世界のほうがおもしろすぎた

9件の記録
- 高橋|往来堂書店@frog_goes_home2025年10月1日読み終わった「松岡正剛、松岡正剛を語る」──昨年八月に鬼籍に入った松岡正剛。その生涯と思考の真髄を解きほぐしたインタビューであり、生前実現されなかった自伝の代替的一冊でもある本書。ひとつの肩書きでは捉えきれない/捉えさせない氏がずっとおもしろがってきた世界とは、はたしてなんだったのか。遅ればせ、アルス・コンビナトリア、アナロジー、略図的原型etc...独特な言葉を結んでいくと見えてくるのは、たしかな一点の蒐集ではなくある程度の幅を持たせた面の組み合わせで構築する世界観。氏について語るときの最低単位がこの一冊だと感じた。はやくおれの千夜千冊をはじめたい。
- ハム@unia2025年9月12日読み終わったインタビュー形式での語りなので自著や対談のような知の応酬がないためいつもよりは超ハイコンテクスト味が少なくて話がすっと入ってくる。 「雑誌の記事として椎名林檎を取り上げるんじゃなくて、メディアが椎名林檎化するにはどうするかを考える」 松岡正剛さんの言う編集という概念を考えるうえでこの例えは参考になる。 松岡さんって度々と椎名林檎について言及してるイメージがあるけどかなり好きなんだろうな。 なんとなくその気持ちはわかる。 寺田寅彦を読んでいて松岡正剛をイメージしたけど、この本で寺田寅彦からの影響について言ってる箇所があって、俳諧精神と割れ目の科学だと。 これは松岡正剛さんを知るうえでかなり腑に落ちた。 松岡正剛という存在について、考えてきたことについてわからないなりに解像度は上がった気がする。 これだけすごい松岡正剛という存在もいまいち世間的には知られてなかったり正体がはっきりしないという感じがなんともカッコいい。 編集工学、目の付け所、考え方などいろんなことのヒントが多く、学ぶべきことが詰まった素晴らしい一冊。 インタビュアーの話の引き出し方も上手いからこそなんだと思う。 めちゃくちゃ良かった。