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バルーン
バルーン
@9kv8xiyi
新米社会人 ワンルームの部屋で壮大な冒険に出ている時が、 仕事からの癒しの時です コメント等大歓迎です。
  • 2026年9月16日
    ライ麦畑でつかまえて
    ライ麦畑でつかまえて
    フィービーがぐるぐる回り続けているのが、無性に綺麗に見えたんだ。 大人になりかけの男子高校生ホールデンが三日間ニューヨークを放浪する。例に漏れず背伸びをして、大人の仲間入りをしようとするがどうにも嫌悪感が拭えない。最後に彼が見たものは何なのか。 まずは文体が大好き。アルジャーノンみたいな形で、思春期の男子高校生になったかのような青い思考にスッと入れた。キャラとして、ホールデンは酒や煙草に手を出して背伸びをするも、どこか純粋な部分を大事にし、その矛盾が愛おしい。まるで青かった頃の自分を見てるみたいで、卒業アルバムを見てるみたいな本でした。
  • 2026年9月11日
    BOXBOXBOXBOX
    BOXBOXBOXBOX
    霧の中で働く人は誰もが希薄になる 霧の立ち込める宅配所で黙々と箱を仕分ける作業者達が主人公。箱の中身を夢想するだけだったはずがいつしか欲望がエスカレートして行く。 まさに霧に包まれた本。読み終わって結局何だったのかはまるで分からない。苦しく、重く、醜い何かを読んだ気がするが、ただもわもわと曖昧模糊に広がるだけ。今日の自分の仕事を振り返って、何をしてたんだろうって呟くのと似た気分。
  • 2026年9月8日
    星を継ぐもの【新版】
    星を継ぐもの【新版】
    この宇宙のどこかに温かく色と光に満ちた世界があるのなら、私がしてきたことから何か意味が生まれるはずだ 人間と思しき死体が月面で見つかった、ただし亡くなったとされるのは5万年前。謎が謎を呼ぶSFミステリ。 まさに前提としていたことを覆される素晴らしいミステリーだったし、読後のカタルシスも計り知れないものだった。明かされる秘められた歴史とそれに至った著者の柔軟な発想にあっぱれって感じです!
  • 2026年9月5日
    ガリバー旅行記
    ガリバー旅行記
    誰もがその悍ましさを他人に見るが、自分の内にはみない。 小人の国に行くことで有名なガリバー旅行記は実はあと3つの国にも行っている。そこでは人間の愚かさを客観視でき、ハッとさせられる。特に1700年にこれが書かれ、フランス革命、世界大戦、そしてこのsns時代になってもその容態は変わらないものと思う。特に4つ目の国がとても良かったので、是非第4部のフウイヌム国は読んでみて欲しい。 ここまで寓話を神の視点でみて面白がったり、人間の悪徳に浸ったりしたが、結局は私も人間であるということ。ガリバーが言ったように自分の内にもそれがあると自覚する、それこそがこの本を読み終わってからやらないといけないことだと思う。
  • 2026年8月31日
    真夏の死
    真夏の死
    人間の野心というものは衆に抜きん出ようとする欲望だが、幸福というのは皆んなと同じになりたい欲求ということを理解した。 私がReadsに本の感想を登録するのは果たしてどちらなのだろうか。備忘録代わりという紙のような理論武装は、誰かにいいねを押してもらった時に水をかけられたかのように溶けて忽ち無くなってしまう。
  • 2026年8月29日
    金閣寺
    金閣寺
