ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス
181件の記録
ましまろ@masimarock2025年11月13日読み終わった読み進むうちどんどん引き込まれた。結末わかってても、どうやってこれを?!ってくらい、高い壁。 敵対する側の人の話についても、なるほどと思うところもあり。 マンション暮らしは一戸建てより楽だと思っていたけど、そうでも無いのか…
谷/坂@NightmareYOSHIDA2025年11月8日聞き終わったお、おもしろい……。 オーディブルにて。とにかく文章がうまい。密度が濃く、でもコンパクトで聞きやすかったです。 渋谷の一等地に構える人気ヴィンテージマンション、秀和幡ヶ谷レジデンス。資産運用目的の購入としても人気の高いそのマンションでは、「平日午後5時以降のヘルパー含めた外部業者立入禁止」「友人を宿泊させると1万円徴収される」「Uber eats利用禁止」「ベランダで洗濯物干し禁止」など異常なルールが管理組合によって敷かれその異常さからマンション価値は下落していた。 総会では反対意見が出ると人格否定めいた罵倒をされ、理事はその権限を使って聞く耳も持たない。 法律的には管理組合の解任ができず、住人らの委任票を過半数得て解任するしかない。ところが住人の大半は資産として持っているだけで現状を知らない人や、組合の嫌がらせを恐れている人がおおかった。 ただの住人に過ぎなかった人々が、様子のおかしい謎ルールちを敷いてくる管理組合に立ち向かう様子を描いたルポ。最初は井戸端会議めいた集まりから始まり、やがて100人以上の賛同を得て立ち向かっていく様は戦記物めいた迫力がありました。 すげーミクロな世界観のように思えますが、マンションという一つの組織の中での人の動きが非常に興味深かったです。

たぬき@ponpokotnktnk2025年11月5日読み終わったこのマンションの存在はインターネット経由で元々知っていたけど、管理組合側が打倒されてルポ本になったということは数日前に知ったため購入。 いや、「クーデター成功」という特大ネタバレ食らってるのにこんなに鬼気迫っておもろいことがあるか〜〜い😁✋️ 私自身、前職が不動産関連で宅建も取得済み。区分所有の勉強の時に暗記した「決議事項と決議に必要な数」の組み合わせしか脳みそには残ってなかったけど、「過半数」を取るのってこんなに大変なんだ、と驚愕した。建替えを決議するには4/5必要なんだよ!?不可能だろ…(可能だし建替え成功してるマンションもあるよ) 吉野理事長の横暴も異常だったんだけど、「より良く会」と自治会を中心にいかに住民を巻き込めるか、ということに苦心していたのにそれでも無関心層を貫いた区分所有者が一定数いることが怖かったな。無関心、中立のつもりでも権利者側に加担していることに他ならないという教えにもなるのでは。未だに「選挙で投票したい人がいなければ白票を」とふざけたことを言っている人に読ませよう! クーデター成功後のエピローグに『手島にとっては、若い区分所有者が自治に興味を持ち始めたことが何よりも嬉しかった』という一文があったけど、本当にそうで。マンションに住むというのは一軒家よりも「個」が強いように感じるけど、実際は共有部分を使わないと生活できないし(サッシも玄関ドアも共有部)ひとつの土地建物を持分という形で所有している。管理費だって払ってる。共同体としての意識は絶対に持つべきなんだよね。 私も昨年築古マンションを購入し、総会には一度も出ていない。資料は確認してるけど。実は今も総会のお知らせが来てたのに放置してたのであった…。日程を確認したら出れそうだったし、今回は出てみようと思った。


ゆずこしょう@exloyrog842025年11月1日読み終わった夢中になって一気に読み切った。「事実は小説より奇なり」を地でいくドラマチックなルポだった。主要人物が一人でも折れてたら確実に崩れていただろうによくやり切ったもんだ……。民主主義を正しく遂行するのって大変すぎる。とんでもない労力と根気が要る。

