

Miyuki
@miyuki_i
海外文学が好きです
- 2026年6月19日
森のユキヒョウC.C.ハリントン読み終わった10代がえらぶ海外文学大賞、ノミネート作品 1960年代イギリスが舞台の物語 吃音のためにうまく学校に通えず父親にも理解されないマギーは、コーンウォールの田舎に住む医師の祖父のもとに預けられることに 祖父が温かい人柄でマギーが救われる様子に『西の善き魔女』を思い出す しかし、この物語には一頭のユキヒョウ、ランパスが大切な役割を果たす ランパスは、デパートのペットショップで売られて、飼い主の手に負えずにコーンウォールの森に捨てられ、罠にかかり怪我を負ってしまう 動物の前では吃音に悩まされずに自分の気持ちが話せるマギーは、ランパスを救い、互いに心を通わせていく 自然破壊や戦争のことも語られ、自分ができる小さなことが物事を動かすのに十分であったり、言葉がなくても自然や動物と心を通わせることができるというメッセージが込められた素敵な作品 - 2026年6月19日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる12編目「父との再会」 8ページの掌編 両親が離婚して以来、3年ぶりに父と再会し、昼食をいっしょにすることに 立派な父の姿を見て誇らしく思ったのもつかのま、はいったレストランでつぎつぎと失礼な態度をとる父 訳の分からない行動なのだが、もしかすると、もう会うのが最後になる息子に、わざと嫌われようとしているのかなと思った - 2026年6月17日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる11編目「ジャスティーナの死」 妻の年老いた従姉妹のジャスティーナが、妻のランチ・パーティに訪れ、ソファにすわったまま息を引き取った 会社を早退する主人公は、適当な宣伝コピーをつくり(これが面白い)、埋葬の許可をもらうのに奔走する(これがばからしい) 夢と現実が混沌としているようなばかばかしさともどかしさのなかで、生と死とは何かという主人公の混乱が感じられる - 2026年6月17日
トビウオの声を聞いた日マイケル・モーパーゴ,佐藤見果夢読み終わった「10代がえらぶ海外文学大賞」のノミネート作品 作者のマイケル・モーパーゴさんはイギリスを代表する児童文学作家だとか 素敵な挿絵もあって、短いお話なのですぐに読める 主人公のナンディはオーストラリア人だが、ルーツはエジプトにある ギリシャのイサカという島に住む大叔母のエレナおばさんのことが子供の頃から大好きで、ギリシャの英雄や神話にも興味を持ち、いつか絶対に行くのだと気持ちを募らせる ついにその日がやってくるが、そこで待っていたのは神様と、エレナおばさんの知られざる過去だった…… 大好きなエレナおばさんがどのような人生を歩んだのか、その物語に胸が熱くなる 戦争のこと、温暖化のこと、子供の福祉のこと……児童文学だけど色々な社会の問題を教えてくれる ギリシャのことを何も知らなかった、という気持ちになった p.155「なぜ神々は、世界のひどいできごとをほうっておくのか?」 ナンディの純粋な疑問が胸を突く 若い人にぜひ読んでもらいたい本 - 2026年6月16日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる10編目「故郷をなくした女」 不貞をはたらいたことにされ、アメリカに居場所をなくした妻アン。アメリカ人であることを隠し、ヨーロッパ中を移動して暮らすが、あるとき旅行中のアメリカ人の老人に出会い、自分の故郷はアメリカだと強く感じ…… 故郷を離れてはじめて自分の故郷を強く意識することってあるんだろうな だけど遠く離れたときに感じる慕情は、美化されていたりして、失望したり……これもまたあるかもしれない - 2026年6月14日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる9編目「美しい休暇」 アメリカのシットコムの脚本家がテレビ番組の仕事にうんざりして家族とイタリアに逃げてきた父親 俗っぽい文明社会から逃れて、イタリアでは「詩人」と思われていたのだが、イタリアでも自分のテレビ番組が放映されていて…… 結局、自分は自分から切り離すことはできず、どこにいてもアメリカの陰から逃れることはできない 「ただの詩人だと思っていたけど、すごい脚本家だったんだ」と思われるという皮肉なオチ - 2026年6月11日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる8編目「兄と飾り箪笥」 家に代々伝わる飾り箪笥をどうしてもほしいと言い張って譲り受けた兄リチャードは、箪笥とともに過去に身をゆだねていく…… 兄が欲しかったのは幸せだった頃の記憶だったのか、家族の紋章を手にするという名誉だったのか 過去に囚われ、いまの幸せを失っていく皮肉が描かれる - 2026年6月10日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる7編目「ライソン夫妻の秘密」 郊外の住宅地で、他所者から地域を守ることに関してはうるさいライソン夫妻 妻の見る悪夢 夫が隠れて焼くケーキ 脈絡がないようでいて、いまの幸せを壊さないように躍起になるのには、幼き日の心の傷が関係しているのではないかと思わせる 過激に振れると身を滅ぼすのだけど、どこか同情をしてしまう - 2026年6月9日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる6編目「ひとりだけのハードル・レース」 郊外の住宅地で、土曜の夜のパーティがお開きになるころ、元陸上競技のエースであるキャッシュは、家具を移動させて飛び越えていくハードル・レースを披露する 若いころの栄光を捨てきれないキャッシュだが、その身体には着実に老いが迫っていて…… 否応なく五感が変わっていく様の描写が秀逸 どの話も後味が悪い…… - 2026年6月8日Moonflower MurdersAnthony Horowitz読んでるスーザン主人公のシリーズ2作目 さすが、開始10ページでもう面白いのがわかる 英語が難解でなく読みやすいので、長いけど苦にならない
