破戒

破戒
破戒
島崎藤村
新潮社
2005年7月1日
10件の記録
  • さゆ
    @d0220a
    2025年5月12日
  • 文鳥
    文鳥
    @buncho
    2025年5月9日
  • つらつらと再読。文章うますぎるね
  • まほうびん
    まほうびん
    @mzt_mkn
    2025年3月22日
  • 水
    @en_sui_
    2025年3月14日
  • comi_inu
    comi_inu
    @pandarabun
    2025年3月7日
    長野の山奥に住んでいた祖父は長いこと教職に就いてたからか常に何か課題を見つけて勉強し続けるひとだった。数学と仏像はずっと勉強してたと思う。祖父がいなくなったあと、一人住まいの家から島崎藤村の全集や一節を書き出したメモが出てきた。そういや藤村読んだことないなと思い、とりあえず『破戒』を選んだ。 度肝を抜かれた。面白すぎる。 プロローグで「丑松もまた穢多なのである」と巨大な杭を打ち込み、一気に読者を秘密の共有者に仕立て上げた。その上で始まる飯山での教職員生活では、周囲の何気ない一言や些細な態度に丑松と同じくらいの緊張や疲労を感じた。そして飯山での人間関係を振り切るようにして「それは忘れることのできないほど寂しい旅であった」の一文から帰郷編が始まる。この帰郷編もまた期待のひとつも持たせない喪失の連続だ。読みながらぐったりしてしまう。そうして再び飯山に戻った丑松が子どもたちの前で行う演説も凄まじい。 今更こんなこと言うべきかわからないが、藤村ってマジで小説がうますぎる。(あのオチのつけ方はどうかと思うがそれでもやっぱり小説がうますぎる) わたしは丑松が父の死を理由に故郷へ帰ってからの章がすきだ。 山々の美しさや黒々としてせせらぐ川に和みながらも、自身の行く末を不安がる丑松の心が手に取るようにわかるからだ。この章からやたら自然の描写が多くなるが自然を描けば描くほど、丑松の心に近づいているようにすら思う。 丑松の父は牛に殺された。父を殺した牛が屠られるのを丑松は見届けることになる。血に結び付けられた生業をまざまざと見せ付けられるのだが、そのシーンは淡々としている。憎しみも悲しみもない。仕事、さだめ、業によって生かされ、そして殺されるまでが描かれる。生と死が限りなく近いがゆえの清潔さだけが、わびしい田舎の風景に流れていく。 生前の祖父に藤村の話を聞いたことはなかった。もっとちゃんと聞いておけばよかった。藤村の一節をメモ書きして、壁に貼るほどに何を感じていたのか。今ではもうわからない。
  • riku
    @mont_25
    2025年2月1日
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