ハンチバック

49件の記録
たろう@Taro19982026年6月17日読み終わったヒコロヒー×西加奈子×朝井リョウの『仮説の仮説 #4』で言及があったので読んでみた。 体力を必要とせず、多くの人に開かれた趣味だと思っていた読書が、身体障害者にとっては「マッチョな趣味」になってしまうという指摘にはたしかに頷かされた。 先天性ミオパチーで身体が自由に動かせない主人公は、紙の本は手触りが良いとか物質感があるとかそういう嗜好的な理由で、電子書籍の普及を拒んできた出版業界と読書好き達への批判を口にする。 一方でこの作品は、弱者として見られがちな障害者の立場も状況によっては強者(加害側)に転ずる可能性があることを描くことで、結果的に障害者=弱者のレッテルを剥がそうと試みていると思われる。 それは介護される側(弱者)である主人公と、介護する側(強者)である田中さんの関係性が、主人公が親の遺産で建てたグループホームに住み、田中さんを雇用しているという状況に視点を合わせると、一気に雇用主(強者)と労働者(弱者)の関係性に逆転することからも明らかである。もちろん物語の後半で現れる性的に搾取する側(強者)と搾取される側(弱者)の描写も関係性の転換を象徴的に表していると思う。 何回も読み返すことで、自分の中の気づいていない思い込みや差別意識に気付かされる小説だと思った。


Haruhito@haruhito27_reads2026年6月10日読み終わった個人的には、釈華と田中が取引を遂行する場面がスリリングで良かった。本来であれば「妊娠/中絶」に関係のないオーラル・セックスに及ぶことで、両者がルサンチマンを満たすために互いの尊厳を奪い合っているようで、鬱屈していた感情が主体的な行動として顕になっていた。 障害者運動などにも理解のある作家・荒井裕樹氏との往復書簡は、無知な自分にとって多くの示唆に富んだ内容だった。健常者優位社会の構造的差別や無自覚な差別意識に対する抵抗の歴史の一端を知ることができた。二項対立構造への対処として、ジャック・デリダの脱構築などは知っていたが、インターセクショナリティという概念は知らなかったので、『凜として灯る』とその関連本を読んでいきたいと思った。
かけと@kaketo_sato2026年2月6日読み終わった市川さんの芥川賞受賞時の演説がかっこいい。 社会や人との摩擦を感じられないことに対する反発、守られているというよりかは制度の外に置かれているって感じに並々ならぬ怒りが書かれている。


- ま@mtmtmtmtmt2026年1月11日読み終わった★★★★☆☆物理本へのヘイトが鮮烈だった 星の評価以上に良かった 変な話だけど(「変なの」というのはでも結局この星の数なんですね…という部分) 面白さだとこの星だけど、面白さでない部分でとてもよい
yo_yohei@yo_yohei2025年10月4日読み終わった@ シンガポールいきなり自分語りですが、自分で物語を作ったー3分くらいで終わるゲームを6本作っただけだけどーことによって 、作品全般の理解度が上がった気がしています。「なんでこれはこういう言い方にしたんだろう?」とか「なんでここにこの描写を入れたんだろう?」とか、そういう視点が増えました。 そういう視点から見ることができたこともあり、ハンチバックはかなり面白かったです。彼女、そして田中さんをなぜああいう人物像にしたのか、どうして今風の言葉が羅列される文体にしたのか。 ここからはボクの推察ですが、まず第一に、それは健常者に「この障害者の彼女は可哀想な人だ」という思いを抱かせないようにするため、同情心というノイズを生ませないためだと思っています。そのうえで、健常者に(おそらく読者の多くは健常者なはずです)、自分が持つ特権性をより深く突きつけているのだと思います。 そして、彼女とはある意味で正反対の恵まれた部分と恵まれていない部分を持つ田中さんを登場させ、物語に深く関わらせることで、物語がより深くなっていると思います。 著者の市川さんは嫌がるかもしれないけど、問題を明確にするために、あえて他の部分は恵まれているように描くところは村上春樹を思い出しました。 ラストの展開はボクは理解できていません。でも、それでいいんだと思っています。あのラストの展開があるから物語はさらに一段深くなっているし、理解できないまま抱え込むのが物語だと思っています。



あおい@booklover_aoi2025年7月21日読み終わったKindle Unlimited積読消化@ 自宅2025.7.21読了。 読みたいけど読むタイミングを逸していて、やっと今日読みました。 「生きていること」を描いた作品でした。 日本社会で見えなくされているものを、抑制も誇張もせず、そのまま書いたのだろうなと感じました。 見えないと「ない」ことにされてしまうし、今の社会では確かに「ない」ことにされていることが多いと思います。 そして「ない」ことにされているせいで、さらに偏見や忌避感を助長しているとも感じます。 とても考えさせられる作品でした。



maru@hon71772025年5月11日読み終わったKindle Unlimited@ 自宅紙の本が好き。と言えるのは特権… たしかに衝撃作。この言葉でまとめて終わることはあまりしたくないけど、考えさせられる作品だった。
maru@hon71772025年5月10日読み始めた@ 自宅【第169回芥川賞受賞。 選考会沸騰の大問題作! 「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだすーー。】




































