文庫版 鵼の碑
29件の記録
蛾のおどり@Nachtfaltertanz2026年5月10日読み終わった「仲良くしようと云うのは、同じになろうと云うことではないんですよ。違うものを違うままに容認し合うと云うことでしょう。でも、これが出来ないと云う人は殊の外多いんですよ。違うのは間違っている、直せと云う。自分と同じにしろと強制する。出来なければ」 排除する。 「人は一人一人皆違う。個と個は対等です。でも何か基準を設け、それに当て嵌まるか否かと云う形で見るならば、それは数値化される──数として認識される。そうなると、個個の違いなんかは無視されてしまうんですよ。多数は少数に勝ると考えてしまうのでしょう。その方が楽だからです。そして少数派は同化を強いられるか排除されることになる。時に、人権までが蹂躙されることになる。多数派が常に正しいとは限らないんですがね」 「それは」 何だか身に沁みて判るよと関口が云った。 ----------------- 「そうしたことは、今に始まったことではありません。しかし、その昔は、そうした自分とは異なる者と共存するための文化的装置があった」 妖怪ですと中禅寺は云った。 「それは解らない。そう云う人達を化け物扱いすると云うこと? それって、余計に差別的じゃない?」 「違うんだよ緑川君。化け物は化け物なのであって、人間じゃない。人は人ですよ。化け物は、異った文化習俗を持つ他集団との間に生まれる恐怖、軋轢や齟齬そのものなんだ


いち@INTJ_GEMINI2026年5月3日読み終わったまるで「狸」に化かされたような心地よい脱力感に包まれています。脳内に広がる緻密な映像美は、思わずNetflixでの実写化を願ってしまうほど。 前作から途方もない時を経て届いたこの一冊。読み終えるのが惜しくてずっと大切に積んでいましたが、意を決して踏み込んだそこには、作家の圧倒的な博識と、小川哲さんが解説で触れたような幾重にも重なる「次元の入れ子構造」が待っていました。 文庫版という名の「鈍器」を両手で支え、その物理的な重みごと物語を味わう。まさに贅沢で、特別な読書体験でした。
駄駄野@enmr3102023年9月23日読み終わった蛇、虎、狸、猨、鵺の章に分かれて、それぞれ全く異なる事件に巻き込まれながら、全ては20年前の日光で起きた事件?に収束される。このシリーズにしてはかなり珍しい最後を迎えたけど、それが17年の空白期間によるものなのか、それとも作中世界がもはや戦後では無い高度経済成長期に突入しようとしているからか。
クッミ@qumi_chan2023年9月22日高校生ぶりくらいに京極先生の本読んだ。 大人になってから読むと、作中の設定年代は昔だけどめちゃくちゃ時事ネタだし視点が優しいなと思った。 レンガだったし働いてるから読み終わるかなーと思ったけどスルッといけた。良かった。
まお@mao_ssss2023年9月17日読み終わった関口くんは何度も何度も不思議なことなどないと言われても、不思議だなあと思ってしまうんだね。そこがとても俗っぽくて大好きだ。この文量だからこそ成し得る不可解の集合。それが見事解きほぐされる時、そうこれが読みたかったんだよと感激した。良い読後感。
































