
ひつじ
@mgmgsheep
- 2026年5月20日
きみはメタルギアソリッド5:ファントムペインをプレイするジャミル・ジャン・コチャイ,矢倉喬士見えている世界の違いに愕然としつつ、長い長いセンテンスの独特な読み味に夢中になった。 こんなに長いと読んでいる途中で迷子になってしまいそうなものだが、翻訳の上手さなのか、あっという間に読み終わった。 表題作の主人公がメタルギアを通してアフガニスタンと過去と家族に接続したように、日本でこの本を読んだ私も、彼らの世界(歴史も宗教も共同体も全て含んだ世界)に接続したような気分だ。でも勿論、その全てを理解できているわけではない。 本書の一番最後には、急に目の前に鏡を置かれたような、カメラがくるりと回ってこちらに向いたような、そんな気持ちになる短編が入っている。そう編集された意図も含め、私と「あなた」のことを考え続けてしまう。 - 2026年5月5日
かんがえる子ども安野光雅「生誕100周年記念 安野光雅展」を見ながら、「いまの私には『想像力』が足りない」とぼんやり感じていたわけが、この本を読んで分かったように思う。 自分で実際に触れて、疑って、考えること。自分のものさしを作ること。 面白いと感じる方へ自ら進み学ぶこと。 子どもの頃に読んでいたら、説教くさく感じてピンとこなかったかもしれない。 でも大人になった今は、実感として本当によく分かる。これからも大切にしたいことだと思う。 - 2026年4月26日
トンネルの森 1945片山若子,角野栄子読み終わった「魔法の文学館」へ行ったことをきっかけに読んでみた。 著者の実体験を元にした物語とのことだが、現実と想像のあわいを行き来するような、トンネルと「兵隊さん」の描写はやはり児童文学らしい。 戦前戦中の国や人々の様子を読むにつけ、この国の空気は本当に変わらないんだなと思う。 同著者の『イコ トラベリング 1948』を読んだ時にも感じたが、人々の浮かされたような熱狂のうねり、流れに対して恐れを感じる著者の気持ちが、今とてもよく分かる。 - 2026年3月5日
長距離漫画家の孤独 通常版エイドリアン・トミネ,長澤あかね読み終わった作家としての日々の中で、悲しかった、痛かった、恥ずかしかった、情けなかった出来事ばかりが漫画、いや、グラフィック・ノヴェル形式で綴られていく。 著者ほどのキャリアを築いていてもこんなにも卑屈で自虐的になってしまうのか、と書くと批判しているようだが、そういうところがまたおかしくも悲哀も感じられて一気に読んでしまった。 古本屋で偶然手に入れられた初版は、ノートブックに描いた日記をそのまま再現したかのような凝った装丁。さすが国書刊行会。 - 2026年3月4日
- 2026年3月1日
- 2026年2月28日
英米文学のわからない言葉金原瑞人読み終わった子どもの頃から本の中でたびたび出会ってきた「よく知らないけど知ってる」言葉たちのオンパレード。 個人的には、いかに自分が料理に対する興味が薄く、それらの描写を読み流してきたかがよく分かって面白かった。 ただこの本を読んでなお「パイ」や「プディング」のことはよく分からない。 時代によって変化してきた翻訳の変遷などもなるほどなと思った。 白秋の「ペチカ」には少し苦い気持ちになったりも…。 付録のおすすめ本のリストも興味をひかれるものばかりで楽しい。 - 2026年2月23日
- 2026年2月22日
- 2025年10月31日
わたしのおとうさんのりゅう伊藤比呂美読み終わった児童文学を切り口に、著者の両親にまつわる様々な記憶を辿っていく。 あまりにも意外なところに話がつながっていくため、この話は一体どこに転がり辿り着くのかと期待と緊張をしながら一気に読み進めた。 途中、これはもしかして…と思っていた話が本当にその通りだったことには驚いた。『サカナとヤクザ』を読んでいたことが自分の中で謎の伏線回収になってしまった。 - 2025年10月14日
