メディアが人間である 21世紀のテクノロジーと実存
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blue-red@blue-red2026年3月20日読み終わった社会批評メディア論昨今のAI(特に生成AI)の発展に、ワクワク感よりも閉塞感のようなものを感じてしまう理由が、本書を読んでよく分かる。あれらが与えているのは、人間の活動領域の拡張ではなく、人間のシミュレーションばっかりだからなんだな。むろん前者に供される部分もあるのだろうが、我々一般ピーポーが触れる「メディア」では後者ばかりの印象。 本書は、小説「ソラリス」からのクリティカルな引用から始まり、多量の文献を読み解きながら、現代のメディアを捉え直す。メディア論と言われてもピンと来ないが、現代社会では人は「自らの役割をドラマではなくメディアのなかに探し求める(p.216)」ため、本書の射程はとても広い。長い付き合いのできる濃厚本です。 人を立ちどまらせる「障害物」のようなメディアは後退し、欲望が即時に写される「鏡」のようなメディアに取り囲まれてしまったが(p.73)、それもまた我々が望んだ完璧な結果でしかないのが泣けるぜ。 最後の副題でもある「実存」の最終章で与えられる指針はソリッドでハード。現代人にとっつき易い具体的方法は示されないのが難点でもあり、著者の良心を感じられるところでもある。



















