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松田茉莉
松田茉莉
松田茉莉
@cotomato
さざなみぶんがくという名前で本を作っています。
  • 2025年7月12日
    言葉の贈り物
    言葉の贈り物
    批評家、随想家である著者のエッセイ集。特別難しいことが書いてあるわけではないけれと、普段何気なく取り扱っている言葉というものにふと考えさせられる。言葉を紡ぐことは自分の中で眠っている無数の言葉を確かめる営み。言葉にできないコトバも体の中でうごめいている。
  • 2025年7月7日
    続・ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―16歳から始める思考者になるための社会学―
    以前図書館で読んだ本の続編。メディアが報道しないことが書かれている。これを読んで何を考えるのか、何を信じてこの国で生きていくのか。また2019年でコロナ禍前で世界はより緊迫している。ちょうど参院選前。ため息しかでない現実でも生きていかなければ行けない。投票行こうね。
  • 2025年7月7日
    花の命はノー・フューチャー
    ブレイディみかこのデビュー作の文庫版。痛快で読んでて溜飲が下がる。英国の曇天にクソったれと思いながら人生はノー・フューチャーをフィロソフィーに生きる。レイシズムなんて昔からあったよ、今ほど陰湿じゃないけどってさらりと書いてある。そうだよね。今に始まったことじゃないよね。
  • 2025年6月30日
    随風 (01)
    随風 (01)
    最近エッセイが熱い。批評も座談会もある。随筆と呼ぶのかエッセイと呼ぶかで印象も変わると思うけれど、随風の名の如くシーンに新しい風をもたらせてくれる文芸誌の誕生。
  • 2025年6月29日
    ガチガチの世界をゆるめる
    かわいらしいイラストに「ガチガチの世界をゆるめる」というタイトルから受ける印象とは全然違う挑戦的かつ戦略的なゆるさの本だった。現役ストリートがこれ読んだらどう感じるのかなあ。あと個人的には今の時代普通が神格化されていると思うけど、没個性の普通に悩む普通障害とか、コピーライターなだけあって言語化も面白くて、スポーツ弱者ならぬスポーツ障害者という発想。そもそもすべてのスポーツは障害者の疑似体験(例:サッカーは手が使えない障害など)勝つためにルール改正することはあっても、もっと老若男女、健常者、障害者皆が楽しむためにクリエイティブな目線でルールをゆるめていいんじゃないかというのは目からウロコだった。
  • 2025年6月8日
    スピン/spin 第11号
    スピン/spin 第11号
    定期購読中のスピン。気が向いたときに読んで読み終えたタイミングで次号が届くので私の読書ペースにあってる。出来ればずっと続いて欲しいけど創業140周年の記念なので来年には終わるのかな。
  • 2025年6月8日
    あしたから出版社
    ひとり出版社夏葉社さんの物語。今では珍しくないし、昔から存在したんだろうけど夏葉社さんの登場は大きかったんじゃないか。書店の営業経験のみで編集経験はない。手探りで本をつくっていくところ。売れる本より長く残る本を作りたいこと。私も夏葉社さんの本は何冊か持ってますがこれを読んでますます応援したくなりました。
  • 2025年6月4日
    遅いインターネット
    平成は失敗したプロジェクトだった、は耳が痛い。本書は新国立競技場が建設中のコロナ禍前、東京オリンピックが開催前に出版されている。あれから東京オリンピックは延期され、翌年に無観客で開催され、安倍元首相が亡くなり、トランプは二度目の再戦をはたす。インターネットは切り取られたショート動画であふれ、世代を分断する。遅いインターネットで本当に未来を取り戻すことは出来るのだろうか。でも何もしないという選択肢より、走りながら、あるいは書きながら考えてみたい。
  • 2025年6月2日
    ヘヴン
    ヘヴン
    単行本を持っていたけど、つい先日古本で買って読み出したら止まらなかった。この圧倒的な文章の質量を受け止める勇気がなくてずっと再読を躊躇っていたけどようやく読めた。 いちばん最後の頁に元の持ち主の書き込みがあって、なんてことないメモ書きなのだけど、それもコジマのいうしるしみたいなものかもしれないと思った。
    ヘヴン
  • 2025年5月27日
    死ぬまでに行きたい海
    昔勤めていた場所、住んでいた場所、旅で訪れた場所、再び訪れることで蘇る記憶と感情。ただいろんなところに出かけて行ってその場所で見たことや感じたことを綴っただけ。そう言ってしまえばそこまでなのだけど、それだけじゃないたとえばバリ島旅行や飼い猫の失踪には言い表しにくい体験や喪失を感じるし、都市部に対しては一線引いて眺める客観性も感じる。熱量が溢れてはひいていく。この本を通じて私も一緒に出かけるという体験をしたみたいだった。
