マリはすてきじゃない魔女

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はな@hana-hitsuji052026年10月10日買ったブックサンタシンプルに可愛くて楽しいお話でもあるから、ただ楽しんでほしい。 でもこの本はそれだけで終わらなくて、手に取った誰かが苦しい時それを必ず助ける、そういう本だ。









はな@hana-hitsuji052026年9月29日読み終わったKindle UnlimitedKindleついに読み終わってしまった… なぜかピンと来て前情報0で観たレイトショーが、思いのほかど真ん中過ぎて、映画館を出た後も頭の中が余韻で充満している時と同じ状態。 第8章 きょうはみんなの記念日 自分の家族がどんなにすごい能力を持っていたとしても、今はみんなの役に立たなくていいからのびのびしていてほしいと思うグウェンダリンママとユキさんママ。 子どもはこんな風に大切にされて育っていくべきだなとつくづく思う。 「たったひとりでいちばんにならなくていいのかも」 グウェンダリンママは、好きじゃない仕事をしていたんじゃなくて、義務や責任の重さで楽しめなくなっていただけなのかも。 責任感って無いのは良くない感じがするけど、真面目な人はそれをより多く背負ってしまう。 「タコスの包みをお客さんにわたすユキさんはこの二週間で、すっかりおばさん魔女になりました。ほおに刻まれたシワやたるみや首のシワに、ユキさんは毎朝、鏡でうっとり見とれています。自分ってなんて美しいのでしょう」 ユキさんやモモおばあさまが若々しかったのは、自分の未熟だと思う部分に対して自信がなかったからなのか。 ユキさんみたいに、自分のことをどこか一部でもいいから「自分ってなんて美しいのでしょう」と思ってみたい。 美しさと醜さって一体なんだろうな。 スジもレイもマリも、相手に対してシンプルに正直者。なのに誰も傷ついていないこの関係を羨ましく思う。 何でも思ったことを言っていいわけじゃ無いけど、感じたことを「これを言ったら相手はどう思うのかな」なんて心配せずに伝え合える人間関係がほしい。 「モモおばあさまはむかしからほんとうはずっとこう願ってきたのです。自分よりもっと若いあとの世代の女の子が、もっと自由に、もっと気楽に生きられるそんな世界になりますように、と」 レイの願いも叶った。 それは、レイの孤高の心が魔法みたいに届いた証だ。 私も、私が子どもの頃や働き出したばかりの若い頃にショックを受けたり、道を閉ざされたり、傷ついてきたことが、私より若い人や子どもたちに繰り返されたり継承されないように世界が変わっていけることを強く願っている。 最後の文章を読み終えて、ホーッと息をつく。 作者の後書きは映画のエンドロールの最後のおまけ映像みたいでニッコリしてしまった。 「空は飛べなくても、なにをすると自分の心が大きくふくらむのか、それをわかっている人は、いつか、とても大きな魔法を使えるはずですから」 ああああ、誰かの心のことばかり考えるのではなくて、圧倒的に自分と向き合う必要がいつもある。 好きな色が数年おきに変化していくことや、ヒールのある靴が大好きだったのに、今はそうでもないこと、10年先のことを考えなさいと言われてボンヤリしてしまったあの日のことなど。 自分自身もいつのまにか移り変わって行くのだから、その時々の自分が今は何が好きなのか、どんなことを素敵じゃないと考えてきたのか、ちゃんと話し合ってわかっていたいなと思う。 ほんと、まさかこんなに素敵な本だったとは! しかも2023年クリスマスに発行されてるの見て、ブックサンタの本になるために生まれてきたんか!と呟いてしまった。 追記:グウェンダリンやスジの名前の響きが変わっているな〜と思って調べてみたら、グウェンダリンはイギリス・ウェールズに由来する名前でヒットして、その意味は「白く輝く輪」や「白い眉(の美しい人)」で、愛称はウェンディ!(じゃあピーターパンに出てくる女の子もグウェンダリンって本名かもしれないのか!) マデリンの語源はマグダラ、スジは韓国語で秀でていて賢いみたいな知性を感じさせる言葉だった。 作者がそういうニュアンスを込めたかはわからないけど、勝手にキャラクターとイメージの一致に楽しくなってる。特にマデリン。 だとしたら、マリは真理って意味かな。





