地下室の手記

20件の記録
- よみみ@yomir2025年10月8日読み終わった感想某チャンネルの好きな本紹介回でおすすめされてたから借りてきたんだと思い出した。 すげ〜〜こじらせおじさんブログみたいだった!! 偶然にも直前に読んでいたのが自傷的自己愛の本で、まさに地下室の手記の主人公もこれやん!となりました〜。 本当に醜く肥大した過剰な自意識とかさ〜、1章はまだ読めたけど過去の回想である2章は読んでいて途中で嫌な気持ちになった…つまりはすごい作品てことだ!根性で読んだ! 最初の方何者かになりたがってたけど、何者かになりたがることで自分はまだなれていない=まだ可能性があるって思いたいのかなぁと思った。 主人公が僻む対象は何者かになっているのだろうが、その人たちはきっと自分が何者かになり得たなんてそんなこと毛頭考えていないと思う。 「こころ」とかにも人間の汚い心のうちが書かれてるけどそれのもっとピンポイントで高濃度な感じ。わかる人にはわかるのだろうなぁ。私も一部わかる部分はあるけどって感じです。 今の時代こそいるよね、自意識過剰により引き起こされる墓穴掘り!本来発揮すべきところではまるで無力なのに無駄なところで空回りした行動力!墓穴ほりほり!全ての選択肢間違える!みたいな人。 風俗嬢に説教するおじさんも絶対いるよな〜と思いました。リーザ、貴重な存在だったのにね。 ただこういう攻撃性とか諸々を抱えている人が孤独にならないことで世界は多分平和に近付くけど、こういう人が孤独にならないためにはいまのままの性格では難しいよな〜とも思ったり…。 読んで決してハッピーにはならないけど人間の内面の表現としてやっぱりドストエフスキーはすごいなぁと思った!貧しき人々に次いで2作目だったけど、もし地下室の手記を最初に手に取ってたら他の作品を読もうとは思わなかったかもしれない!そのうち気が向いたら多分他の作品も読むと思う〜。 【お気に入りの言葉】 人間はとかく、自分の不幸だけを数え上げるのが好きで、幸せは数えないものだ。でもちゃんと数えてみれば、どんな人にも幸せはそれなりに与えられていることに気づくはずなんだ。
- uey@uey2025年9月15日読み終わったドストエフスキーらしさが詰まってる。 第1部の人間についての考察は圧巻。ひたすら愚行権みたいなことについてドストエフスキーのあの文体で考察がされてる。ずっとピアノのキーと2×2=4にいちゃもんをつけてる(笑)。 第2部は地下室人の昔の思い出が小説っぽく描かれてるが、まじで痛すぎる…。でもよくわかる。 「たとえ人間のしていることと言えばただ一つ、二、二が四を探し求めることであり、そのためには大洋を渡り生命を犠牲にすることも厭わないとしても、実際にそれを見つけ出してしまうことは、確かになぜか怖れているのだ。見つけ出してしまったら、もう何もすることがなくなると察しているからだ。労働者なら、一仕事終えれば少なくとも金がもらえ、まずは居酒屋へ行くだろう。その後は警察の厄介になり、それで一週間はつぶせるわけだが、普通の人間はどこへ行けばよいのか?少なくともそうした目的を達成するたびに、人間にはどことなくぎこちない居心地の悪そうな様子が見られる。人間は、なにかを達成するプロセスは好きなくせに、目的を達成してしまうことはあまり好まないときている。これはもちろんひどく滑稽なことだ。要するに人間は喜劇的に出来ているわけだ。明らかにこれらすべてが、駄洒落のようなものだが……。それにしても、二、二が四とは、実に鼻持ちならない奴だ。二、二が四なんぞ、俺に言わせれば、厚かましいにもほどがある。偉そうに恰好をつけて、腰に手を当てて人の行く手に立ちはだかり、頭から人を蔑んでいるじゃないか。二、二が四が実に申し分のない結構なものであることは認めるよ。でもなにからなにまで誉めるというなら、二、二が五だってときにはそれは可愛らしいものだと言えるんじゃないか?」
- mac_355@mac_3352025年9月15日読み終わった・現代でこの本を手に取る人達は、「一章・地下室」では少なからず共感し、自分を映すのではないだろうか。啓蒙主義やAIによる進歩主義に対して、私達が抱いている違和感を代わりに怒ってくれている。 ・「この世で人類が志向している目的というものはすべて、この達成への絶えざるプロセスにのみある。」
- CandidE@araxia2025年8月22日読み終わった読書計画ではもう少し先の予定だったが、レーモントフ『現代の英雄』を読んだ勢いで、余計者の系譜として読みたくなった。相変わらずめっちゃ面白い。 当訳は、これまで読んだ中で最も、冒頭の主人公が理知的で自意識にも制御が効いているように感じた。これはこれでインテリという背景に整合しており、好印象だった。全体に分かりやすく、すっきりとしてとても読みやすい。文章のドライブ感も、人間としてイってしまった感じも、十分に味わえる。素晴らしい。 ただその分、他訳に比べてねっとりした低域は控えめで、自意識の諸刃の食い込みや神経症的な濁り、あの全てがガンギマったどうしようもない切迫感はやや希薄。良くも悪くも、一生後を引く猛毒は和らいでいるように思われた。読後感は一長一短。二、二が四。
- ねこさん@nekosan2025年3月13日読み終わったすごく面白い。主人公が現代に生きてたら多分Twitterしてる。 読み終わった。面白いが読みづらい。最初から最後まで人間ってこうだよな〜となる。読んでてあまりにも主人公の考え方や行動に心当たりがありすぎてしんどくなったけど、国も世代も違うのに共感できるのはなんだか感動した。
- らてちょこ@latecho_legal2025年2月20日読み終わったドストエフスキーの転換点となる気鋭の一作。 当時ロシアに押し寄せた合理主義は、今もなお様々な形で我々の前に姿を現している。 果たして、我々は「合理」を受け入れるべきなのか?