友達じゃないかもしれないひらりさ,上坂あゆ美読み終わった読んでいると過去の色んな出来事の記憶がずるずる引きずり出されて、面白いのに全然読み進められなくて困った。上坂さんの話は共感含め分かるところが多々あったが、ひらりささんのことは最後まで全然分からなくて、あとやっぱりちょっと怖い。(すみません) 私は2人のやりとりに「ひりつき」みたいなものはあまり感じなかったけれど、それはやっぱり私の性質と、豪速球を投げ合える友達の存在が関係しているのかもしれない。 - 2025年10月5日
- 2025年10月5日
Tシャツの日本史高畑鍬名読み終わった日本においてTシャツがどう受容され、定着し、その流行が移り変わっていったのかを追う。タックイン/タックアウトについての話は、フィクション内での描かれ方の考察が面白かった。 ただ、流行の発生や変遷を追えば当然そうなるのは分かるし本当に勝手な感想なのだが、「街」も「ストリート」も結局「東京」の話なんだよなあ…と読んでいて途中少し萎えてしまった。 - 2025年9月23日
よみがえる「学校の怪談」吉田悠軌読み終わった今「学校の怪談」について知りたければこの本を読めばOK、と思えるほどの充実ぶり。 個人的には「学校の怪談」自体の変遷や分析、特に戦争の影響を見る論考も面白かったが、怪談と学校、子どもをとりまく社会の変化への言及がとても興味深かった。 社会学的なアプローチになるのだろうか?その方面から掘り下げた研究をもっと知りたいなと思う。 - 2025年9月21日
この星のソウル黒川創読み終わった主人公のとある男性の人生を軸に、歴史の大きな流れを辿りながら、韓国と日本のそれぞれの場所 で生きていたあらゆる人たちの人生や感情にフォーカスしていく。 主人公も、そして私たちも、やはりその流れの中にいて、今もそれぞれ生きているのだと感じる。「行くべき道を」と思いながら。 (他の人の感想を見て、虎と鹿のリンクに初めて気が付いた…なるほどな…) - 2025年9月20日
- 2025年9月14日
リスボン日和 十歳の娘と十歳だった私が歩くやさしいまちイム・キョンソン,熊木勉読み終わった恥ずかしいことにリスボンがどこにあるのかすらぼんやりしたまま読み始めたのだが、読み進めるうちに美しい街の様子が自然と頭の中に立ち上がってくるようだった。巻末に答え合わせのように旅の写真が収録されているのも嬉しい。 著者の両親との思い出を辿る旅は、そんな経験などないはずの自分にも様々なことを思い起こさせるものだった。 - 2025年9月14日
都市に侵入する獣たちピーター・アラゴナ,川道美枝子,森田哲夫,正木美佳,細井栄嗣読み終わった訳者あとがきにもあるように、この本は野生動物との共生について即効薬的な解決策を示してみせるものではない。(そもそも載っている事例の多くがアメリカなのでそのまま当てはめて考えるのは色んな意味で難しい) あまりにも複雑で、長期的な視点が必要で、それでも私たちひとりひとりが考えて決めていく必要がある問題なのだと改めて考えさせられる。 - 2025年8月19日
じゃむパンの日赤染晶子読み終わった面白いエッセイを書く人は「やっぱり何か持ってるな」と思う。本書の最後に収録されている岸本佐和子との交換日記は、持ってる人同士の言葉の重ね合いで、もうなんだか謎の迫力があった。 エッセイは普段あまり読まないのだが、もっと読んでみたかったな。 - 2025年8月11日
台湾漫遊鉄道のふたり三浦裕子,楊双子読み終わった湾生の方のお話を伺う機会があり、この機に読まねばと長らく積んでいたのをやっと読了。 結果的に、このタイミングで読めて良かったと思う。 当時の台湾の街や鉄道事情などを事前にある程度理解していたことで、この本の「しかけ」を知っていてもなお、2人の旅や生活の様子を詳細にイメージし身近に感じられた。 また、当然ながら当時を生きた人々の中にはそれぞれ色々な感情があり、簡単には言い表せない複雑さがあることを改めて感じている。 日本統治時代を扱ったフィクションやノンフィクションは近年増えているとのことなので、これからまた触れていきたいと思う。
読み込み中...