はな@hana-hitsuji052026年9月28日まだ読んでるKindle UnlimitedKindle第7章 魔法だけが魔法じゃない 第6章でテンションがフルスロットルになった私の粗熱をとるような第7章。緩急素晴らしい。 ナメクジは苦手だし触ろうと思うことはこれからもないだろう。でもどんな生き物でも生きるためにそういう形になったわけで、別に私のことを怖がらせようとして進化したわけじゃない、確かに。 計算が得意なスジ、物知りのレイが力を合わせて、大ピンチに立ち向かう。 レイが、自分の信じた「すてき」に、なれた瞬間を感じているところで、こちらの心まで小さく震える。 自分も自信がない時、なりたい自分になれたと思えるために、肩書きを欲しがった時期があったのを思い出す。それは自分を守る鎧みたいな感覚だったかも。でも、結局肩書きを手に入れるまで努力した自分とか時間とかそういうものの力を借りて、自分の思い描くすてきな自分になりたかったのかもしれない。 なりたい自分だと思っていた姿のもう一つ奥に何か見えてきそうな時ある。 イソ先生みたいに相手に届いているかわからない思いを送り続けていたら、ある日それがしっかり受け取られていたんだと気づく日がいつかこうして来るのかもしれない。贈り物みたいなやつ、時々ある。 「もしかしたら、だれかひとりが無理に背負わなくてもいいのかもしれません。みんなでちょっとずつできることを分担しあえば」 「でも、そのためにはつらいときに助けてといえる勇気が必要なのかもしれない。グウェンダリンはずっと自分には勇気があるとばかり思っていましたが、ほんとうに強いのは、できないことをちゃんとことばにできる魔女なのではないでしょうか」 それぞれの中の「すてきな魔女」の定義が塗り替えられて行くの、本当にすてき。 なんなんこの本。セボンスター的なすてきが後から後から溢れてくる。




はな@hana-hitsuji052026年9月27日まだ読んでるKindle UnlimitedKindle第6章 すてきの代償 ぎゃー…!と声が出てしまう!げ、激アツ!! なにこの展開は!!! 私がビバヒル的な連ドラシーズン1のモブだったらずっとAWWWWて喉鳴らしてると思う。 (そういう連ドラはシーズン続き過ぎて最後まで見れた試しはないのとビバヒルは見たことない。あくまでもイメージです 「あなたは自分のきもちを形にできる。わたしにはできないすごい魔法」 グウェンダリン、そう!よく言った!! 彼女の魔法はそういうことなんだよ!! そしてそれを伝えることは、あなたの魔法なんだと思う。 「すてきな魔女っていうのは、人間の願いをかなえる魔女。つまり、自分の心よりも、人間の心を優先することが求められます。でも、マデリンがいま使ったような──、強い魔法を使うには、まず、魔女自身が心に強いイメージをもっていないとだめ」 すてきな魔女とは、いつでも相手を最優先することを求められてきた人たちのこと。 でもそれに応えることを繰り返してると、本当に自分がどうしたいのか、何が好きなのか、わからなくなるよね… モモおばあさまだけじゃない。自信のないユキさん、努力のかたまりグウェンダリン、そして他の魔女たち。 「まってくれ。俺たちはすてきにしろ、なんていちどだってたのんでないぞ!」 うわうわうわ、だ〜ま〜れ〜 言ってくれなきゃわからないとか、悪気はなかったんだからみたいな言葉と同じくらいイラつくのはなぜ。頼んでない、勝手に気を使われたらいい迷惑だと? 実はまえから僕もそう思っていたんです、だと??なんだと!!もっかい言ってみろ〜!! 「みんな、魔女さんたちの力に頼っておいて、尊敬するきもちがないのはおかしいよ! なにかあったらこんなふうに責めるのも卑怯だよ!」 すてきな魔女に憧れたレイ。 しっかりハッキリ怒ってくれて、胸がスッとした。すてきなこと自体が悪いことだったわけじゃない。思いやりから生まれた行いの上にあぐらをかいてしまったんだ。 「自分はなにを守ろうとして、なにをこわがっていたのでしょう」 あああああここから怒涛の名台詞がスイーツみたいに往復ビンタしてくる!! ちゃんと見てる人がいるんだと信じたい。マデリンみたいな魔女になりたい。いや、モモおばあさまも、ユキさん、グウェンダリン、レイ、みんながとんでもなくすてき過ぎる! すごい…読んだ直後よりも思い出しながらこうしてメモしてる間にちょっと泣きそう。







