翼

32件の記録
jaguchi@jaguchi872026年10月9日読み終わった李箱。日韓併合直後に生まれ、京城(ソウル)で高い教育を受け、韓国語と日本語で新しい文学を試みた都会人のモダンボーイ。東京で逮捕され、病状の悪化により26歳で死んでしまった。 詩が特に実験的で、簡単に「分かる」とは言えない難解さと不可解さを抱えている。詩をもっと読みたい。 表題作の小説「翼」には体を売って稼ぐ妻と、その妻に養われ、妻の仕事部屋の隣室で寝起きしながらも妻の職業が何なのか分からない、という夫が登場する。 もちろん李箱の作品は日本の植民地支配という歴史を抜きにしては語れないだろうし、語るべきでもないだろうけど、新しい表現への挑戦と、このどうしようもなさ、怠惰と苦さと倦怠を見よ、という気迫がある。 李箱の言語と文字の使用について、訳者の解説がとてもよかった。韓国語の文章で李箱があえて漢字表記したところを、現在韓国で出版されている本では漢字を一切使っていない、とのことだ。 ・私の裸の言葉を翻案して都会に送ってあげたい。眠りたい──聖書の文選の途中で活字箱をひっくり返した印刷職工があわてて拾った支離滅裂な活字の夢の中で、私もぼろをまとった使徒となり、三度ではなく十度までも、飢えたる家族を知らぬと言うことでしょう。(『山村余情──成川紀行中の何節か』p.137)





- いんでゐ@indiana2025年12月31日李箱文学賞と言えば韓国ではもっとも権威ある賞だという。全く存じ上げなかった不明を恥じ入るが、その彼が戦前東京で警察に逮捕されそれが原因で27歳の若さで亡くなったと知り、なおのこと立つ瀬の無いような気持ちに。 植民地時代の世相のせいか、どことなくやるせなく、救いがないような雰囲気が漂う。 nhkラジオで紹介されており購入。年末年始に読了。

マヤ@mayaya_20252025年1月22日読み終わったマザー・グースのような不穏な詩で始まり、太宰味のあるヒモ小説にドン引きさせられたかと思えば、美しい山村を描いた紀行文や童話でややほっこりし、そして超前衛的な詩でギョッとさせられる、一冊でいろんな読書体験ができた。 訳者である斎藤真理子さんの丁寧で心のこもった解説も含めてとても味わい深い一冊だった。




























