春になったら莓を摘みに

46件の記録
- nogi@mitsu_read2025年6月26日読み終わったこれが20年ほど前の本とは思えなかった ずっとずっと前に買った時は読めなくてどこかへやってしまい、改めて春に買い直したものだけど、読めてよかったなと思う 梨木さんのエッセイは他にも「水辺にて」「炉辺の風おと」「やがて満ちてくる光の」など、いくつか読んできたけれども、これがいちばん、答えの出ない状況に惑うときにそばにあって安心する本かもしれない(家のように安心する、という類の安心ではなくて) p160 〝謝罪要求する彼或いは彼女が望むことは、本当は「対等」の立場を奪回することなのだ。虫けらのように扱われた、そのとき一瞬でも変容してしまった自分の意識――哀れみを乞う、卑屈になる、怯える、徹底的な劣位を体験する――自分の身の上に起こったそういう感情を払拭することだ。(中略) 彼、或いは彼女らの心を相手が本当に悼んでくれたと、彼或いは彼女らが感じることができたら、そのときやっと本当に「それ」が終わる。〟 p224 〝……モシェ、イスラエル建国は本当に喜ばしいことだろうか。それからのあなた方のパレスチナに対するやり方も。マサダの砦であなた方は負けた。あなた方があのときからずっと、二千年近く、このことを悲願としてきた気持ちは想像できる。分かるとは言わないけれど。モシェ、私はあなたが真面目に洗いものをしているときの顔が好きだ。けれど、戦争は、あなたのその日常の顔を、どこへやってしまうの?……〟
- nogi@mitsu_read2025年6月23日読んでるp115 〝ただひたすら信じること、それによって生み出される推進力と、自分の信念に絶えず冷静に疑問を突きつけることによる負荷。 ︎︎相反するベクトルを、互いの力を損なわないような形で一人の人間の中に内在させることは可能なのだろうか。その人間の内部を引き裂くことなく。豊かな調和を保つことは。〟
- 安野ニツカ@nienoedda2025年5月25日読んでる@ 新宿御苑梨木香歩ピクニック読書会で途中まで読みました。さいしょ集中しづらかったのでもう一度読み直さなきゃいけないのだけど、子ども部屋の話が好きだった。戦争の章は興味深い…というには、やはりつらく、生々しい。ちゃんと学ばなきゃという義務感と、知識欲のせめぎ合いに罪悪感を覚えます。
- 海老塩@ebi_salt2025年5月24日読み終わった読書日記著者の感性が羨ましく思うくらいに美しく繊細で、それでいて強く、そして言語化の仕方があまりにも素敵だ。 雨上がりの草花のように、心の奥まで水がたっぷりと染み込んでいくような気持ちになった。
- anko@books_anko2025年4月15日読み終わった「西の魔女が死んだ」の著者、梨木香歩さんのエッセイ。本書では、他国の人々の出会いや触れ合いが書かれている。文化の違う国で出会った人々との忘れられない思い出。おもしろかった。
- 𝕥𝕦𝕞𝕦𝕘𝕦@tumugu2025年3月30日読み終わったおそらくいままでで一番読み返しているエッセイ集。この時期になるとこの本のタイトルを自然と思い出す。 一時期、常に持ち歩いて読んでいたため、カバーや角がすり減って傷んでいる。 著者である梨木香歩が英国留学中に世話になったウェスト夫人との思い出、下宿で出会ったさまざまなルーツを持つひとびととの出会いが綴られている。 「ダイ・イン」というデモ(地面に横たわって死者になりきり、抗議を表明するデモ)をはじめて知ったのも本作でだった。最後に収録されているエッセイ「トロントのリス」にパレスチナに触れている箇所がある。この本が刊行されてから二十数年も経ついま現在において、パレスチナへの壮絶な虐殺をいまこの世界に生きているわたしたちが未だに止められていないことを、重く受け止めなければならない。