文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学

20件の記録
- 藤野ふじの@fujiponsai2025年7月12日山本さん、こんにちは。宮﨑さん、こんにちは。からはじまる往復書簡形式の文芸評論。「文豪と犬と猫」というタイトルから、文豪秘話的なことを期待して読む人いるかもしれないが、その期待以上に文豪の、犬と猫にまつわるあれこれが満載だった。志賀直哉、やばいな……と思い、さっそくあまり読んでいなかった志賀直哉の本を読みたくなった。あと、文豪たちが互いの犬猫愛に、どん引きし合ってそうなのもいい(筆者ふたりの犬猫愛も文豪に負けずに深い)。 エピソードトークで終わらず、犬と猫に絡む文豪のエピソードから彼らの作品を改めて読み解いてくれるため読んだことのある作家の本も読みたくなった。奈良にもいきたくなる。沼。 ふたりの書簡は、文豪に呼ばれるようにどんどん深いところに降りていく。あとがきを読んでちゃんと戻ってこれたことに少しほっとする。
- ハム@unia2025年7月4日読み終わったおもしろい。 犬派か猫派で文学批評。 ガチガチの評論では見えてこない魅力がある。 谷崎潤一郎、室生犀星、内田百閒などの猫派にやたらと興味をそそられた。というか猫派を担当してる山本莉会さんの文章が良い。 谷崎潤一郎の在り方についてだったり、室生犀星の評価だったり、犬猫からの人となりを通して作品を読みたくなる。 「人間はその生涯にむだなことで半分はその時間を潰している、それらのむだ事をしていなければいつも本物に近づいて行けない」という室生犀星の作品の台詞、いいな。 深掘りしてみたくなった。
- どんつき団@dontsukidan2025年6月28日買った読み始めた第2回市川ブックフェティバルで購入しました。この日は発行日、しかもその場におられた著者のお二人からお手渡しのサイン入り。 発売翌日には重版出来の報が駆け巡るという幸先の良いスタート。 今日から読み始めていますが教科書で名前しか知らなかった文豪がまるで現代の著者のように生き生きと描かれておりページを捲るごとに文学の世界を近くに感じます。 往復書簡を取り交わす二人の著者がそれぞれ深いところへ自ら足を踏み入れる姿も克明に記されており、この野心的な試みがこれからの往復書簡書の在り方を決めてしまうのではないかと思うほど。