Dende@dende2025年10月31日読み終わった絶対やだこんな住まい。Amazonのレビューで「住人側に寄った取材であまり公平ではないのでは」的なのがあったけど、理事会サイドの主張やフォローも載せていると思った。というか理事会サイドの主張を全文載せたらそれこそ怪文書なのでは。
蛍@bcgcco2025年10月30日読み終わった面白い! マンションを過剰管理する管理組合を打倒しようと、クーデターを起こす住民たち。 驚くのは、クーデター以前、30年間も悪政に甘んじていたことだ。こんな理不尽が通るのか! いかにして理事を引き摺り下ろすか、両サイドの戦いに読んでいる手が止まらない。あっという間に読んでしまった。 後書きでも触れられているが、私利私欲ではない無償の献身は、どんな場面でも胸を打つ。 気になってたけど、買ってよかった。

読書日和@miou-books2025年10月28日読み終わった長いこと気になってたけど、積読たくさんあるしで後回しにしていた本。 急に読むぞ!と思い立って購入して一気読み。 自分の住んでいるマンションは、理事は輪番制だけどやりたくないよー、って方が多数で押し付け合いになりがち。そんなマンション管理組合を私物化して理事長ずっとやるってどういうカラクリ?と。謎ルールの数々。購入した人、賃貸で入居した人、よくこんな縛り多いところに住んだなあ...とある意味感心。何気にタイトル以外に出てくるもう一つのマンションが個人的にびっくりで、そんな驚きもあって一気読みでした。 いやー、無関心ってのがよくないと思いつつ、それでも修繕積立金とかちゃんと貯まってるなら、まぁ、結果はハッピーなのかも。事者たちはまだモヤモヤ残るようですが。そりやそうか。




ゆいちゃん@yui__arm2025年10月17日読み終わった感想また変な本読んで…フィクションでしょ?え?現実?え?日本の話?と旦那に言わしめた今作。 事実は小説より奇なりとはこのこと……… マンション自治の実態と難しさを知った。 戦うには力も時間もいる。戦おうした全員に拍手。

シロップ@sirop2025年9月4日読み終わったaudible読もうと思ったらaudibleにあったのでクローゼット整理をしながら聴いてみた。 中古マンションを購入することを薄ぼんやり考えているので興味を持ったんだけど、そんな生やさしいものではなかった……。事実は小説より奇なりすぎる……。やはり熱量のある人間がいなければ、抵抗運動は成り立たないのか……。独裁者に抗うというのが本当に難しいことなんだな……。 そりゃそうだな。わたしも怖いもん。権力者に逆らうのってものすごく怖い。それがたとえとても小さな範囲の中における権力者であっても(家庭や学校、職場、友人関係などなど)。とはいえ、立ち上がらないといけないときはあるし、運動が遅々として進まなくても続けなくてはならないし、やるしかないときは力を集結させないといけないのだな。わたしもやれる人間になりたいし、人を締めつける側に立ちたくないなと、改めて思うなどした。






- うちやま@mcymm2025年8月12日読み終わっためちゃくちゃ面白い!プロジェクトXすぎて最後の方は中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」が脳内再生された。 旧体制のやり方はどう考えてもおかしいのに、なぜこんなに改革派が苦労したんだろうと思ったけど、最後のプロローグを読んで納得したところがあった。絶対的な正義なんてないんだな…。




- モクロみ☆彡@majutsunowa2025年7月30日読み終わった再読中感想夏休みを取得したのでじっくり再読。前回読んでから約1ヶ月後、つまり私が2年務めた管理組合理事を退任して1ヶ月。理事会LINEに煩わされない毎日が新鮮!(本当にいろんなことが日々起こるので) 「有志の会の面々は(中略)、購入時期も違えば、年齢、職業、経済状況も異なる。」管理組合やってみて、本当にそうなんです!という気持ち。いろんな人がいるからこそいいんだよな。と思ってた。 8/1追記。じっくり読み終えた。まず前回読んだ時の感想(https://www.reads.jp/posts/318376)で「管理費がどのくらい値上げされたのか」と書いたけど、2倍に値上げされたとちゃんと書いてあった。それだけ値上げされたら反発するのは当然。さらに、収支決算表や貸借対照表が提出されないなんてそんなこと可能なの?!(あと積立金の残高がいまだに不明もひどい)と思うけど、固定化した体制では可能だったんだろうな…。理事会の権力強すぎと思うけど、本来は一方的な権力なんて想定してないよな。 「マンション管理の歴史は、早い話が委任状の奪い合いの歴史でもある。」に考えさせられる。


