ファイア・ドーム 下

19件の記録
おりべ@oriver2026年8月2日読み終わったスルーッと一気に上下巻読めてしまってさすがのリーダビリティ。 一方で、このボリュームなら犯人のほうにもうちょっとなんか欲しかったような気がしなくもない。 でも満足!よい読書体験でした。
- 和三盆@GyokuroMatcha2026年8月2日読み終わったフィクション、だよね。息が詰まるような、苦しい、でも先を知りたい、でも読み進めるのが挫けそう、ただ結末を知らないままいるのは気持ち悪すぎる、上巻を読み終えた時点ではいっそ読まなければ良かったとさえ思うくらい。 都度都度、きちんとあぁじゃああれはそういう意味では書かれていたのか、てことはそうなるのか、そんな救いのない、と衝撃が来ることを前もって予期できるように、おそらく作者の意図通りの場所で気付いていても、それでも心にずしんとのしかかるようなフィクションの中の事実が重たかった。 辻村深月ってこんな作風の人だったのか。たしかデビュー作だった冷たい後者の時は止まるが話題になったときに読んだと思うのだけど、そのときは登場人物に自分の名前をつけていて、なんか変わってるなと思ったことしか覚えがない。改めて調べてみたらミステリー小説では使われることのある手法なんだ、自分のミステリー教養が不足していただけだった。 子を持つ親として読んだが、また子供が大人になったときに読んだら感想も変わるだろう。 2026/7/30-8/2

sauntm@sauntm2026年7月23日読み終わった@ 自宅辻村先生の小説はリーダビリティに富んでいて、毎回寝る間を惜しんで読み進めてしまう。 「こいつが怪しくない…?やっぱり!!!」と思うところが何ヶ所もあって、ページをめくる手が止まらず一気に読み終えた。すごい小説だ。 “噂は軽薄な娯楽だ。意図的に責任から逃げるよりも、ある意味では罪深く、だからこそ恐ろしい” 大好きな映画「怪物」と重なる部分が多かった。


イツキ@maruitsuki2026年7月12日読み終わった適切な距離で誰かを気にかけることは、とても難しい。無関心でいれば、その人の苦しみを見落としてしまう。しかし近づきすぎれば、相手の痛みを自分の興味や物語に変えてしまうかもしれない。善意だけでは、その距離を正しく保てない。わかったつもりにならず、それでも見て見ぬふりをせず、相手の反応を確かめながら関わり続ける。その不安定さを引き受けることが、本当の意味で誰かを気にかけることなのかもしれない。 『ファイア・ドーム』は、過去と現在の二つの事件を追う緊張感のあるミステリだった。同時に、私にとっては、自分が何を信じ、どんな言葉を誰に渡すのかを考えさせられる物語でもあった。噂を完全になくすことも、言葉が誤解されることを防ぐこともできない。それでも、だからこそ責任をもって言葉を選び、人と人をつなごうとすることには意味がある。透真の青臭くも誠実な決意を、私も忘れずにいたい。



月代@tsukishiro2026年7月8日買った読み終わった感想Kindleああ〜〜〜〜 映画2本くらいみたあとの重みが〜〜〜 序盤の序盤でクライマックスでは?と思いきや、次々と明らかにされる新事実に翻弄されました。 いやほんと、犯人捕まったねー、子供見つかったねーで単純に終わるはずなかった。 歳を重ねると児童虐待や性加害事件が本当に辛くなる。 上巻は誹謗中傷に晒された美冬にスポットがあたり、下巻はその恋人の新聞記者が中心となって展開していく。 根拠もない憶測、悪意のない噂に翻弄された上巻から、新聞記者として情報の精査を積み重ねて真相を明らかにしていく対比が見事。 上巻では仕事>恋人の最低記者だと思ってごめんね。君は良い役割をこなしていた。 いやいずれ映像化されるんだろうし、されたらされたですごく楽しみではあるんだけど、途中苦し過ぎて観れん。 新沼家に幸あれ………。
いちのべ@ichinobe32026年6月22日読み終わった面白かった〜! 犯人/真相は比較的わかりやすくサプライズ感は薄かったが、光汰朗誘拐のホワイダニットには驚愕したし、「この先がどのように描かれるのか」「登場人物はどう行動するのか」が気になって一気読みだった。 特に光汰郎、速斗、一樹、三人の子どもたちがそれぞれ個性と頭の良さと思いやりがあって、めいっぱい思い入れを強めてしまった……上巻が終わった時点で「出来ることなら誰ひとり酷い目に遭わないでくれ〜!」と祈るような気持ちで下巻をめくった。速斗が光汰朗の声に気づいたシーンでは、泣きそうになった。 > 「おじいちゃんの、大事な、子どものことだから聞けない」(p132) 光汰朗のこの言葉も、彼の聡明さと優しさが本当に切なくて悲しくて。 > 噂は軽薄な娯楽だ。一時興じて、あとは忘れる。消費して捨てる。その時にどれだけ熱くなったとしても。意図的に責任から逃げるよりも、ある意味では罪深く、だからこそ恐ろしい。(p308) 著者の辻村深月さんと澤村伊智さんの対談で、本作と『ざんどぅまの影』が「噂」という共通するテーマを扱っていると語られていて興味を持って。読み終えて、本当に読み比べるのが面白い2作だったなと感じる。どちらもきわめて現代的で、普遍的な、「噂」という人間の業が描かれている。 > 心配し、気遣う気持ちとともに、噂が広がる一因となるのはまぎれもなく私たちの興味と好奇心だ。悪意だという感覚すらなく、わかりやすい真実を求めて、地元だからと事件に前のめりになる。(p106) 『ファイア・ドーム』における「噂」は、善意や悪意や正義感より、軽薄な興味と好奇心によって広まっていて、その点がよりモヤモヤできてよかった。興味や好奇心という特性があるからこそ、人間の社会は発展したのかなとも思えるので……。 また、以下のような被害者、加害者家族の言葉が、非常に重く響いた。 > うめきとともに声を吐き出すと、自分が、この可能性を実はまったく想像もしていなかったことを初めて認められた。光汰朗が戻ってくる未来。孫が生きている未来を、あんなにも山を駆けずり回り、捜しながら、忠治はまったく考えることができずにいた。望みは捨てない、という気持ちは、自分が自分についた大噓だ。忠治は諦めていた。なぜなら知っていたからだ。子どもはある日、急に殺されるのだということを。(p34) > 「どうか、記事にはしないでほしい。もし掲載されたら猛抗議する。──あんたたちにとっては単なる事件の一つにしかすぎないかもしれないけど、こっちはこれが人生なんだ! こっちは生きてるんだよ!!」(p87)
- みさ@mi332026年6月14日読み終わった私も、誰でも、ここに出てくる誰かになり得る。身近で起きた事件に自分も参加している気になって噂話をしたり。聞いた話だけで誰かを恨んだり恨まれたり。殺されたり殺したり、罪を犯した人の身内・被害者の身内になることだってある。真実によって救われる人、傷つく人がいる。それでも噂話で人が傷つくよりは、ナイフは真実であるほうがいい。一気に読んだ。とても良かった。
