    美とは虫歯のような物。引っかかり、痛み、その存在を主張する。けれど一旦抜いてもらいその血まみれの茶色い物体をみると、こんなものが痛みの根源だったのかと思う。 自らに劣等感をもつ僧侶が、美を追い求め探究し、やがては永遠の美の象徴である金閣寺に火をつけるまでの話 三島らしいキレのあるヘビーパンチを再生紙から繰り出してくる本書。言われるとこれ以外の表現はあり得ないと得心するような流麗さで、日常に蔓延る言語化できないモヤモヤを傲慢とも言える光で照らし出した書物。常識や倫理という柵を乗り越え、そこを探求した三島だからこそ書ける本だと思う。柵は常に身を守るのに役立つが、知識や好奇心を阻害してしまう。 私は柏木の考えに近く、最後の主人公の行動は理解できなかったが、実際に行為をしてみないと理解は出来ないのかもしれない。私にとっての金閣寺、そしてそれを燃やすということは何だろう、とお風呂の中で考えました。
  • 2026年8月23日
    花ざかりの森・憂国―自選短編集
    吹き上げる血の幻で真赤になった。彼女は力を得て、刃先を押し込んだ。 4行で表わせる冷淡で残酷な事実をかくもここまで幸福なものにできるのだろうか。「忙しい人がもし三島を知りたいなら憂国を読め」とは三島自身の言葉ですが、まさにその通りだと思います。 メメントモリによる生の幸福の最大化、中尉にとっての世界である日本、麗子にとっての世界である中尉。彼らの至福の瞬間は三島にとってもきっと素晴らしい文字で永久保存された押花なのでしょう。完全な自己献身で信じていた世界/中尉と融合する。何という人間的で幸福な最期なのかと感動しました。
  • 2026年8月15日
    少年が来る
    少年が来る
    魂はガラスみたいなもの。だから私たちは粉々になることでそれを証明した。 1980年の韓国で起きた、民主化を求める光州事件について書かれた本。実際に光州で暮らしていた筆者が、生き残ってしまったものとして事実を淡々と書いていく鎮魂歌。 そこではナチについて著したハンナアーレントやヴィクトールフランクルと同じ様な問いが提示される。つまり、戦争や抗争は人間の持つ神聖や獣性を肥大化させるだけで、何か新しい性質を発現させるものではないと言うこと。では人間とはなんなのか。私も人間、あなたも人間。それは果たして何を意味するのか。
  • 2026年8月14日
    命売ります
    命売ります
    世界が意味あるものに変われば死んでも良いと言う気持ちと、世界が無意味だから死んでも構わないと言う気持ちはどこで折り合いがつくのだろうか 命うります、と新聞に広告を乗っけた主人公に迫る数々の出来事と、それを経た主人公の心情をコミカルに描いた本。相変わらずの美しい文体と不思議と容易に想像できてしまう流麗な表現を味わいました。三島にしてはスッキリとした本で読みやすかった!
  • 2026年8月5日
    三体3 死神永生 下
    三体3 死神永生 下
    死とは永遠に点灯している唯一の灯台なのだ ほんのひっそりとした恋心から始まった、彼女の驚天動地の人生が堂々と完結する。結局彼女は変わらなかったし、運命の分岐点を間違えたし、銀河系人類にもなれなかった。 でももしかしたらこの後の宇宙を生きていくには、彼女の様な愛と責任感が必要になり、彼女こそが新新人類になれるのかもしれないと思った。 何億光年もの先の何千年の先の物語でも、そこにあるのは今の私と変わらなかった。
  • 2026年8月1日
    ラナーク 四巻からなる伝記
    ラナーク 四巻からなる伝記
    ちりはちりに、灰は灰に SF、ビルディングスロマン、メロドラマ、メタ小説、あらゆるジャンルの色をぐちゃぐちゃに混ぜ合わせた、けれど決して真っ黒一色ではなく、さまざまな色がする一冊。 本当に等身大の主人公は私が抱えるような俗な悩みを作中で問うが、そこから一歩引いたような答えが最後に提示され、長い700ページの旅路はあっけなくもあり、穏やかでもあるようにそっと閉じられ、余韻が消えない!!