白湯@katie_sayu2025年7月29日読み終わった借りてきた@ 図書館「わたしたちの生活は自分たちで守る」という至極真っ当な闘いの記録。 情熱があることと冷静であること、が勝つためには必要。あと戦略と人材。 自治を勝ち取ることは、マンション内だけとは限らない、というところまで思いを馳せます。


yarn3@yarn32025年7月8日読み終わった2時間ほどで一気に読んだ。完全に私の偏見が出てしまったのだが、この革命の旗手が女性だったとは。男性だとばかり思い込んでいた。 明らかにおかしいことでも過半数の委任状さえあれば罷り通るマンション自治の恐ろしさを垣間見た。年単位でかかる時間とお金、普通の人がやるにはあまりに過酷な運動だったろう。そりゃ戦うより引っ越そうってなるよなぁ。 最後の総会の手に汗握る展開と、流会を狙う(常習犯の)理事会の悪辣さ、これは映画化しても逆に陳腐になるだろうというほど。 地べたに住んだことのないものとして、戦った住民全ての方に敬意を表する。



- モクロみ☆彡@majutsunowa2025年6月22日ちょっと開いた感想前々からSNSなどで気になってて、「みなみかわと大島育宙の炎上喫煙所」で最近紹介されててまた気になったものの、住んでるマンションの管理組合理事の任期が終わるまではなんだか怖くて手に取れずにいたものの、ようやく終わったので読み始めたけど、おもしれー!!! 理事もやってみて思うのは、感覚としておかしいと思うことには声を上げるべきだということ。そして理事側としては文書化・適切な説明は当然だけど必須ということ。 管理費用の値上げの暴挙というけど元々(部屋ごとに違うにしても)大体いくらで、いくらに値上げしたのかは気になった。書いてあったっけ?あと明らかに資産価値が低くても管理体制が変わることを見越して買う人はいたんだ…ということが驚きだった(通常、「今その時」の快適を求めるものだと思うので)。



yomitaos@chsy71882025年5月12日読み終わった@ 自宅今年読んだノンフィクションで、もっとも興奮したのが「対馬の海に沈む」だったんだけど、それと同じくらいの体温上がったのがこの本。 権力は必ず腐敗するというのが政治の世界だけじゃないことが分かるし、案外矢面に立つ巨悪は純粋な正義感から闘っていて、一番の害悪はその周辺で甘い蜜を吸ってる奴らなのではと思わされる。 この「奴ら」に、私たちも成り下がる恐れは十分にある。そんな恐ろしい気持ちになった。 それにしても。手島さんをはじめとする闘うマンション区分所有者たちのような熱量を、自分は抱けるだろうか…。


ネッコチャンのしもべ@az11682025年5月7日読み終わった渋谷の一等地に、管理組合が暴走し北朝鮮と呼ばれるブランドマンションがある...住人と、法的武装をして長期理事会の座を譲らない管理組合との攻防。マンション住人の高齢化、外国人居住者、タワマンなどを思うと洒落にならない実話

ズゴ子@zugocco2025年5月4日紀伊国屋書店新宿で見かけてすぐSNS検索したら評判よいので買った 年始に読んだノンフィクション『対馬の海に沈む』がめちゃくちゃ面白かったので、それと並ぶような読み応えと刺激のあるルポを求めていた 読むのが楽しみ!
ふじこ@245pro2025年4月20日読み終わっためちゃくちゃ面白かった!!理事長が定めた大量の謎ルール、25年以上にも及ぶ独裁体制。一時たりとも落ち着くことのできない監獄から平穏を取り戻すべく、立ち上がった勇者たちがいた。とにかくレジスタンスメンバーたちの情熱と執念が凄まじい。ここで倒れたら負けるという気合と根性、それに押されて少しずつ増えていく友軍。ちょっとでも何かが欠けていたら、何かが噛み合わなければ、この戦いに勝利することはできなかった。思考に囚われたモンスターも元は人間で、目的は同じ場所だったのだと気付かされる。
よしかわ@yoshikawa2025年4月20日読み終わったあまりにもドラマティックで生々しい話だった。 より良く会側として読んでいたから、頑張れ!頑張れ!となったけど、実際に自分がそのマンションに住んでいたら?元々理事長と面識がある人物だったら?…… 特にエピローグで私は他人事としてこの本を読んできたのだと突きつけられました。

