アサイラム

15件の記録
- ふじこ@245pro2025年4月12日読み終わった〈わたしの人生なのだから、最優先するべきは、わたしなのだ。〉スミレは大学生のときに性暴力に遭い、とあるきっかけからその出来事がフラッシュバックして日常生活がままならない状態まで追い込まれてしまう。仕事を辞めて『被害者のための街』に移り住んだスミレ。そこで自分自身とゆっくり、少しずつ向き合っていく。読みながらずっとズキズキと胸が痛んでいた。深い傷を負ったという事実をできるだけ見ないようにして封じ込めてきたスミレの中に私がいる。読み終えて光が見えた。今もどこかで苦しんでいる誰かにこの物語が届くように願う。
- espoir@umi_utatane2025年3月15日読み終わった『神様を待っている』以来の畑野さんの本。久しぶりに小説を読んだ。心に傷を抱えている人が住んでいる街ということで行政の支援も手厚いし、過ごやすくはあるけれど、周りとの関わりが非常にセンシティブだと感じた。大学時代の友人との会話は読んでいてつらかった。友人側の価値観や正義感もあり、言いたいことは分からなくもないのだけど、私がスミレでももう元のような関係には戻れないんだなと感じると思う。そう考えるとやっぱり性加害にしても、いじめ、虐待にしてもあってはならないと強く思う。