はな@hana-hitsuji052026年9月26日まだ読んでるKindle UnlimitedKindle第4章 南極と南国 「マリはそこがいいと思いました」 マリは多分、多くの人が特に立ち止まることのない魅力を感じないものに対するアンテナが立っていて「そうは見えない、思えないかもしれないけど、そこがいいよね」という描写が何度か登場する。 子どもの頃って周りの大人が思う良いもの、すてきなもの、そうじゃないものや言葉を覚えて、それぞれをそういうもんだと思いながら大きくなっていく部分が多いんだろう。 「そうだよ。わたしは自分のためだけに魔法を使ったんだよ。人間のためじゃない」 利己と利他について考える。 モモおばあさまの世代は、自分の気持ちより周囲の人を優先させ過ぎているように感じる。 マデリンは、自分のためだけに大きな魔法を使って、人間や他の魔女から離れて暮らすことになったところは、何だか結婚や家庭を持つこととかそういう典型的なコミュニティを選ばなかった女性の象徴にも感じた。 それって不幸せなことになるのかな。 すてきじゃないと思う人間も0じゃないだろうけど、マデリンは自分を大切にする道を選んだ。モモおばあさまの選択は、本人の意思ではなかったけれど、彼女もマデリンもやり方が違うだけで、いつもえらいとマデリンは思ってる。 「女の敵は女」みたいな言葉を思い出す。 分断しているように見える関係性でも、実はフィールドの違いを認め合ってお互いの場所から子どもや孫たちのために世界をより良くしようとしているのではないのかな。 なんかネルソンさんみたい。加害者と被害者は確かに戦場にいるけど、本当の加害者は別にいる感じ。 分断してるのは当事者ではなく、他にそういう状況を作り出した者がいるような。




はな@hana-hitsuji052026年9月26日まだ読んでるKindle UnlimitedKindle第5章 グウェンダリンの秘密 すごい…!すごいよ柚木麻子!! (興奮したら作家のこと呼び捨てにします こんな可愛いイラストの表紙に魔女で、ここまでのメッセージ性入れ込めるものなの?? これまでの児童文学とか魔女モチーフの話で私がそこまで読み取れてなかっただけ?? 最後まで一気読みしたい気持ちと、読み終わりたくない気持ちがビックリするほどせめぎ合い過ぎ。 これもう絶対サンタブックにする!!! 「小さなころから、みんなはグウェンダリンを優秀だ、かしこいとほめそやします。でも、それはみんなのなん十倍もがんばって、ようやく目立つ程度」 「そもそも、うらないが自分にむいているとか楽しいと思ったことは、いちどもありません。うらないはグウェンダリンがつかえる魔法の中でもっともよろこばれるものでした」 「でも、本当に役に立っているといえるのでしょうか」 グウェンダリンはパーフェクトな天才型の魔女なんだとばかり思ってた。冷静沈着で完全無欠。クールな優等生。 でもフタをあけたら家族のために、自分が好きなことじゃなくて、相手に喜ばれることを頑張りながら、苦しみや悩みを秘めて働いていたのか…! 優しいことは弱いことじゃないはずなんだけど、心が揺れ動いてしまうことがなぜ弱さに見えてしまうんだろう。 「そのむかし、魔女はぜったいにお金をうけとってはいけないというルールがありました」 「そんなことよりも、人間がしあわせになれるように、自分はそっちのけにして、がんばるのがよしとされていたし、いまだってあまり変わらない気がします」 ここ読んですぐに専業主婦が思い浮かんだの私だけ? どんなに周囲のケアをしてもそこにお金が発生するのは無粋みたいな扱い。 お金や仕事ぶりに対する評価をちょっとでも求める素振りは「すてきじゃない」枠に押しやられるの、でもなんか!利用されてるみたいだ。 「あなた、魔法つかえないじゃない。魔法つかえない相手に助けてもらうなんて、なんかはずかしい……」 さっきはグウェンダリンを専業主婦みたいに感じていたのに、この台詞で一転して昔の父親みたいな立ち位置。いつのまにか自分の方が持っている能力1つで家族を支えてるって思うのかな。 本当は「はずかしい」じゃなくて他の言葉だったんじゃないかな、グウェンダリン。 助けてっていうのが恥ずかしいのは自分の方なのに、相手が傷ついてしまった。 弱音を吐けないしんどさが彼女の秘密か。







はな@hana-hitsuji052026年9月25日まだ読んでるKindle UnlimitedKindle第3章 コウモリパフェ モモおばあさま…ごめん。 第2章で「すてきじゃないって何やねん」とか思ったけど、子どもの頃から周りのために期待に応える生き方がしんどいことは私もみんなも知ってる気持ちだ。 例えどんなにすてきに見えるひとも、誰も見てない場所で泣いたりしてるんだ。 「人間と魔女がいっしょに生きていくためには、人間の目で見たときに「すてきじゃない」とされたものたちは、みんな黒すぐりの森に置いていかれたのです。動物だけじゃなくて魔女も、です」 なんか和平の名の下に、結局弾かれてきた存在があるのよな…。沢山の人間と仲良くしていくために、自分の親友の手を離さなきゃならんかったのって、なんかなんか。 「思い返してみれば、モモおばあさまの人生とは、ずっとがまんの連続だったのです」 褒めるっていうのも、難しいなと思った。 すてきって言われて嬉しくないわけじゃないけど、じゃあすてきじゃない時は何て言われるの?どんな状態になっても心の真ん中にいる自分は自分な気がするんだけど。 「魔女の世界だって古い価値観をすてねばならないことも、モモおばあさまがいちばんよくわかっています」 「せまく、おきてを大事にする魔女の世界であたらしいことをはじめるのには、人間の世界でそれをするよりもなん倍もじかんがかかります」 この描写で、どれほど難しい時間の中にモモおばあさまが生きてきたのかがわかった。