窓@mado2025年4月18日読み終わった都心のマンション自治を巡るノンフィクション、なのだが、読後感はヒトコワ系の恐怖物を読んだ時のそれである。 マンションの理事会が住人に理不尽なルールを強いる(しかも裁判までやっても覆らない)という事実はもちろん恐ろしいが、個人的にはこの理事長の真意が最後まで分からないのがとにかく怖かった。私利私欲のためなど分かりやすい理由があればまだ理解の取っ掛かりとなるのだが。 理事長の側近たちの顔が見えないところも怖い。特に管理人の振る舞いは本当に「分からない」。 同時に「こちら側」の人たちの情熱にも気圧される。 方向は違えど、とにかく登場人物全員の熱量がすごいのだ。 やっぱりノンフィクションは怖くて面白い。
ゆっくり読む子@skr_04082025年4月16日読み終わった@ 蟹ブックスこんな、恐ろしい世界があったとは。。 高額なお金を払って購入したマンションが実は謎ルールだらけだったら、後悔してもしきれない。。
ももんが太郎@reads_mmo2025年4月7日読み終わった凝り固まった時を進めるには、狂気のようなやり抜く気力が必要なのだなぁ。脱帽しました。権利の上に胡座をかいてはいけないですね。きちんと行使しなくては。 ラストは映画化できそうなくらいドラマチックだった。

- 川内イオ@iokawauchi2025年4月3日読み終わった狂ったルールを住民に押し付け、管理費の会計を隠し、独善的に振る舞う管理組合が牛耳る、渋谷区の実在のマンションに関するノンフィクション。 管理組合のおっさんたちはまるで王様とその臣下で、現実とは思えない。この絶対王政に反旗を翻した民衆たちの苦闘が描かれている。 なにより勉強になったのは、管理組合の闇。選挙と同じく我関せずの住民の無関心によって、マンションは独裁国家のようになり得ると知った。


吉岡あしゅりん@ashuring2025年4月2日読み終わった今朝、通勤途中に読み始めて、昼休み、帰宅途中、ベッドの中でも読み進め、1:00前に読み終えた。 いや面白かった! 読み始めたのが朝で本当によかった。 もしベッドに入ってから読み始めていたら読了まで本を置くことができず、明日は寝不足でふらふらしながら仕事へ行ったことだろう。 なんともドラマチックで、これは小説や映画になっても絶対に面白いよなと思いつつ、しかしこれはルポの形だからこそ最高に面白いと言える。 これが本当に起きたのか!

みずかり@mm_calling2025年3月22日読み終わった臨場感がすごい文体で、ノンフィクションなのだと思うと胸が痛くなるくらい歯痒く切ない場面もあった 委任状を集める=人の心を動かすことの根気と泥臭さと戦略…
高尾清貴@kiyotakao2025年3月20日読み終わったこれは最高に面白かった。 桃尾さんが喜んでいるシーンが1番グッときた。 自治に対する学びがあると思うけどそれ以上にシンプルにノンフィクションの醍醐味を感じられる良作。 (ここから追記) ルポ秀和幡ヶ谷レジデンス、めちゃくちゃ面白いノンフィクションだった。 マンションの理事会にまつわるトラブルについての記録なので、マンションを所有している人にはオススメ。背筋が凍ってしまうか、胃が痛くなると思うけど… 広い意味では、圧倒的多数が「無関心」でいる中での自治の難しさを書いている本でもあった。これPTAでも似た構造発生しうる。というか発生している気がする。 このルポとセットで読むのにオススメなのが「権威と権力」。 「(いうことをきく)のは権威によるので、くいうことをきかせる)のは、権力」と書いている本。 どちらにも依らない例として「理(ことわり)」がでてきて、それを目指すのはユートピア的であるけど、目標の遠さに絶望しながら、それでも目指すんだよ、という結びがとてもよかった。 1974年初版で、いま56刷の超ロングセラーだけどぼくが読んだのは最近。 秀和幡ヶ谷の理事長は、権力の濫用を行った。 ただし、権力の濫用への対抗方法が、住民たちのなかでなかなか見出せなかったのが、苦しかった。権威は住民側にもない。別の権力を立てることも簡単じゃない。 そういう意味では、桃尾さんさんの助言によって、総会での打倒が「理」によって実現した、というところに、このルポの良さがあるんだと思う。




