誘拐された西欧、あるいは中欧の悲劇
25件の記録
Sanae@sanaemizushima2025年12月17日読み終わったわたしの周りにはチェコ語を勉強している人が数人いる。大都市ではなく中規模の街にも関わらず、チェコ語の日曜クラスがある。 学ぶきっかけはアニメーション、イラスト(クルテク人気!)、ビールなどチェコの文化がほとんどのよう。 チェコの作家、カフカはドイツ語で本を書き、ハンガリーの作曲家リストはドイツ語で生業を立ててきた人だ。チェコの国民的作曲家、スメタナもドイツ語を話し、チェコ語はあまり得意ではなかったと読んだことがある。 歴史が動くたび国境が変わり、大国ドイツやハプスブルクの影響を多分にうけてきた中欧。 冷戦が始まってからは東の大国ロシアからの影響を否が応でも受けることになる。 「小民族とは、いついかなる時にも存在が脅かされ、消失してしまいかねない存在であり、そのことを自覚している民族である。」(p77) 民族とその言語が欧州に、世界に、どのような文化貢献ができるだろうかという問題提起、そして自分たちのアイデンティティを文化で示していこうとクンデラが声をあげた結果、わたし個人の周りを見る限りでは、成功しているように思える。 チェコ語のスピーチコンテストに参加した知人。格がとても多くて覚えるのは大変だと言っていた。それでもチェコ文化に触れたいからと学んでいる。 今わたしの身の回りで起きていることの理由のひとつはクンデラの影響も多大にある!と実感した本だった。






ないとうなみ@eheheno_he2025年8月16日読み終わった文化と教養って何? クロアチア、スロヴェニア、ボスニア・ヘルツェゴビナへの旅行前、あのあたりは何と呼ばれているのかを調べたことがある。中欧? ふと開いた英語のページはものすごく長くて、ひどく曖昧なことが書かれていた。中欧とは地理的な区分とばかり思っていたけれど、そんな単純なことではなかった。クンデラの言っていることはやっぱりまだわからない、けれど切実さは前より染み込んだように思う。
pamo@pamo2025年8月15日読み終わった感想図書館本面白かった。評論かと思って手に取ったら、中身は中央ヨーロッパの先人たちの講演・演説を収録したような本。 西欧になりきれず、さりとて旧ソ連圏の東欧でもない。国境は列強の気まぐれによって恣意的に引き直され、国は簡単に滅ぼされる。 そんな不信感・不安感のなかで、それでも列強に吸収されるのではなく一つの国民・民族として独立することを選んだ中欧の国々。 その国で生きてきた人から見た「国」というものの不確かさ、グローバリズムに対する猜疑心が感じられる。 大国ドイツの文化圏に染まった方が良いか。それとも弱小国家であろうと独自の文化圏を維持するべきか。どちらの方が国は発展するのか、先進国から取り残されないか、攻め滅ぼされないか。少数言語を使い続けるべきか、話者の多い言語を取り入れるべきか。 かつて日本もその悩みを持ち、明治維新やGHQ占領時代を乗り越えてきたことを思えば他人事ではない。 カフカの作品にある暗い不安感、美しいブダペストやプラハの街並み…中欧のいろいろな文化・芸術の下地が見えてくる。






















