時計坂の家
32件の記録
ユメ@yume_bookworm2026年8月31日読み終わった感想高楼方子さんの『十一月の扉』は昔から幾度となく読んでいる大好きな物語なのだが、この『時計坂の家』は未読だった。少女が夏休みに不思議な出来事を体験するお話だと知り、8月最後の日に読んだ。作中の季節に合わせて本書を読むのは、主人公フー子にとってのひと夏の冒険には及ばないかもしれないが、私にとっても忘れがたい体験となった。 汀館という美しい港街に位置する祖父の家で、フー子は古びた懐中時計を発見する。その時計に見入っていると、いつしか目の前の景色がぼんやりと変化し、花咲く美しい園が現れるのだ。 幻の園に対する、フー子の甘く切なく焦がれるような想い。(今ではとうに大人と呼ばれる年齢だが)私もかつては夢見がちな少女だったので、フー子の憧れには共感する。その一方で、彼女のあまりの空想力の強さが空恐ろしくもあった。 『十一月の扉』の主人公・爽子も想像力の豊かな少女だが、彼女のその力は自ら物語を綴ることに向かい、精神を健やかに育む方へと作用している(そして爽子は、そのことに自覚的ですらある)。だが、フー子は、美しいものに強く魅入られすぎる自身の性質の特別さに無自覚で、そこが危ういのだ。 幻の園に隠された恐ろしい秘密に囚われそうになったフー子を救ったのは、現実世界にできた大切な存在だった。その結末はほろ苦くもあり、一抹の温かさも孕んでいる。


🌜🫖@gn8tea2026年5月31日読み終わった借りてきた「自分にしっくりとあった環境の中に、ひとりのものとしている、ということがもたらす解放感。大人になることを恐れていたけれど、大人というのは、もしかすると、親の子どもではなく、家族のひとりではなく、ただ自分がいて、自由に生きることができるということなのかもしれない。それならば、怖いどころか、なんとすてきなことだろう。だが、その解放感を封じこめて、また自分の家に戻り、二学期の日々と馴れあってゆくのかと思うと、フー子は情けなくなるような疲労を感じた。 …(中略)... 心のひだが、たとえどんなに複雑な成長を遂げようとも、強いられた環境の中で、強いられたことを、ひとつひとつこなしてゆかなければならないのが、十二歳というものだ。」 12歳のわたしに読んで欲しかった物語。 高楼方子さんの小説を読むと、あのころのわたしがいるようで胸がギュッとなる。 ただ、どうしても淡い異性愛を描かなければならないようなのがなんとも……。
みすみ@mi_sumi2025年12月13日読み終わったTwitterで見て気になっていた本をようやく図書館で見つけることができた! 子供向けだと思うけど、大人も十分楽しめる作品。夏のじっとりとした温度感と、憧れのいとこと、遠くの港町、そこで起こった不思議な体験……こんなの惹かれないわけがない。- あかからきいろ@aka_kara_kiiro2025年4月20日読み終わった借りてきた祖父の家での一夏の不思議な出来事。 読書に年齢は関係ない と言っても、やはりしかるべき年齢の時に出会いたかったな。

ぽぽみ@vaniiiraaa1900年1月1日かつて読んだ昔、何度も図書館で読んでいて、大人になってから買った宝物のひとつ。大人になってからの方がむしろ楽しめている気がする。不思議に包まれたい時に読む作品。


























