母娘関係に縛られず、蛇は定型にはまらない生き方へ誘惑する存在で、人間界の母はレールに沿った生き方へのほだし、という新たな解釈が爆誕した