掃除婦のための手引き書 --ルシア・ベルリン作品集

46件の記録
- muu@mu_book_um2025年5月1日読み終わった借りてきた図書館から借りたの2回目。 短編集だから、空き時間に読みやすい。 100頁辺りから世界観に没入。 スマホと無縁のこの時代の女性の鋭い筆致、ユーモアの溢れる表現、アカデミックな一面を堪能。
- kasa@tool2025年4月13日かつて読んだ「背中に太陽を受けながら、キッチンの食卓で紅茶を飲んだ。正面ポーチに作った巣からスズメバチが入ってきて、家の中を眠たげに飛びまわり、ぶんぶんうなりながらキッチンでゆるく輪を描いた。」 24作品の短編集。 著者の生い立ちがリアリティのある壮絶な物語を書くのか。 アルコール依存や薬など読んでて楽しい気分にはならないけど、一瞬でその場に引き込まれるような文章 喪の仕事が特に好き
- butter cup🌿@lo3o-v-peony2025年3月23日読み終わった感想ひりつく思い出が走馬灯のように思い出されて、それでも愛しい人たちが沢山いて…。 人生の終わりに、こんな風に思い出せたら自分はいい人生だったと思えるんじゃないかな🙂↕️
- 黒井 岬@caperoy2024年12月28日かつて読んだ目に水を溜めながら読んだこと。帰省中に読み終えてそのまま母に貸してきた。余計なお世話だが、母が自身の人生をこういう風に、つらくとも美しいものだと思ってほしい
- DN/HP@DN_HP2024年11月16日かつて読んだまた読みたい読書日記ハードな人生、タフな登場人物。軽やかに乾いた文章。ユーモアや余裕も絶妙に漂っていて。とてもカッコ良い短編小説たち。 何度目かに読んだときから、これは彼女の人生で体験してきた「あきらめ」の上で物語られているのではないか、というような気がしてきている。 不条理な世界、ままならない人生、過去のやり直せない過ちや消えない傷を受け入れる。「悔いるのをやめる。」一度あきらめる。そのうえで、それでも、ハードな人生をタフに生きていく、生きてきた。その人生から慎重に切り取られ、誇張を加え作り話混ぜ合わせ紡いでいく。そうやって書かれる短編小説は、きっと彼女と同じようにとても強い。そんな印象を受けた。 あきらめることで手に入れられるもの、そうすることでしか手に入れることが出来ない強さやしなやかさ、余裕が、ものにできない短編小説があるのだ。そんな風にも思った。「あきらめ」以外にも相応しい言葉があるかもしれないし、的外れかもしれないけれど、幾つものことをあきらめてしまった後にはそんな風に読んでいた。ああ、まだ大丈夫なのかもしれない、と思えた。わたしもこの強さや余裕を手に入れられるだろうか、手に入れたいと思った。 どの短編小説も素晴らしかったのだけれど、冒頭の初めて読んだ彼女の小説で、すぐに大好きだ、と思えた「エンジェル・コインランドリー店」。 これもJAZZだった。JAZZみたいにロマンチックだ、と思った「ソー・ロング」。オーネット・コールマンのファイブスポットでの初演奏の一文にビックリしつつ嬉しくなった。 刑務所での文章教室を舞台にした大好きな短編小説があるのだけれど、同じように文章教室を舞台にした「さあ土曜日だ」も素晴らしくて、同じように大好きになった。ここでは珍しく作家を思わせる登場人物は語られる側で、語り手が作中の文章教室で習ったのか綺麗に哀しいオチもつくのだけれど、それでもやっぱり彼女の人生から物語られた素晴らしい短編小説だと思えた。が、特に好きでした。 「全ての月、全ての年」も近いうちに再読したい。
- RIYO BOOKS@riyo_books2022年11月10日読み終わった神々よりシーシュポスが科せられた不条理な刑罰と重ねるように、「わたし」は掃除婦としての日々を語る。その都度に見出す享楽や嘲笑も泡沫のように無に帰する。バス停を辿る不毛の道は灰色の空が映り込むように濁り、それでも死を否定する心を涙で満たす。