シモーヌ・ヴェイユ
16件の記録
ジクロロ@jirowcrew2026年1月22日読んでる手段と目的の転倒がおきて早晩かならず手段が目的化するという悪しきメカニズムの元凶は、必然(必要)と善の恋意的な同一視にある。なにかを善だと思うから手にいれようし、そう思うことによってそのなにかは必然(必要)となり、ついには人間を支配する。 (p.313) 「必然(必要)と善の恋意的な同一視」 これこそまさに誤った正義のことではないか、 ふとそう思う。 「必善」と「善」の間には、途方もない隔たり。 どんどん窮屈になっていく、 もうそれしかないとしか思えないようになる、 この感じが「必善」。
ジクロロ@jirowcrew2026年1月17日読んでる一般に、あさましい動機のほうが大量のエネルギーを擁する。食料制限下に半ダースの卵を買うために何時間も行列する人間が、人命救助のためには一時間さえじっとしていられない。動機の高邁さとエネルギーの量はみごとに反比例するのだ。滅びゆくものへの憐れみや愛が供給するエネルギーはわずかである。滅びゆくものや力なきものは、独裁者や企業主のように、勲章や出世や金銭などで労に報いてはくれないからだ。 それでもやはり、再生はこのわずかなエネルギーにのみ依拠すべきである。レジスタンスを推進する愛国心という名の原動力に正当な制限が加えられぬなら、このありあまる情念はやすやすとファシズムに反転するであろう。 (p.257) 「動機の高邁さとエネルギーの量はみごとに反比例するのだ。」 高度経済成長期の日本、オイルショックでトイレットペーパーに群がる人々の映像、そのアーカイブ(過去の事実)を目にし、子どもながらに不快な気持ちになったことを思い出す。 ヴェイユの生き様とその文書に触れるたびに、自分もその映像のうちに含まれも違和感のない人間として生きているのではないかと問われているような気になる。 そのアーカイブから溢れ出すエネルギーは、使い方によっては可能性であり希望であるということ。 それら自分が不快だとか悲しいだとか感じるアーカイブをネガとして、「現像」を行い、その新しい像を広く行き渡らせること。 その現像液の役割を果たそうと、苦心しもがいていたのがヴェイユその人であったのかもしれない。

ジクロロ@jirowcrew2026年1月14日読んでるさまざまな集団の帰属意識と権利主張が交錯する社会は、プラトンが『国家』で詳細に描いてみせた陰鬱な「洞窟」である。 そこでは壁に映る影像のようにすべてが平面的で、三次元の特性である関係性が致命的に欠けている。 「関係性は孤独な精神に属する。いかなる群集も関係性を構想できない」(C2II 234)。 二次元的な「洞窟」を抜けだすには、副次の関係性を構想しうる孤独な精神が必要である。 この確信が、ヴェイユをしてカトリック教会の敷居上にとどまらせ、スピノザをして生まれ育った共同体からの破門宣告をうけいれさせた。 孤独な思索家であったスピノザとヴェイユは数学的思考を愛した。社会的なものが鼓舞する情念の呪縛を逃れて、表象不可能なものについて推論する数学とは、すぐれて関係性を探究する学問である。 だからこそ政治的な射程をもつ。ヴエイユの思索はつねに数学と政治を両軸として深まっていくのである。 (p.216) すべてがべったりと重なり合う、一共同体の二次元的解釈から脱するために、その洞窟、その平面的世界から、一つ上の次元に飛び出し、三次元的な解釈を実現すること。 そこにどこかイカロス的なものを感じる。立体的な解釈を実現させるための孤独な飛躍は、攻撃の対象となりやすい。そして平面にとどまる者は誰も助けてくれない。そしてその偉業は、誰にも気づかれぬままになされる場合が多い。 混沌とした現実世界(政治的)であるからこそ、時に数学的な、幾何学的な抽象性が必要となる。ヴェイユは自ら共同体から距離を取り、諸々の重なり合う事象を紐解き力を得るべくして、マルセイユからニューヨークへと飛び立つ。それは共同体からの水平方向への逃避ではなく、自らの使命感に準じた垂直方向の飛翔であったように思える。 彼女の為したことすべてが文字通り異次元であるように思える。

ジクロロ@jirowcrew2026年1月7日読んでる愛のないところに隔たりや別れはない。隔たりとはすなわち愛であり、隔たりの大きさは愛の大きさに比例する。別離の悲しみは再会の歓びと同じであり、伝えるメッセージも同じである。愛のないふたりが別れても別離はなく、出会っても再会はない。隣接する独房に収容されているふたりの囚人が、壁によって遮られていると同時に、壁を叩いて合図ができるように、隔絶は疎通の手段となろう。 (p.181) 隔たり、別離、そして不幸。 そういった悲観に導こうとするものから逃げず、恩寵として受け止める、ヴェイユの信仰の強さ、その純粋さに胸を打たれる。 「囚人」、そして「壁」。 それらは文字通りではなくメタファーとして、言葉では伝えきれない大事なことを伝えようとする意志を感じる。
rkm @ 𝖠𝗅𝗅 𝗒𝗈𝗎 𝗇𝖾𝖾𝖽 𝗂𝗌 💙@rkm172025年9月12日買った読み始めた読んでる@ 自宅最初の30ページで打ちのめされてる。 詳しい感想は読み終わったら書きます。ここにメモしておけば、読んでること忘れないので。
kt@keitobit2025年4月6日読み終わった社会の周縁に留まり続けること選び、強靭な意志と知性の力であるがままの世界に対峙し誠実たらんとした生。 物質的な必然の世界での闘争と不幸、美への感応、不在だが非在ではない神、万人が有する非人格的な善なるものへの希求。