  • 2026年7月21日
    夜と霧
    夜と霧
    私たちにとって生きるとは、何かを創造して目的を実現しようとするのではなく、苦しみや死も合わせた総体的なものだった 囚人番号119104番として強制労働を余儀なくされた作者フランクルが精神科医としての知見から当時の状況を分析した本。 暗い話なのかなって思ってベートーヴェンの歓喜の歌を流しながら読んでたら、人間讃歌の本で、優しく慰めてくれるような、真冬の毛布みたいな本でした。これは買います。
  • 2026年7月21日
    偶然の音楽
    偶然の音楽
    この世の物事には何か理由があるはずだって信じ込もうとしてる。でもそんなのは物事の真の姿から目を逸らす手段なだけさ。 ビルディングスロマンとはまるで対極の、故にリアリティ溢れるこの物語。少し砂の女らしさを感じたが、違うのは主人公の思想が初めから動かないことだろうか。
  • 2026年7月17日
    三体3 死神永生 上
    三体3 死神永生 上
    人が何をしても神は覚えている とてもリアル。話の壮大さについては言及の必要ないとして、この状況になった場合に人間はこういう行動になるんだろうなっていうのが本当にリアル。ある種のシミュレーションを見てるみたいですね.. あと一冊で終わってしまう…
  • 2026年7月13日
    わたしたちが光の速さで進めないなら
    わたしたちが光の速さで進めないなら
    それは等しく美しい生物であった 孤独を恐れ、未知に挑んだ6つのSF短編集。ほっこりするような話が多く、月曜日の夜のリラックスとしてぴったりだった!相手を理解することを諦めたくない、そしてその先にはきっと希望がある、そんな作者の声が言語と時を超えて包み込んでくれるような初夏の一冊でした。
  • 2026年7月11日
    菜食主義者
    菜食主義者
    ただ耐えているだけなのだ。 ある日突然肉を食べることをやめた、ごく普通に見えていた女性ヨンヘを取り巻く3つの物語。徐々に視点がこちら側からあちら側へ向かい、物語の、そしてキャラクターの解像度があがってくる。 残酷なまでに本質的な物語は私の心を掴みました。ただ、個人的にはこの物語があまり普段本を読まない人にどれだけ受け入れられるかが興味あります。こんな世界は知らなければ知らないほど良くて、それに知らないふりをできなくなった人間はもはや狂人だと思うので。
  • 2026年7月11日
    ムーン・パレス
    ムーン・パレス
    全ては結びつきの欠如と、タイミングの悪さと無知故の盲動の結果だった どうやって生きてもいいやと投げやりな一方で、自分のプライドは高いものがある、個人的にはすごく等身大の主人公が偶然彼の出自を知ることになるビルディングスロマン。 リアルな人生って伏線なんてなくて、全ては偶然だよねっていうポールオースターの思想が詰まったようなどこか非情なほどに現実味溢れる、故に面白い作品。この作品と出会えてよかった
  • 2026年7月5日
    三体2 黒暗森林 下
    三体2 黒暗森林 下
    新たな文明の誕生は新たな倫理観の形成を意味する 上巻に引き続いて何をいってもネタバレになる本作。色々な人が色々な受け止め方をして、それぞれの救いを模索する。果たして猜疑の連鎖を止めて、他者を信じることはできるのか。できるにしても、できないにしてもそれは新しい生命のあり方で、もはや旧人類とは違うのかもしれない。
  • 2026年7月1日
    信仰
    信仰
    感動は液体である。それで心の汚れを落とすのだ。 信じるものによっては世界の前提が変わってしまう。今見ている世界もそうしたとても脆い前提の元に立っていて、私たち人間がそれを認識できるとしたら。私たちはどのようにその虚構と付き合っていけばいいのか。
  • 2026年6月29日
    君が手にするはずだった黄金について
    小説家という僕も虚構を売りつけているに過ぎないのかもしれない。 小難しい話が出てこない短編集。とても馴染みのあって、読みやすい。ただ一方でハッと気付かされるような、あぁこれ考えたこともなかったな、なんて不意を突かれるような洞察もあって面白かった。ちょっとおしゃれなお店で小川さんと飲み会をしてるみたいな本でした。
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