はな@hana-hitsuji052026年9月24日まだ読んでるKindle UnlimitedKindleうわわわわ… 「名作なんて、こわくない」の中で滲み出ていた作者のコアがこの本には星屑みたいに散りばめられている。ラメのイメージ。 しかも第2章読んで気付いた、これエトセトラブックスから出版されとる…!!(遅 間違いないやつだった。 「知れば知るほど、いま当たりまえに目にしているものひとつひとつから、それが生まれた意味や物語が、ミルクに落としたバニラのように広がっていくのが、たまらないんだそうです」 わ、わ、か、る…!!!! 本を読めば読むほど世界が拡張していくのを止められなくて、でもこんなに広がってるのにそれはまだ天の川銀河の中の太陽系に過ぎないことを思い知らされている。 「いま、石の花町ではごく当たりまえになっていることはみんな、はるかむかし、当時は「数が少ない」とされてきた人たちがそれぞれ勇気を出して戦って、変えてきた結果なんだそうです。 魔女の権利もまたしかり、とレイは歩きながら、説明してくれました」 今の当たり前が100年前にどれくらい同じように当たり前だったのかを私たちはもっと自覚した方がいいよなと切実に思う。 数年前まで「選挙とか行ったことないです」と言う後輩に苛々していたこともあった。 でもそれは先人の努力で獲得してきた「権利」の尊さを伝えていけなかった社会の責任でもあるのだろうかな。そして自分も次のステップのひとつとして、選挙以外の方法で社会をどう変えていけるのかを考えてる。 「塩の柱はね、裏切りものにだけかけられるこわい魔法なんだって。迷いが見えたら、みんな疑わしいって、あのころは思われていたんだよ」 「わたしはどっちも悪くないような気がするなあ。なんかいやだね。悪いのは、すてきな魔女と、すてきじゃない魔女に勝手にわけた人たちのほうでしょ」 こういう空気感のヤバさをこんな風に子どもも読める形で物語の中に素晴らしくフィットさせていることに感動した。 「マデリンだけは、すてきな魔女になることをこばんだの。それで魔女たちから仲間はずれにされた」 時々ふと思う。 まずみんなが思うような「すてき」でなければ認めてもらえないの? そしてすてきであることを拒んだり選ばなかったら、仲間外れにされるの? じゃあ仲間はずれするってすてきなことか? すてきって、100年経ってもずっと同じすてきのままでいるものなのか? 意見や好みや考え方が違っても、マリと友達の2人みたいにそれぞれお互いのことを「あなたはそれが好きで、そんな感じなんだね。私と違うね。でもいいね」と思いながら一緒に仲良くいられる関係がいいな。 この本、もうかなり好きになってる。 子どもにも、かつて子どもだった人にも読んでもらいたいと思ってしまった。








はな@hana-hitsuji052026年9月23日読み始めたKindle UnlimitedKindle柚木麻子の児童文学!?と思って読み始めてみた。 初っ端からワクワクする設定。期待が高まる。 ひとの期待に応えられていないと感じる時、自分にがっかりすることがあった。それって何でだ。 私も先人が積み重ねてきた苦労と獲得してきたものの貴重さを噛み締めつつあるけど、それって10代の頃に気づけていたかと言われると…。 「現代ではもうそんなことないでしょ」と思えるのは、まだ自分がそのステージに足を踏み入れていなかったから、という場合も大いにあったなと思いながら第1章を読み終える。 物語は始まったばかりで、展開は全く読めない。









ぽんぽこピッツァ2号店@tamagodyeah2026年2月8日読み終わった読書記285 子どもの頃にこんな物語に触れたら、どんな大人になるんだろう。色んな呪いやプレッシャーを黙って受け入れて自分を失うんじゃなくて、ありのままの「自分」を肯定できるようになれるかな。 込められたメッセージを強力に感じるし、一方で可愛い魔女たちが活躍する冒険物語でもある。