- 2026年6月7日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる5編目「貞淑なクラリッサ」 軽い男が、美しいが頭の弱いと言われている人妻に手を出そうとする話 女は外見ではなく中身を見てくれる人がほしいと思い、一生懸命自分の考えを話すのだが、男は理解するふりをしているだけなのが悲しい どうしようもない話だけど、やはり情景描写が美しい - 2026年6月6日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる4編目「離婚の季節」 妻に惚れてしまいストーカーする男 最初は頭がおかしいと思っていたが、夫よりもほしい言葉をくれる男をだんだん無視できなくなっていく…… 夫婦の関係が綻んでいるのが、第三者を通じて見えてくる 妻が、いままでの人生で傷ついてきたことを思い出すように涙を流すのが印象的だった - 2026年6月4日
リルケ 神さまの話ライナー・マリーア・リルケ,杉浦博,河原忠彦,竹内豊治読み終わった読んだのは『神さまの話 新版』河原忠彦さん訳(ドイツ語文学出版者のあいんしゅりっと刊) 詩人リルケがロシアやイタリアの旅から着想を得て書いた、神様のお話を子供たちに伝えるために人に語る形式の13の短編集 それぞれ違う話だが、つづきのようになっている 童話みたいなお話で、神さまが直接出てくるものもあれば、直接は出てこないものもある 一体なんの話をしているのか理解しきれないときもあったけれど、語り口は優しく読みやすい - 2026年6月3日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる3編目「クリスマスは悲しい季節」 寓話のようなストーリーで面白かった 独り者の貧しいチャーリーは富裕層の住む高級マンションでエレベーター係をしている 「メリークリスマス」と住民に声をかけられるたびに「貧しい人間にはクリスマスは悲しい季節です」と愚痴っていき、しまいには子供がいると嘘までつきはじめる すると同情した住民たちが次々とディナーやプレゼントをおすそわけしだして…… 圧倒的な善意を向けられた人は、どのような行動に出るのか、人間の心の動きがよく描かれている そしてふと出会う美しい描写にぐっとくるーーp.76「ガラスのドアの外の暗闇がブルーに変り始めていた。しかしブルーの光がどこからきているのかはわからない。光は空中に浮かんでいるようだった。涙に濡れた光だった。その光が人のいない通りを浮かび上がらせたとき彼は泣きたいと思った」 - 2026年6月3日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる2編目「小さなスキー場で」 スキー場のホテルに現れた、どことなく違和感のある親娘3人 その違和感の正体がわかると、いままでの描写を読み返したくなる しかしまあ後味の悪いお話…… むかし楽しく旅行したところを再訪すると、思い出が美化されすぎているのか、期待はずれだったりするよねと思った - 2026年6月2日
リルケ 神さまの話ライナー・マリーア・リルケ,杉浦博,河原忠彦,竹内豊治読んでるあいんしゅりっと刊 河原忠彦さん訳 を文フリで購入 Readsに登録されていないので、ひとまずこちらの版で登録 神さまの話を語る短編集 - 2026年6月2日
チーヴァー短篇選集ジョン・チーヴァー,川本三郎読んでる1編目「さよなら、弟」 兄弟間でもわかり合えないこと、あるよね 同じものを見ているのに、まったく違う風にとらえる いくら言っても聞く耳を持たない でも、相手からすると、同じことを思われてるんだろう 家族でさえそうなのだから、他人とわかり合うって、難しいことなんだ だからって暴力はいかん…… 海が印象的 - 2026年5月31日
- 2026年5月31日
春にして君を離れアガサ・クリスティー,廣野由美子読み終わった英文学者の廣野由美子さん訳とあって、英文学研究の視点でかなり親切な注釈、解説がついているのに感激した タイトルはシェイクスピアのソネットからの引用なのだけど、その第一行の歴代の翻訳まで比較し、この訳の秀逸さを教えてくれ、「君」とは「春」とは、という深い考察を加えてくれる (タイトルの印象から、「春になるとこの本を読む人が多いよね」と最近話していたのだけど、実は舞台は11月なのだ) そのほか、作中でさまざまな引用がされているのもすべて教えてくれ、何度も読んだ作品なのに知らないことが多かった 時代考察もわかりやすく、この作品が「当時の典型的な中産階級のイギリス人女性の心模様を細部まで描ききっている」とあるように、家庭での態度、異国の文化や階級が違う人への態度を読み解くのも面白みがあり、現代を生きる自分たちを省みることができる 大好きな作品のことをより深く知ることができ、もっと好きになった 光文社古典新訳文庫のシリーズ、ほかの作品も読んでみたくなる アガサ・クリスティーの作品に出てくる差別的な表現も敢えて残し、当時はこのような差別があった(いまにも通じるよね)とわかるようにしているところも誠実な態度だと思う - 2026年5月27日
英米文学のわからない言葉金原瑞人読み終わった昔、アガサ・クリスティ作品によく登場する「マントルピース」がわからなかったな 『クララとお日さま』にも「アルコーブ」が出てきたっけ アメリカが舞台の作品で、夕飯に「ビスケット」を焼いている場面をどうやって訳そうか悩んだな そうそう、海外の作品に触れていると不思議で楽しい出会いがたくさんあるんだよね、と金原さんのエッセイを読んで思い出した みんな同じように戸惑ったりびっくりした経験があるんだね 付録でいままで金原さんが翻訳した作品についてのエッセイも読めてよかった 日本であまり読まれていないというヴァース・ノヴェルを読んでみたくなった
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