兄の終い

37件の記録
- おでんち@odenchi2025年9月10日読み終わった迷惑をかけっぱなしだった兄が小学生の息子を残して突然死したという連絡を受けて、引き取りに向かい様々な後始末をした5日間のおはなし。 自分も似たような経験がある。 ある日突然警察から電話がかかってきて、離婚した旦那が自宅で死亡していたのが発見されたという。 この話で言うと加奈子ちゃんの立場だったけど、子供は既に全員こっちに引き取ってたので向こうにはいなかったし、加奈子ちゃんの様に率先して片付けに行くでもなく彼の姉に全てを託して終わりにしてしまった。きっと義姉はこの話と同じようなことをしたのだろうと思うと、まかせっきりにして申し訳なかったなぁと思った。 散々迷惑かけられ、憎いとさえ思った兄(私にとっては旦那)も、亡くなってしまえば許せるという気持ちは理解できる。 だってもう迷惑かけられることはないんだから ある意味、開放感なのだ。 そりゃ結婚して、子供まで作ったんだから他人以上に想い合い幸せな時期もあったのだ 血を分けた肉親なら生まれてから成長の過程で一緒に過ごした思い出もあるだろう 迷惑をかけられるようになってどうしようもなくて別れたとしても幸せだった過去が消える訳ではない。 生きてるうちは迷惑で、死なないと許してもらえないなんて、考えたら不憫だとは思うけど、きっと生きてるうちに許されるようにできたはずだから、自業自得と言うしかないかな。
- Blueone@bluestuck42025年6月26日読み終わった映画化するんだよなあと手に取って、一気読み。人の死とはこんなにあっけないものか。それでいて、人はこんなに力強く生きていけるんだ。圧巻の書きぶりで、凄すぎました。
- jollyjoker@jollyjoker2025年6月6日読み終わった迷走しながら不器用に生きた兄としっかりものの妹。兄を軸に周囲の人との関係や生き方がありありと見えてくる。 テンポ良い語り口ではあるが決してドライすぎず、愛と配慮に溢れた文章で爽やかな読後。 信頼を得るには長い時間がかかるけれど、相手との関係は「挨拶」から始まるんだよなと改めて思ったり。
- らこ@rakosuki2025年6月5日読み終わったいろいろあって疎遠になっていたお兄さんが突然死。葬儀を含めた諸々の手続きの旅をまとめたエッセイ。お兄さんとの関係のことも含め、出来事や自分の気持ちを包み隠さず書いているのがすごい。 お兄さんが離婚後ひとりで育てていた良一くんがとても良い子。50代で持病と貧困に苦しみ、息子を置いて死ななければならなかったのは無念だったことだろう。お兄さんにとって、良一くんの存在が希望だったのではないか。
- 幸緒@kons_03202025年5月10日読み終わった駆け抜けるように読んでしまった。急死してしまった、疎遠な兄を「終」うための五日間の記録。「再起をかけていた」(「DAY ONE」)の履歴書を読んで、わたしも堪らなくなった。愛憎というだけでは説明がつかない、家族という奇妙なもの!
- おもち@alpaco2025年5月5日読み終わった借りてきた仲が良いとは言えなかった家族に対して、こんなにからりとしたまっすぐな文章で、ラストの気持ちにたどりつける作者はとても強い人だな。でも人を肯定できた時、その人を含む自分をも肯定できるのかもしれない。自身がいなくなったあとに、ひとりでも自分の人生の一片を見てくれていたり、肯定してくれようとしてくれる人がいたら嬉しいだろうな。生きてる人も亡くなってしまった人もみんな頑張っていることが痛いほどに伝わって来る一冊でした。
- スエ@kickrakan2025年4月17日読み終わった図書館多賀城にちょっと行ってみたい。 "喜ばしいことのはずなのに、兄の孤独な死がよりいっそう強調されていく。兄の人生の清算があっけなく済んでいく。兄は舞台袖に消えたのだ。たった一人で。"p.98
- atomin@atomin_1272025年3月10日読み終わった@ 自宅村井理子さんのド直球な表現が好きで「義父母の介護」からの二冊目。 疎遠だった兄の突然の死。警察から連絡を受け、その始末を完遂するまでの怒涛の五日間。昨日と今日で一気に読了。 兄と二人暮らしだった小学生の息子(=著者の甥)良一くんを周りの大人達がしっかり守りながら、前妻の加奈子さんと数々のミッションをこなして行く様に笑いもあるが、「家族(兄妹)」という関係ならではの何とも言い難い思いにも共感する。 「DAY FIVE →エピローグ → 兄をめぐるダイアローグ」で、昔からどうしようもないけど最期まで頑張って子育てして生きていた兄のことが知れて良かったな。
- 万年あぶれ人@u_su_al1900年1月1日読み終わった映画化決定で飛び跳ねて喜んだ。 突然逝ってしまった人の心を想像することしかできないつらさ。遺された者の孤独、自責感、いろいろな感情が恐ろしいスピードで入り乱れる描写に秒速で読んでしまった。村井さんの書きぶりはいつだって最高。