世界終末戦争(下)
19件の記録
一年とぼける@firstareethe2026年2月8日読み終わった感想ネタバレあり上巻でカヌードスの反乱へと向かう為に多数の人物、時間軸を溜め込み突き進んだリョサの「イメージ」全てを剥ぎ取る様な下巻。上巻までの凄まじいスピード感から一転して、下巻で描かれる「世界終末戦争」の纏わりつく執拗な描写が印象的だった。 イメージを剥ぎ取られる様はまさにメガネを無くし完全な無力として怯え縋りつき這いずる事しか出来なくなった近視の記者の様と重なり、リョサ自身もカヌードスの反乱という史実と向き合うにつれ近視の記者の様になっていったのだろうか、などと考えた。 カヌードスの内部にいながら、その行為に参加すら出来ない無力。「見る」という実際的な確証を得られず、又聞きや触覚という、記者という人物にとって曖昧な確認にしか至れない不感。記者はカヌードスの反乱についてジャーナリズムの観点からその真実を示そうとする事が示唆されるが、それもまた歴史と西欧知性によってカヌードスの反乱から隔たれたリョサ自身を象徴している様だった。 ガルシア・ガルが語り手となる前半部における「イメージ」の拡張と推進は、ガルの死後の語り手、近視の記者からなる後半部の「史実」に押し潰されてしまった印象にさえなる。リョサの作家性は、カヌードスの反乱という史実に敗北し、ただの傍観者として描く事を余儀なくされたのではないか、と。 作家としての結末のヘテロロマンス・セックスへの回帰・回復という手垢に比して、最後の最後に描かれた「作品」としての結末、マセード大佐のエピソードにおける「セルタン」のなんと屹立したものか。カヌードスという徹底した破滅の結末に、それでもそこに回帰される土地と流血を同郷として表されてしまう峻烈さは、同時に「起こった」という事実以外を拒絶するかの様だった。 紛れもない傑作としての一つの大きな不満としてヘテロロマンスという手癖に逃げず、近視の記者・ジュレーマ・小人という歪な生存関係に歪なまま殉じて欲しかった。カヌードスの敗北を描いたイメージの敗北は、リョサの価値も作品の価値も減ずるものでは決してなかったのだから。



一年とぼける@firstareethe2026年2月5日まだ読んでる高熱で意識朦朧&強烈な頭痛&関節痛に見舞われてる時にこの本の戦争描写がフラッシュバックしてくるのが最悪すぎて逆に感心してしまった。体調不良の時との相性が大変悪い小説なので、お試しになりたい方はぜひ(?)。





祥子氏@sachicorn12012026年1月25日買った読み終わった1/29読了 翻訳だからようやく耐えられるくらいの陰惨な場面の連続だけど読む手が止まらず下巻は上巻の4倍くらいのスピードで読み終えた
ホリモト@wheretheois2026年1月1日まだ読んでる年末年始の帰省。 まったく年末は色々忙しく、読書どころじゃなくなってしまった。 今回の帰省でも途中、梅田の丸善ジュンク堂に寄ったが、何も買わなかった。 なぜか。それは他ならぬ「世界終末戦争」が私の読書計画にデンと腰を据え、しばらくここから動いてくれそうにないから。 もう、何が何だかわからなくなってきたけど、ひたすら読み続ける。




karin@karin_022025年12月30日読み終わった先程、読了。 ブラジルで実際にあったカヌードスの反乱という出来事がモチーフとなっている小説。 ボリュームと密度が高めだったけど、とても良い読書だった。 キリストの再来みたいな聖人の元に犯罪者、被害者、奇形、商人、フリークス(肉体的・精神的)を含め無数の虐げらてた人々が集い理想郷を作りあげるが、国家はそれを容認は当然せず.... という外観だがその中で沢山の登場人物が描かれているのだが、なんかみんな、神話か何かの登場人物みたいに感じた。 あと、なんか理性と野生のせめぎ合いみたいな印象も感じた。(自分の表現力・語彙力の貧弱さよ💦)
dstar10@dstar102025年12月7日読み終わったリョサは小説に関しきわめて分析的態度を取ることができるのは初期の評論集からしても明らかである。しかし本編や『ケルト人の夢』などの超長編のスタイルはと複数の視点からの短文を積み重ねることで大きなストーリーを構築する、というもので大仰な(いかにも小説的な?)ナラティブからは遠い。凄惨な描写も多く万人に受け入れられるポピュラーな小説、というわけではないが読み終えたものにだけ大きな感動を与える巨編です
ホリモト@wheretheois2025年11月16日読み始めた下巻へ。 この頃のバルガス・リョサってどこでどんな暮らししながらこの小説を書いていたのだろう。 というか、どこでどんな生活してたら、こんな仕事ができるのか⁉︎ 年内には読み終えたいけど、まぁ意味のない目標で、叶わないでしょう。 ゆっくりいきます。




ジクロロ@jirowcrew2025年10月17日ちょっと開いた「「待って、待ってくれ」と、眼鏡をかけて、ひび割れて切れぎれになった細かい世界を目にしながら叫ぶ。「何も見えないんです、お願いします」 右手に誰かの手を感じるーーその大きさと力の具合からしてあのはだしの女のものでしかありえない。彼女はひとことも口にせず彼の手を引き、突然とらえがたいものとなった盲目の世界のなかを誘導してくれる。」 導く者が女であり、裸足であるということ。 細かい世界は見えている。 「何も見えない」というときの、人に縋ろうとしているそのときの、見えないことにしてしまった一切は、彼にとって何を意味するのか。


