  • 2025年5月25日
    わかりやすさの罪
    最近ネットニュースのタイトルをなぜこんなわかりにくくするの?と不満に思っていた。単なるPV稼ぎだとわかっていてもイライラする。この本はわかりやすさの罪として、人の考えていることはわからないのに近頃は共感と納得で同意させるスピードばかりが追い求められる社会に警鐘を鳴らす。
  • 2025年5月23日
    なんたってドーナツ
    ドーナツ。それは不思議な食べもの。ただの揚げパンに穴が空いてるというだけでなぜか哲学にも通じてしまう不思議なおやつ。最近のおしゃれドーナツもいいけど、家で手作りするような昔ながらのドーナツも味わい深くて好きです。ドーナツのレシピか 由来から、ほろ苦い思い出までドーナツ愛が詰まった一冊。
  • 2025年5月22日
    365日のほん
    365日のほん
    毎日大量の新刊と向き合っている書店主の著者が四季を四つの本棚に見立ててえらんだ365日のほん。本棚に眠っている本が光ってみえる瞬間がある。良い本には時代にかかわらず人の心にふれる必然性を持ったなにかがある。 「出会ったときがその人にとっての新刊だ」
  • 2025年5月18日
    暗がりで本を読む
    図書館で一度借りて、ふとまた読みたくなって借りてきた。書店員によるブックレビューエッセイなのだけど、最初読んだとき全然印象に残らなくて、つっかえみたいなものがあって今日読んだらちゃんと面白かった。紹介されてる本はこの本読んだことあるなあ、とか。こんな本もあるんだとか。本の売り手、書店の立ち上げに携わる側からの視点とひとりの読者としての感想が垣間みれて面白いです。
  • 2025年5月16日
    中井久夫講演録 統合失調症の過去・現在・未来
    中井久夫講演録 統合失調症の過去・現在・未来
    この病気の当事者として治療を続けるなかで、医療者と対話して感じたことをなぞるような一冊だった。著者に名を連ねる胡桃澤伸さんにはお会いする機会が昔一度あり、書かれる文章や脚本も知っているの。中井久夫の師事を受けたことは初めて知ったけど「わからない」ってはっきり答えてるところはとても胡桃澤さんらしいと思いました。心の病気って一目見て治せるものじゃなくて、わからないを共有しあってしんどさや困りごとを解決していくんです。
  • 2025年5月15日
    生きのびるための事務
    生きのびるための事務
    この本は坂口恭平さんの軌跡なのだなあと思った。行動力もすごいし、なんとかなるのがすごい。ピカソや芸術家が経営や事務、法人化してたってのはなんとなく予備知識として知っていたから特別真新しく学ぶことってのはなかったんだけど、生きのびるための感覚的に事務を掴むという捉え方はとても面白い。
  • 2025年5月14日
    昔日の客
    昔日の客
    古書店を営みながら作家との交流や日々の暮らしの徒然など。本を売ることの侘しさなどもすうっと描かれている。この本を買ったのも古書店だった。新刊だったけど。大正生まれの作者と令和の今では文学や本を取り巻く状況は大きく変わったけれど文学を愛する人は変わらずに存在する。
  • 2025年5月12日
    愛の縫い目はここ
    詩集三部作。三冊目。少しこれまでの作品と変化を感じた。なんとなく包容力のようなやさしさを感じた。問いかけのような決意もあれば、淡々と紡がれる言葉もあって、「愛の縫い目はここ」ってタイトルの意味がなんとなくわかる気がする。
  • 2025年5月11日
    ナチュラルボーンチキン
    中年版『君たちはどう生きるか』だと金原ひとみがいうその通りだった。めっちゃ面白いし、かしましまさかさんとの恋愛もいい。ルーティンで自分を守っていた主人公の固定観念が平木直理との出会いによってどんどん打ち崩され、開かれていって過去の傷も浮かび上がってくるけれど、それを受け止めてくれるまさかさんがいてとてもよかった。
  • 2025年5月11日
    ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹
    ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹
    ソフィアコッポラの映画、「ヴァージン・スーサイズ」の原作。公開時映画は当時の日本でもガールズムービーとしてとても流行った。最近二十年振りに見返して、綺麗な映像と音楽と初めてみた時も雰囲気はいいけど、よくわかんないと思って積読だった小説を読み返した。10代の少女が将来に悲観することはよくあると言えばそれまでだけど、末っ子のセシリアの自殺未遂が発端となって閉鎖的なリズボン家はどんどんルールが厳しくなっていく。四女のラックスが印象的に描かれているけど、私は女家族に囲まれたミスタ・リズボンを少し憐んでしまった。
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