コタ@hts2025年3月10日気になる買った読み終わった面白かった。うっかり1日で読んでしまった。マンションの管理をめぐるノンフィクション。よく出来た小説のような面白さもあり、一方、描かれる出来事はノンフィクションだと思うとより恐ろしい。 まあ、旧理事長側から書いたらまた別のストーリーがあるのだろうけど…
ゆ@nblow2025年3月9日読み終わった実家は戸建て、一人暮らしの我が家は数世帯のみの小さな集合住宅。いわゆる「マンション自治」に一切関わりのなかった人生だったため、この本を読んで驚愕した。 理事たちが住民に強いる、あり得ないほど厳しい謎ルール。それに反発する住民たち。委任状の争奪戦。まるで、この国の政治をちっちゃくしてギュッとしたような地獄を見ているようだった。 なぜ傍若無人なマンション管理をしていたのか、周囲の人間からの予想は書かれていたものの、最後まで本人の口から語られることはなかったのが気持ちが悪さを増している。 マンション自治を取り戻すために無償で働いた人々のことを思うといたたまれないとともに、その行動力と根気に尊敬の念を抱く。

たなぱんだ@tanapanda2025年3月5日読み終わった感想書籍化すると聞いた時点で「これは間違いなく面白い」と期待していたが、その期待を裏切らない一冊だった。 「なんだこの総会は。北朝鮮かよ!!」 マンションの総会で、こんな衝撃的な一言が飛び出す。引っ越し時の荷物はすべて「検閲」され、理事会が認めていない不動産業者は管理人が木槌で威嚇して追い返す。そんな独裁的な管理体制が敷かれたマンションで、住民たちが自治を取り戻すべく戦った1,200日の記録。 最終的に住民たちは理事会のポジションを奪還するのだけど、そこに至るまでの準備が緻密で驚かされる。決戦の場となる総会では、薄氷の上を進むかのような攻防のなかで、彼らが用意周到さが上手く機能していく。結末を知っていても手に汗握る展開で、ノンフィクションとは思えないほどのスリルがある。 ただ、この本が面白いのは、「悪の理事会 vs 正義の住民」といった単純な対立構造ではないこと。住民たちは一枚岩ではなく、急進派もいれば穏健派もいる。住民運動に不信感を抱いてる人もいる。運動の中で何度も対立し、「有志の会」は何度も解散の危機に遭う。 象徴的だったのが、総会当日の様子。1時間の予行演習をした後、会場へ向かう住民たち。だけど、みんな一緒に会場に行くのかと思いきや、直接向かう人もいれば一旦自宅に戻る人もいて、まったくまとまりがない。その光景が、そこまでの戦いの難しさを象徴しているようだった。けれど、そんなバラバラの人たちが、一致団結して目標を成し遂げた。そこに、この物語の本当の感動ポイントがあるのだと思う。 「独裁的な理事会と戦うマンション住民の闘争」という枠を超えて、異なる考えの人々をどう巻き込み、どう説得していくかという普遍的なテーマが描かれている。そういう意味では、以前「積読チャンネル」というYouTubeで紹介された『政治学者、PTA会長になる』と似た雰囲気もあるなと思っていたら、実は担当編集者が同じだったらしい。 ノンフィクション好きや不動産の闇エピソードが好きな人はもちろん、説得術についてヒントを得たい人にもおすすめしたい。




















































































































